大塚 愛、笑顔の裏側にあった影・葛藤「やめようと悩んだ」…そして生まれた“新たな音楽”【モデルプレス】

大塚 愛、笑顔の裏側にあった影・葛藤「やめようと悩んだ」…そして生まれた“新たな音楽”

2015.04.21 08:00

シンガーソングライターの大塚 愛がモデルプレスのインタビューに応じた。7thアルバム『LOVE TRiCKY』(4月22日発売)は2003年のデビューより初めて全作曲を共作した意欲作。このタイミングでそれを発表した理由は?またそこから彼女の歩みを紐解く。

  

新しい“大塚 愛ワールド”が完成

サウンドクリエーターにSTUDIO APARTMENTの阿部登を迎えた本作。エレクトロを基調としたトラックにさまざまな音色、表情の歌声が重なり融合、新しい“大塚 愛ワールド”が堪能できる。

「『Rabbit』に加入させて頂いた時、人のトラックを先にもらって、私がメロディをつけていくっていうことをしました。それがけっこう自分の中で『面白い!』という感覚で強烈に残っていて、それを一緒にやれる人が出てきたら、やりたいと思っていた時に(STUDIO APARTMENTの)阿部くんに出会いました。とりあえずリリースがどうということではなくて『一緒に曲をやってみない?』という流れでひたすら曲を作って、その後スタッフの方に聴いてもらったら、実際に今回のリリースが決まりました」。

収録されるのは10曲。一度聴いたら病みつきになる中毒作が揃うが、世間が彼女に抱く“歌う楽曲”のイメージからはかけ離れ、彼女はそれらを“聴く楽曲”と表現する。

「『laugh』とか『affair』、『I'm lonely』はちょっと攻撃的で今までに本当にやってこなかった曲。昔はやっぱりちょっと親しみやすさを大事にというか、そういう流れにしていたこともあって、そこからいきなりこんな攻撃的なものをやると『大塚 愛どうしたんだ!?』(笑)みたいになるので、なかなかやろうという感じにはならなかったと思います。今だからできた音楽です」。

モデルプレスのインタビューに応じた大塚 愛

一番辛かった時期は「2005年」

デビューから12年、紆余曲折を経たからこそ発表できた音楽に喜びもひとしおだ。そんな彼女に「一番辛かった時期は?」と聞くと、「2005年」と意外な答えが返ってきた。大塚にとって2005年は、前年末の賞レース『レコード大賞』で最優秀新人賞を獲得、さらに大みそかの『NHK紅白歌合戦』に初出場した翌年にあたり、彼女の代表曲となる『SMILY』や『プラネタリウム』をリリースした年にあたる。

「デビュー前はまずどうにかして『デビューするぞ!』という気持ち、2003年にデビューしてからは『駆け上がるぞ!』という気持ちで、その時はそれしか考えていなくて、結果だったり、いま自分がどうなっているかって客観的に見られなかったので、苦しいより楽しい方が多かったです。でもデビューから2年経った2005年は、結果はもちろん、自分では思いがけなかったイメージを世間に持たれている、そういうことに気づき始めた年。それをどう受け止めていくか、ということを考えたいけど次から次へと毎日仕事があって自分の中で整理する時間がなくて…『あぁもう苦しい』みたいな。それを受け止めて理解するメンタルの強さも時間もなかった時期が2005年です」。

大塚はさらに続ける。「その時期をどのように乗り越えたのか」を。

「その時はやっぱり一番レコーディングが立てこんでいて。曲を作ることにもストレスを感じるようになっていました。それまでは『自分が作りたい』『これをやりたい』『これをやったら面白い』と思いながら作っていた音楽がだんだん『人の評価を気にしながらやらないといけないもの』になっていき、『次はこれでいいのか?』『なんか商業的すぎないか?』。思ったように思ってもらえない、うまくいかない感じが苦しくて辛い、そう思っていた時にアレンジャーが『その辛いって気持ちを曲にすればいいんじゃない?』と言ってくれて、その一言でかなり気持ちが楽になりました。『お前はアーティストなんだから思ったことを曲にするのが普通なんだ』と言ってくれたのもすごく覚えています。そこからやっと前に進めました」。

音楽を“やめよう”と思った時期も

光り輝く彼女の笑顔の裏側にあった影、音楽への葛藤…誰もが彼女の歌を口ずさんでいたが、その心のうちを知るものはいない。“辛い”だけでは収まりきらず、音楽を“やめよう”と悩んだ時期もあった。

「作ることはすごく好きなのに、人前で表現することは好きではないと思ったことがあって。その時は上手に呼吸もできなくなって、歌わないといけないのにちゃんと歌えない…『あーもうダメだな』と思いましたが、20代後半くらいに『そもそも誰も自分に期待していない』と思うようになったらすごく楽になって、そこからそういう悩みは解消されました」。

神妙な面持ちで話した後、「今でも『あーやめよう』と思っていますよ(笑)」と嘘とも本音とも取れる発言をするのも実に彼女らしい。一方で「励ましてくれるのは家族。子どもが『ママの歌が好きなの』と言うだけで『やります!!』って気持ちが戻ります」と微笑む姿に嘘はないだろう。母となり表現の幅が広がったのは、彼女が生み出す音楽が証明しているから。

