モデルプレスのインタビューに応じた超特急(前列左から)カイ、ユーキ、タクヤ(後列左から)リョウガ、コーイチ、ユースケ、タカシ【モデルプレス】

超特急、20人の握手会から2万5千人動員ライブまでの軌跡―辛酸を嘗めた下積み時代 モデルプレスインタビュー

2015.10.21 07:00

7人組メインダンサー&バックボーカルグループ・超特急の快進撃が止まらない。6月に発表したデビュー3周年記念シングル「スターダスト LOVE TRAIN/バッタマン」では小室哲哉と前山田健一より楽曲提供を受け、9月には北川景子主演のフジテレビ系ドラマ「探偵の探偵」の主題歌としても親しまれた、世界的ギタリストのマーティー・フリードマンとフィーチャリングした「Beautiful Chaser」をリリース。10月31日からは初主演映画「サイドライン」も公開となる。話題の絶えない彼らだが、ここに至るまでには辛酸を嘗めた下積み時代があった。

  
グループ名のように、超特急で成長を遂げている7人は12月23日・24日、2daysで国立代々木競技場第一体育館にて、自身最大規模となる2万5千人動員予定の「超特急 CHRISTMAS ONEMAN LIVE 2015 Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~」を開催する。今年の目標だったと語る代々木第一体育館での公演を控えた彼らに、今の胸中を聞いてみた。

超特急(前列左から)カイ、ユーキ、タクヤ(後列左から)リョウガ、コーイチ、ユースケ、タカシ

公演が日々迫る今の心情

― 6月に行われたデビュー3周年記念ライブにて、代々木第一体育館での2daysワンマンライブの開催を発表し、4ヶ月が経ちましたね。今の心境をお聞かせください。

カイ:とても楽しみです。ここまできたらやるしかないので、不安はあまりありません。会場を埋めることは絶対として、あの大きな会場で僕たちが2daysのワンマンライブができるのはすごく幸せなこと。今から楽しみでなりません。

タカシ:代々木で単独というのは初めての挑戦。なので、僕は不安が大きいです。どんな風になるのか想像もつきません。でも、きっと当日歌ってみると気持ち良くて、素敵な光景が見られるのだと思います。代々木に向けて8号車(ファン)のためにもがんばっていきたいです。

コーイチ:僕は楽しみが半分で、不安が半分。想像は一切つかないし、そのとき自分はどう思っているのか全然わかりません。ですが、待ってくれている8号車がいます。もうすぐ準備も始まりますが、自分のできることを精一杯がんばりたいです。

タクヤ:番組などで代々木のライブを告知させていただく機会も多いのですが、その度に「ぜひ来てください」と言うと「本当にやるんだ」と感じさせられます。ライブまであと2ヶ月ほどですが、たまに「ウソなんじゃないか」と思い、未だに信じられないこともあるので僕は不安が大きいです。ただ、8月には「a-nation island」で、10月24日にも「GirlsAward 2015 AUTUMN/WINTER」で代々木のステージに立たせていただけるので、そこで会場の空気を感じられることはすごく大きなことで幸せなことです。

コーイチ

大きいステージだからこそできること 代々木への期待

― 超特急史上最大規模のワンマンライブとなりますが、代々木第一体育館という大きなステージだからこそやってみたい演出などはありますか?

カイ:花道などもあるかと思いますが、7人が至る所に散らばり、踊ってみたいです。これまでとは異なる見え方のパフォーマンスになるのではないかと思います。

コーイチ:ボーカリストとしては、センターステージで歌うかもしれないというのは楽しみです。怖さもありますが、360度会場を見渡して歌えるとなると胸が高鳴ります。

ユーキ:僕はステージの端から端まで駆け抜けたいです!

カイ:いいじゃん!ユーキはアクロバットが得意だから、端から端までバク転してみなよ(笑)。

ユーキ:いやいや(苦笑)。連続となると目が回るんだよ。30回連続でやってらっしゃる方もいますが、本当に尊敬します。

― ツアータイトルの「Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~」はみなさんが考案されたとのことですが、どのような思いが込められていますか?

