俳優・小関裕太“20歳の今”蘇る想いに涙…節目の主演作「広まっていく自信はある」
俳優の小関裕太がモデルプレスのインタビューに応じた。NHK『天才てれびくんMAX』(06~08年)など子役として活動をスタートさせ、舞台・ドラマ・映画とキャリアを重ねてきた彼は今、20歳の青年に。TBS系『ごめんね青春!』(14年)で演じたトランスジェンダーの役柄も話題となり、“ブレイク俳優”として勢いにのる今年、彼にとってかけがえのない“今、この瞬間”を刻み込んだ映画が封切られる。
インタビューでは、20歳を大きな節目として意識していたという“俳優・小関裕太”が今作に込めた想い、そして20年間で培ってきた夢への向き合い方や思い描く未来についてたっぷりと語ってもらった。
「想いが一気に蘇って」流した涙
― 『Drawing Days』拝見しましたが、じんわりとした温かさが胸の奥に広がる素敵な作品でした。小関:愛に溢れた作品ですよね。僕自身、監督の世界観のファンであり、あの雰囲気は監督がいないと作れないものだと思いました。昨日もたまたま会ってお話したんですけど「楽しかったね~」って。まず現場の空気が温かかったので、それが映像に出ているんじゃないかなと思います。
― 作品を客観的にご覧になって、いかがでしたか?
小関:僕は作品が完成する直前に編集室で初めて観たんですけど、オープニングが出た瞬間、恥ずかしさと緊張があって。結果、自分でも胸を張って「良い」と言える素敵な作品になっていたので安心しました。今回、作品作りの核となるメンバーは身近な方々でしたが、照明さんやカメラさんなど、初めましてのスタッフさんもたくさん集まってくださって。そんな中で愛を持って接してくださり、楽しく幸せに完成に向かっていけたことが僕はすごく嬉しくて。そんな想いが完成した作品を観た時に一気に蘇ってきて…感動で涙してしまいました。
― 小関さん自ら制作の段階から関わったということで、特に思い入れの深い作品になりましたよね。
小関:バースデーイベントへ向けて映画を作ることが決まった時、単なる“ファンの方向け”の内容にはしたくないとお伝えして。そこから小関裕太自身に近い役なのか、全く違う役なのか…という分岐点だったり、色々と話し合いながら形ができていきました。全然違う内容のストーリー案もいくつか出ていたんですけど、「いや、ここは違う」と削ったり、「じゃあ元から変えましょう」ということになったり。期間は短かったんですけど、かなり濃密な時間でしたね。
― 主人公の夏生は小関さんと同じく、19歳から20歳にうつりかわる青年。様々な葛藤を抱きながら、自分自身に向き合っていきます。
小関:バースデーイベントで披露する映画だから自分と似た役を作るという選択肢もあったと思いますが、僕はそうしたくなくて、あえて自分と交わらないように、平行線で進んでいけるようなイメージで挑みました。ただ、結果的にどこか擦れるようで交わらない…自分に似ているような似ていないような役になったと思います。
― 主演として、現場の雰囲気作りを意識したことはありましたか?
小関:特にないんです。本当に感謝すべき点なんですが、参加してくださった皆さん一人一人が本当に明るく、受け身よりも“発信者”がすごく多い現場だったんです。僕も比較的、発信するほうが好きなタイプなのですが、撮影期間は色んな人の発信に支えられて過ごせたので、いい意味で楽にできました。
― 舞台となる神奈川県三浦市の景色もとても素敵ですよね。
小関:途中で台風が過ぎたり雨も降っていたんですが、三崎の海岸はすごく穏やかで、クリーミーな感じ。あの映画っぽい落ち着いた雰囲気が街にも漂っていました。
― 今回、夏生の恋愛要素は描かれませんでしたね。
小関:そうですね。ただ夏生自身の恋はないですけど、佳乃さんの「愛」はあるんです。僕は結構それが好きで。先立った夫と夏生を照らし合わせたりして、キュンとするピュアさを感じるんです。初恋のような感覚。自分自身もそうなんですけど、何年も前の記憶って美化されて、今よりも幸せに感じる時があるじゃないですか?佳乃さんの記憶の中にも、それをすごく強く感じるなぁと。そんな視点で観るとまた面白いかなぁと思います。深いなぁ~と。
「好き」と向き合うことが自分の一部に
― 夏生は過去の出来事がきっかけで「絵を描きたい」という想いを閉ざしてしまうのですが、小関さん自身が初めて“やりたいこと”を意識したのはいつでしたか?小関:僕は常にやりたいことが多く、1つ1つにチャレンジすることが好きなので、この仕事を夢にしたのはいつかっていう厳密なタイミングはわからないんですけど…好きなものをとことんやる自分が好きだと気付き始めたのは中学生くらいかなぁ。『天才てれびくんMAX』に出ていた小学生の頃はありがたいことに、自分の「好き」と向き合うことが知らないうちに見ている方の盛り上がりにつながるという素敵な環境だったので、お仕事としてという意識がなくて。
― 子役から長く活動されてきた中で「もしかしたら、別の道もあったかも」と考えたことは?