「いろんな曲を出していても、皆さんがたまたま耳にしたものがすべてのイメージになってしまうことが残念でもあり、でも皆さんの耳にまず入っている時点で嬉しいことでもあります。そうやって12年間やってきたからこそ、皆さんが私に固定観念を持っているのも当然だと思っていて。今回のアルバムはとりあえずそれをゼロにしてもらって、まっさらな気持ちで聴いてもらえたら嬉しいです」。

夢を叶える秘訣

前作『LOVE FANTASTIC』から約9ヶ月、“今までの大塚 愛”をリセットして作った7枚目のオリジナルアルバム『LOVE TRiCKY』で、彼女はまた一つ“新たな大塚 愛”を提示する。そんな彼女に、自身の経験を踏まえて「夢を叶える秘訣」を語ってもらった。

「行動と失敗を繰り返すことです。私の場合、頭が良くないので、想像したりとか何か読んだり学んだりということがどうやってもダメ(笑)。やってみないとわからないということで、まずは行動をする、それから何が足りないのかを自分でしっかり見極めてからそれを補う。失敗は必ずするんですよね、大切なのは必ずそこで諦めないこと。それを繰り返していけば夢は叶うと思います」。

大塚 愛の“美のルール”

デビュー時のキュートな魅力をほのかに残しつつも、今の彼女は大人の色香が漂いとにかく美しい。その秘訣について問うと、「何もしないこと。気負わない。頑張らない」と即答する。

「ただ自分の顔を必ず鏡で見て自分で状態を判断する。人の教科書とか人の定義に合わせないこと。だってその人には合ったかもしれないけど自分に合うかはわからないから。例えば一日何回洗顔するのがいいとか、そういうものは一切気にしないですし意識しないです」。

逆に大塚の中で“ルール”はあるのか?

「ちょっとだけ“色合い”を見ます。普段よりちょっと汚いものがついていると思ったら洗顔をして、乾燥したと思ったらすぐに保湿。保湿に限れば、潤っていると思ったら何日も保湿しないことだってあります」。

「あとは常に恋していることかな。好きって思ったら気分が上がる。気分が上がることが美に一番いいと思っています。好きなことをやったり、好きな人を見たり、好きな食べ物を食べたり、好きな匂いをかいだり」。

今後の目標

「恋をしていること」――“愛”に溢れた歌詞で女性の共感を得てきた彼女らしいルール。最後に今後の目標を聞くと、「旅です(笑)。でもいつか女性を助けられる何かをしたいなとは思っています。女性の駆け込み寺とか。あと今、待機児童がすごく多いのでそういう施設を作って女性に協力できたらいいですね」と笑顔を見せていた。(modelpress編集部)

大塚 愛(おおつか・あい)プロフィール

生年月日:1982年9月9日/出身地:大阪/血液型:O型/身長:157cm

自ら作詞・作曲・編曲までを手がけるシンガーソングライター。自ら制作したデモテープをレコード会社に送り、2003年9月10日、シングル『桃ノ花ビラ』でメジャーデビュー。同年12月17日にリリースした2ndシングル『さくらんぼ』が70万枚を越えるヒットを記録し、一気にブレイクを果たした。4月22日に7thアルバム『LOVE TRiCKY』をリリース。それを引っさげた全国ツアー『大塚 愛 LOVE TRiCKY LIVE TOUR 2015~ヘルシーミュージックで体重減るしー~』を6月13日(土)よりスタートさせる。

アルバム『LOVE TRiCKY』

2015年4月22日発売/(CD+DVD)(CD only)の2形態

大塚 愛アルバム『LOVE TRiCKY』CD+DVD(4月22日発売)
大塚 愛アルバム『LOVE TRiCKY』CD only(4月22日発売)
<CD 収録内容>※2形態共通
01.タイムマシーン
02.laugh
03.summer lovely days
04.affair
05.I'm lonely
06.reach for the moon(アイフルホーム『過去とこれから篇』CMソング)
07.shooting star
08.パラレルワールド
09.busy lady
10.end and and~10,000 hearts~(NTT西日本 スマート光ハートビートプロジェクトソング)

<DVD 収録内容>
LOVE TRiCKY -Music Clips-
-特典映像 1-
1.トイレットペーパーブルース
2.One×Time
3.SMILY
4.シヤチハタ
5.東京ミッドナイト
from LOVE IS BORN ~11th Anniversary 2014~
2014.9.22 ビルボードライブ東京
-特典映像 2-
LOVE TRiCKY -Special Interview-

大塚 愛 LOVE TRiCKY LIVE TOUR 2015~ヘルシーミュージックで体重減るし-~

2015/6/13(土)名古屋 Bottom Line 16:15/17:00
2015/6/27(土)大阪 BIG CAT 16:15/17:00
2015/6/28(日)静岡 SOUND SHOWER ark 16:30/17:00
2015/7/04(土)栃木 HEAVEB’S ROCK 宇都宮 VJ-2 16:30/17:00
2015/7/12(日)金沢 Az 16:30/17:00
2015/7/17(金)広島 NAMIKI JUNCTION 18:30/19:00
2015/7/20(月/祝)福岡 BEAT STATION 16:30/17:00
2015/7/29(水)東京 LIQUIDROOM 18:00/19:00

大塚 愛オフィシャルHP http://avex.jp/ai/

【Not Sponsored 記事】

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