カイ:電車にかけた名前にしたいという思いがありました。自然と打ち合わせをしている中で出てきたタイトルです。

タクヤ:何に重点を置いてライブを作ろうかとなったときに、出てきたのがやはり電車。超特急といえば電車なので、タイトルもですがステージングも電車をモチーフにした素敵なものにしたいですね。

カイ

コールに対する思い

― みなさんのライブといえばコールも名物の一つですが、コールはどのように生まれるのか教えてください。

タクヤ:8号車がいつどのように会議を開いているのかわかりませんが、いつの間にかできていて、それが定着しています。

ユースケ:曲によってコールをするべきか、すべきでないかといったこともあるみたいですよ。

タクヤ:たしかにバラードはそんなにないよね。ミディアムバラードの「Billion Beats」はみんなで振りはしますが、コールはありません。バラードは温かい目で見てくれています。最近出したシングルでいうと「スターダスト LOVE TRAIN」や「Beautiful Chaser」はコールで一緒に盛り上がるよりも、じっくりパフォーマンスを見てほしいかな。

ユースケ:「Beautiful Chaser」はコールではなくて、みんなでヘッドバンギングをやってほしいです!

リョウガ:やってくれている8号車もいるよね。

ユーキ:それが浸透していけばいいな。ロックナンバーなので、そういった盛り上がり方を期待しています。

カイ:いいね!代々木でその光景を見てみたい!

― 「HOPE STEP JUMP」では、初めての公式コールもできましたね。

ユーキ:自分たち発信のコールはなかったので、一緒に作れて嬉しいです。この楽曲はまだライブで披露したことがないので、8号車のみなさんのパワーを一つの形として、初披露するのが楽しみです!

― みなさんにとってコールはどういったものでしょうか?

タカシ:コールがあることによって、超特急と8号車でライブを作り上げることができます。僕たちも楽しめるし、8号車も楽しめる。曲によって異なるコールは、ライブの醍醐味です。

リョウガ:コールが聞こえてくるとテンションが上がります。8号車を含めて超特急というのが目に見えて、証明できるのがコールですね。コールやペンライトの振りがなければ、超特急として成り立ちません。

コーイチ:声を出してもらっていると「こんなに声を出してくれているのだから、僕たちもがんばろう」という気持ちになります。僕が「声出していこうぜ!」と呼びかけたら、それに応えてくれるのも嬉しいです。コールがあることで一体感が生まれ、一緒にライブを作っているなと実感できます。コールは僕たちにとって、かけがえのないものです。

リョウガ

インパクト大のパフォーマンスで見る者を虜に

― みなさんのライブの魅力や、ほかのアーティストに負けない強みを教えてください。

リョウガ:8号車と作り上げる空間、一体感には自信があります。1~7号車のメンバーとファンの8号車で超特急。コールやペンライトの振りがあって曲が出来上がります。8号車は超特急にとって、必要不可欠で大切な仲間。ファンとの絆の強さは、どのアーティストさんにも負けません。

ユースケ:フェスやイベントにもたくさん出演させていただいていますが、初めて僕たちのパフォーマンスを見た人が「気になる」「調べてみよう」と超特急をたくさん検索してくれているようです。これから代々木まで、多数のイベントに出演させていただきますが、そこでどれだけ超特急を気になってもらえるかが勝負。a-nationでも、たくさんの方に気になってもらえたので大成功でした!

ユーキ:9月にはT.M.Revolutionの西川貴教さんが主催するイナズマロックフェスにも出演させていただきました。西川さんの環境保全への思いが込められたイベントに、微力ながらも携われたことは嬉しかったです。その一方でロックファンが多い中、超特急という少し変わったグループがライブをしたときに「どう思われるんだろう」といった心配もありました。でも「Believe×Believe」の白目のパフォーマンスで、笑ってくれている人の姿が見られ、その後もコールを叫んでノッてくださりました。初めて見る方に与えるインパクトは抜群です。

コーイチ:MCでは、初めて僕たちのライブを見る方にも、わかりやすく伝えることを心がけています。僕たちのパフォーマンスに驚かれることもあるので、空気を和ませ、距離を縮めることに努めています。

タクヤ

握手会参加者が20人ほど 知られざる下積み時代

― デビュー当時は新大久保で路上ライブをしていたみなさんですが、下積み時代を振り返ってみていかがですか?