小関:全然考えなかったですね。「楽しいからやっている」というその頃の感覚が、知らず知らずのうちに自分の一部になっていったのかな。今もその気持ちは変わらずにあります。
― “やりたいこと”に一直線の20年間だったと。
小関:そうですね。最近一層、その想いが濃くなったような気はします。夏生の場合は、やっていいのかやっちゃいけないのかというラインもわからないまま上京してきて、唯一“やりたいこと”である絵に対しても疑問を抱いてしまう自分がわからなくて。ただそんな中で、様々な人との出会いが大きなきっかけになる。出会いって大事だし、そういうきっかけがないと人は変わっていけないんだなぁと思いました。
― 20歳を節目として意識していましたか?
小関:かなり大きな節目として考えていました。想像してはいたんですけど、お酒というツールが増えることで出会いも広がるんですね。飲まなくてもその場にいられることが嬉しいし、先輩が久々に「飲めるようになったんだから、今度会おうよ」と連絡をくれたり。同世代とはまだ飲んでいないんですね。
この輪が広がっていったら嬉しい
― 今作の劇場公開が決まったことで、出会いもさらに広がっていきそうです。小関:これはすごく大きなことです。有名な役者さんが出ている大規模な映画がたくさんある一方で、海外から来たマイナーと言われる作品がメジャーになったりもして。そんな中で、『Drawing Days』は僕自身、胸を張って「良い」と言える作品なので、きっとこれから広まっていくだろうという自信はあります。ただ、まずは観ていただかないとその良さに出会うこともできないので、今はこの作品の存在を色んな方に知って頂きたくて。一週間限定上映の中で、色んな年齢や性格の方に観てもらいたいし、素敵な時間が誰かの記憶に残って、この輪が広がっていったらすごく嬉しいなと。
― 上映館も増えていくといいですね。
小関:そうですね。そういうつもりでいたいなと思います。元々は映画館で上映できるかどうかわからない状態であったにも関わらず、支えてくださった皆さんの強い想いは他の何にも代えがたく、どの映画にも負けないくらいの良い部分としてスクリーンにつながっていると思うので、とにかく見てほしいですね。
◆インタビュー後編(8月7日掲載予定)では、「価値観が全く変わった」というアメリカ一人旅の思い出や20代の目標、家族への感謝のエピソードなどをお届けします。(modelpress編集部)
映画『Drawing Days』
2015年8月8日(土)渋谷シネクイントにてロードショー2015年8月29日(土)大阪シアターセブンにてロードショー
キャスト:小関裕太、古舘寛治、須藤理彩、根岸季衣
脚本・監督:原桂之介
小関裕太(こせきゆうた)プロフィール
1995年6月8日生まれ。東京都出身。NHK教育『天才てれびくんMAX』や映画『大奥』などを経て、ミュージカル『テニスの王子様』菊丸英二役で人気を博す。2013年には舞台『FROGS』で初主演を務めた。近年、『ビター・ブラッド~最悪で最強の親子刑事~』や『ごめんね青春!』、『化石の微笑み』といったドラマで印象的な役を演じる一方、映画の出演も増えている。映画出演作は、『ぶどうのなみだ』(14年/三島有紀子監督)、『あしたになれば。』(15年/三原光尋監督)、『空と海のあいだ』(15年/南柱根監督)など。現在、TBS系ドラマ『ホテルコンシェルジュ』(火曜よる10時)に出演中。もっと詳しくみる
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