モデルプレスのインタビューに応じた本郷奏多

本郷奏多、「思い残すことはない」役者人生12年の葛藤と隠された素顔に迫る モデルプレスインタビュー

2014.03.28 07:00

数々のヒット作や話題作に出演し、圧倒的な存在感を放つ俳優の本郷奏多(23)。そんな本郷が主演するテレビ東京系連続ドラマ「なぞの転校生」(毎週金曜日24時12分~24時52分)が28日深夜、最終回を迎える。モデルプレスでは今回インタビューを実施し、最終回を直前に控えた現在の心境と役柄を通して見える彼の素顔、また弱冠23歳にしてキャリア12年という役者人生を振り返ってもらった。

  
「なぞの転校生」の原作は、1970年代にNHK「少年ドラマシリーズ」で映像化され話題となった眉村卓氏作の同名SFジュブナイル小説。映像美と音楽センスで国内外から高い評価を得ている映画監督・岩井俊二氏が企画プロデュースから脚本までを手がけ、名作に新たな息吹を吹き込んだ。

本郷とともに、トリプル主演を務めるのは俳優の中村蒼と注目の新人・桜井美南。広一(中村)とみどり(桜井)が通う高校に、ある日典夫という謎の少年(本郷)が現れ、それをきっかけに周囲でおかしな出来事が頻発。3人の人間模様を軸に、典夫がなぜこの世界にやってきたのか、そしてその目的が次第に明らかになっていく。

主演作にかける想い

― 「なぞの転校生」がいよいよ最終回を迎えますが、見どころを教えて下さい。

本郷:最終話にかけてすごく悲しくなっていきます。ただ、物語としては悲しんだけど、その中に生きてる人間たちの力強さみたいなものが描かれていくと思います。監督が見せたい部分が一番詰まっていて、すごく綺麗な終わり方になっています。

― ますます最終回が楽しみになりますね。本郷さんは、ヒューマノイドという難しい役柄ですが、役作りをする上で最も苦労した点はどこですか?

本郷:ヒューマノイドの役なので、現代にそれがない以上、正解がないんですよね。でも、あまりにも人に近くて我々が今ヒューマノイドと聞いて想像するような次元のものではないのかなって思ったので、ロボットのような動きをするってことはナンセンスだなって避けました。ルールに従って規則性を出して動くってことはあえてしないように意識しました。

― 奥が深いです。では、ヒューマノイドだけど、ここは共感できたな…と思う点はどこですか?

本郷:姫を守るっていうコマンドが最優先で入力されているので、そこには父性のような無償の愛を感じて共感しました。コマンドなので、自分の意思じゃないと言ってしまえばそうなんですけど、その使命感にひたむきな姿は素敵だなと思います。

― 今作では、中村蒼さんをはじめとする同世代の俳優さんが多く出演されていますが、現場ではどんな風に過ごしていたんですか?

本郷:タイトなスケジュールではあったんですけど、ほとんど栃木で撮っていたので、ほぼ毎日のようにホテルの部屋に集まってました。夜はそんなに遅くまで撮ってたわけではないので、中村くんとか男の子とお酒飲んでました。

― とても楽しそうですね!

本郷:はい!まぁ、僕はお酒弱いんですけどね(笑)。でも、飲むのが好きなのでよく飲むし、気がついたら限界を超えてる…みたいな。人にも飲ませたがるし、たち悪いですよね(笑)。

ドラマ「なぞの転校生」で主演をつとめる(左から)本郷奏多、中村蒼、桜井美南(C)眉村卓・講談社/「なぞの転校生」製作委員会

役者人生・12年、これまでのキャリアを振り返る

― 話は変わって、ここからは本郷さんの役者人生に迫っていきたいと思います。23歳にして、すでに12年のキャリアがある本郷さんですが、これまでの活動を振り返ってみていかがですか?

本郷:仕事をはじめた当時は、これを一生の仕事にしようって感覚は1mmもなかったんです。でも、中学、高校生くらいになってから、ずっとこのお仕事をやっていきたいって思うようになりました。もちろん、今ではずっとやっていきたいですし、すごくやりがいのある仕事だと思っています。

― 本郷さんは、大学にも通われてずっと学業と仕事を両立されていましたよね。

本郷:はい。ここ10何年間、学生と役者業を平行してやっていたんですけど、それって逃げ道であったと思っているんです。大学を卒業して、これ一本でやっていくのかと思うと、今まで以上に生きていくためにやらなきゃいけない、お金を稼ぐためにやらなきゃいけないって覚悟が生まれました。

― 覚悟が生まれたことで仕事観は変化しましたか?

本郷:今まではすごい長い目で見て、そのお仕事が自分にとってプラスかマイナスか判断できたけど、これからはその判断が逆にできなくなるんじゃないかなって思うんです。やらないって選択肢を多くとってしまうことは、仕事をしてないのと一緒になってしまいますから。学生という肩書がなくなったことで、僕の中では確実に仕事に対する意識が変わりました。

― 先程、中学、高校生の頃に「ずっとこのお仕事をやっていきたいって思うようになった」とおっしゃっていましたが、何かターニングポイントとなった作品があったんですか?