カイ:ショッピングモールを回っていたこともありますが、当時があったからこそ今があるのだと思います。今では、フリーライブなどにたくさんの方に来ていただけるようになりましたが、3年くらい前には握手会で20人ほどしか集まらなかったことも。3rdシングル「POLICEMEN」のリリースイベントを小田原で開催したときは、お客さんが20人くらいしかいないときもありました。

リョウガ:あのときは8号車が全然集まらなくて…。その地域に住んでいるご年配の方が通りかかって、観覧していかれるといった状況でした。

タクヤ:なのにセキュリティだけは半端なくて、僕たちの周りには警備員が5~6人。誰も寄ってきていないのに(苦笑)。

ユーキ:それでも、お客さんがいる限り僕たちは折れません。たとえどんな逆境であろうと、僕たちは全力でパフォーマンスしていく。アウェイでも自分たちらしさを貫くのが超特急の武器なのでめげません。

ユースケ:3rdシングルというと、この頃から曲ごとにコンセプトが決まってきたよね。デビュー曲の「TRAIN」や2ndシングル「Shake body」は韓流に近いものがあって、そんな時代も僕は好きだったな。本当に、ただひたすらそのときをがんばっていたから今があります。

ユーキ

それぞれが抱えていた苦悩

― タクヤさんは、ダンスほぼ未経験で超特急のメンバーになりましたが、苦労などはありましたか?

タクヤ:僕は超特急結成後、少しだけ遅れて加入したのですが、周りはダンスがうまい人ばかりで自分は未経験。一人だけ取り残されている感じがありました。後から入ったので、余計にそう思うことがあって、折れることが何度も。それでも、がんばって続けてきたから今がある。ユーキがいったように、どんな逆境も跳ね返していけば、乗り越えていけるんだと思います。

― デビューした頃、コーイチさんとタカシさんは関西圏にお住みでしたが、大変だったことを教えてください。

コーイチ:往復も体力的に大変でしたが、物理的な距離があると、超特急との距離を感じることも。一人で地元にいると、超特急だけを見ることが出来ませんでした。当時は大学受験もありましたし、目線が行ったり来たりでした。

タカシ:平日は学校に行って、休日は超特急として活動するといった生活を3年以上続けてきました。それが定着していたのですが、一人でいると「これでいいのかな」と不安になることも。でも、一人でいるからこそできることもあると気づいたんです。振付をしっかり覚えるなど、大阪にいるときにできることしっかり準備しておこうと思ったんです。歌、ダンスともに未経験でしたが、今は超特急の活動が心から楽しめています。

― 首都圏のダンサーと関西圏のボーカル、どのように距離を縮め、一つになっていったのでしょうか?

コーイチ:振付の動画を送ってくれるときに「コーイチ~!タカシ~!」と呼びかけてくれるのが、すごく嬉しかったです。振付の動画だけでいいところを、冒頭には漫才が行われ、それが肝心の振付よりも長いというのが毎回で(笑)。

カイ:やってた!ユーキと二人でひたすら喋り続ける動画も撮って送ったなぁ。

リョウガ:思い出せないくらいにくだらないことをやっていたよね。

コーイチ:でも、そんなくだらないことが嬉しかったです。

ユースケ

メンバーとの忘れられないエピソード

― 念願の代々木第一体育館での公演が決定したみなさんですが、メンバーとの忘れられないエピソードをお聞かせください。

タカシ:今、話にあがった動画には本当に支えられましたね。超特急の活動が、平日に行われることももちろんあって、自分だけ遅れることが何度もありました。みんなが「ライブでこういう演出をするから合わせようね」と動画で送ってきてくれたから、「しっかり覚えないと」とも思えました。僕に向けての思いやりが嬉しかったです。

コーイチ:タカシと長距離バスで東京に通っていた頃、きっと一人だったらとても辛かったと思います。だから、タカシがいてくれただけすごく救われましたね。一人じゃないというのが大きかったです。