本郷:具体的にこの作品というわけではないんですが、高校生の頃からドラマや映画に出演させていただく機会が増えたんです。その中には、メジャーな作品も多くて、本当にありがたいことだなって実感して…。そこから、役者をずっとやっていこうって気持ちが固まりました。

― なるほど。では、役者としてこれだけはチャレンジしてみたいという役柄を教えて下さい。

本郷:僕は、やりたいって思ったことを結構やらせてもらってるんですよね。好きだな、やりたいなって思って言ってたら、その役のオファーがきたり。僕の「原作のあるやりたかったランキング」の1位から5位くらいまでは、総なめにしちゃったので、正直思い残すことはないです(笑)。ただ、若いうちしかできない役はたくさんやらせてもらったので、これからはビシッとした役者さんになれればいいなって思ってます。

― ちなみにその「やりたかったランキング」を教えていただきたいんですが…

本郷:恥ずかしいんで、順位はダメです(笑)。

― 作品だけでも(笑)!

本郷:わかりました(笑)。「テニスの王子様」(2006年)や「GANTZ」(2011年)ですね。どちらも原作ファンだったので、本当に嬉しかったです。もともとお仕事云々じゃなく好きだったことに関われるって、改めて考えるとすごいことだなって思うから感謝ですね。今年もいくつかそういった作品に出演させてもらえるので、思い残すことはないです(笑)。

本郷奏多、役者一本で勝負

“素の顔”を覗かせ、インタビューに応える本郷奏多
― 「テニスの王子様」や「GANTZ」はもちろん、「NANA2」(2006年)のシン役もイメージにぴったりでしたよね。

本郷:ありがとうございます。「NANA2」に関してはもともと原作を読んでいたわけではないんですが、「NANA1」(2005年)も観ていたし、人気の作品だって知っていたので、お話をいただいたときはすごく光栄でした。そうやって「イメージにぴったりだった」って言っていただけることも多いので、本当に嬉しいですね。

― 役ではベースにチャレンジされていましたが、今も続けているんですか?

本郷:はい。高校のときには、ベースをやっているのを見た友達から「バンドやろうぜ!」っていう1件のオファーが来まして(笑)、それに応える形でやってました。

― お仕事としては?

本郷:それは絶対無理ですね。音楽をやっている知り合いが何人かいるんですけど、その方たちを見ていると、役者の業界も厳しいけど、音楽の業界なんてもっと狭い門をくぐって来た人しか上に立てないんだって思ったので。自分には絶対無理です。

― これからも役者一本なんですね。

本郷:はい。どの世界も一番上を走り続けるってことは難しいことだと思うけど、僕はひっそりとやっていければなと思います。

― では、そんな本郷さんから、夢を追いかける読者に向けてメッセージをお願いします。

本郷:最近、やりたかったことをやらせていただける機会がすごく多いなって、とても実感しているんです。それってなんでだろうって思ったら、好きなことを好きって言い続けてるからなのかなって。口に出すから、その発言を目に止めてくれる方がいて、だから叶ったんだろうって思っています。夢を叶えるためには、これやりたい、これが好きだっていうことが大事だと思います。

― ありがとうございました。

美しい顔立ちと独特のオーラで唯一無二の魅力を放つ本郷。カメラの前に立つ“仕事の顔”から一転、インタビュー中には23歳という等身大の“素の顔”を覗かせた。活躍ぶりとは裏腹に、「ひっそりと役者をやっていければ…」と恐縮そうに語った彼の仕事に対する姿勢は、謙虚そのもの。常に第一線を走っているにも関わらず、周りへの感謝や尊敬の念を忘れないひたむきな姿こそが、多くの人を魅了しているのかもしれない。

4月には嵐・二宮和也主演の日本テレビ系4月連続ドラマ「弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~」(毎週土曜、午後9時~)にも出演。モデルプレスでは4月12日の放送開始直前に、同作への意気込みと本郷のプライベートな部分に迫ったインタビューも配信予定。(モデルプレス)

■「なぞの転校生」最終話あらすじ
原作:眉村卓「なぞの転校生」(講談社 )
企画プロデュース・脚本:岩井俊二
出演:中村蒼 、本郷奏多、桜井美南 ほか
BSジャパンにて4月6日より再放送スタート(毎週日曜深夜0時~)。また、Blu-ray&DVD-BOXが5月14日発売。

【最終回あらすじ】
王妃(りりィ)が亡くなりアスカ(杉咲花)の命もわずかだと判明。そんな中、公園で映画の撮影をする岩田広一(中村蒼)はじめSF研究室員たちは、アスカと山沢典夫(本郷奏多)、香川みどり(桜井美南)を呼び出し映画に出演してもらうことに。その脚本はまるでアスカたちのことのようで…。やがて夕焼けで美しく空が染まる中、撮影がスタートする。その翌朝、アスカと典夫は突然転校してしまう。

■本郷奏多(ほんごうかなた)プロフィール
生年月日:1990年11月15日
血液型:O型
出身地:宮城県
身長:174cm

2002年8月公開の映画「リターナー」で俳優デビューし、2005年7月公開の映画「HINOKIO」で、14歳で初主演を果たす。このほか映画「テニスの王子様」(主演、2006年5月)、「NANA2」(2006年12月)、「青い鳥」(2008年11月)、「GANTZ」(2011年1月2011年4月 2部作)ドラマ「未来日記」(2012年4月-6月)、「リアル鬼ごっこ THE ORIGIN」(主演、2013年4月-6月、千葉テレビ)他数々の作品に出演。そして、主演ドラマ「なぞの転校生」(テレビ東京系、金曜深夜0時12分)が現在放送中。2014年6月28日に主演映画「奴隷区 僕と23人の奴隷」公開。さらに、嵐の二宮和也が主演をつとめる日本テレビ系4月連続ドラマ「弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~」(毎週土曜、午後9時~)への出演も決定した。

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