ユーキ:ダンスに対して、意見を真剣に出しあうなど、そんな日常も忘れられません。

ユースケ:僕は「Bye Bye Bye」の振付をみんなが任せてくれたことが嬉しかったです。その曲は、マネージャーさんから超特急のメンバーが振付をする曲だと聞いて「みんなで楽しくやるのかな」と思っていたら「ユースケ、やれば?」と勧めてくれて。僕でいいのかなとも思いましたが、サビの部分は全体的に僕が振付を考えることになりました。さすがに1曲全ては難しかったので、ユーキにも一緒に考えてもらって、振付が完成したんです。このとき「ダンスをやっていて良かった」と心から思いました。

カイ:実は1年くらい前に、バラバラになりかけたことがありました。ユースケが高校を卒業し、タカシは高校卒業を控え、僕たちは成人し、コーイチは大学に通いながらといろんなことが重なって、もう一度、一つにならなきゃいけないというときがあったんです。イベントの終わりに、しっかり7人で話し合って、「もう一回、7人でやっていこう。支え合っていこう」という気持ちが強くなりました。

リョウガ:僕はリーダーをユーキから受け継いだとき、先陣を切っていたユーキのようにならないといけないのかなと悩むことがありました。「絶対に無理だ」と思っていましたが、メンバーは「俺たちがフォローするから」といってくれて、「自分らしくリーダーとしてがんばろう」という気持ちになれました。今でも「リーダーだからこうしなきゃいけない」「こう言わなきゃいけない」というときに、いつもメンバーに助けられています。

タクヤ:グループ結成後に加入した僕にとって、メンバーと打ち解けられたきっかけになったのがカイとユースケ。カイとは高校が一緒で、超特急に入りたての頃は放課後にダンスの振付を教えてもらっていました。ユースケとは以前に他の仕事で活動していたことがあり、面識があったので、それだけで安心できましたね。加入した頃は二人に支えられました。

タカシ
― 最後に、代々木第一体育館での公演を控えているみなさんの夢を叶える秘訣をお願いします。

タクヤ:迷ったり、悩んだりしたら、とりあえずやってみる。僕は超特急加入の話をもらったときに、最初は本気で「無理です。やめます」と断りました。結局、悩みながらも超特急に入ることになるのですが、今とても充実しています。超特急の活動を通して、悩みながらも、とりあえずやってみたら「よかった」と思う場面がいくつもありました。なので、迷いや悩みがあってもとりあえずやってみること大切だと思います。

タカシ:あきらめないこと。夢があって、その夢に向かって進みたいという思いがあっても、一度あきらめてしまうと、自分のやりたいことができないと思います。どんな苦しみや不安があっても、絶対にあきらめないこと。僕も超特急の活動と学業を両立させながら、遠征を何度も繰り返していた頃は、「この先どうなるのかな。プラスになっているのかな」と思うこともありました。それでも、両立できたからこそ楽しい今があります。

― ありがとうございました。

期待と不安が入り混じる代々木第一体育館でのワンマンライブへの思いを語ってくれた超特急の7人。念願のステージに立つまでには、知られざる苦悩を抱えた下積み時代があった。3年前は、20人ほどしか集客できなかった彼らが2万5千人を動員するワンマンライブに挑むクリスマス。8号車とともにどんなステージを繰り広げてくれるのか期待したい。(modelpress編集部)

超特急

超特急プロフィール

コーイチ(1号車)、カイ(2号車)、リョウガ(3号車)、タクヤ(4号車)、ユーキ(5号車)、ユースケ(6号車)、タカシ(7号車)からなるメインダンサー&バックボーカルグループ。多彩なジャンルを織り交ぜたダンスを踊るメインダンサー5人と、甘く伸びやかな歌声でダンサーを支えるバックボーカル2人で構成される7人組。2011年12月25日に結成。2012年6月にインディーズデビューシングル「TRAIN」を発表。12月23日、24日には自身最大規模となるワンマンライブを国立代々木競技場第一体育館にて開催する。

公演情報

超特急 CHRISTMAS ONEMAN LIVE 2015 Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~
【会場】
東京・国立代々木競技場 第一体育館
【日程】
12月23日(水・祝)17:00開場/18:00開演
12月24日(木)18:00開場/19:00開演

詳細は下記まで
http://bullettrain.jp/Fantasyyoyogi2015/

コーイチ
カイ
リョウガ
タクヤ
ユーキ
ユースケ
タカシ
超特急
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