「あんぱん」健ちゃん役・高橋文哉、50代・博多弁…初めてづくしの役作り デビュー5周年で掴んだ念願朝ドラへの思い【インタビューVol.1】
2025.08.27 08:15
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NHK連続テレビ小説「あんぱん」(毎週月~土あさ8時~ほか)に出演している俳優の高橋文哉(たかはし・ふみや/24)にモデルプレスらがインタビュー。Vol.1では、朝ドラ初出演への思い、方言での芝居などを明かしている。
連続テレビ小説「あんぱん」
今作は、“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルに、生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかった2人が、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」に辿り着くまでを描く愛と勇気の物語。主人公の柳井のぶを今田美桜、のぶの幼なじみで、夫の柳井嵩を北村匠海が演じる。高橋は、嵩の同級生でNHKディレクターの辛島健太郎役。朝田家の三女・メイコ(原菜乃華)と結婚し、長女・愛(岡本望来)、次女・花(戸簾愛)が誕生した。
高橋文哉、朝ドラ初出演への思い 5周年の節目での大きな転機
― まず、朝ドラ初出演ということで、出演が決まったときのお気持ちはいかがでしたか?高橋:お話を聞いたのはデビュー5周年のときで、自分の節目のタイミングで出演させていただけることは、すごくありがたい機会をいただいたと思いました。お仕事を始めたときから「朝ドラ」は、大きな目標のひとつだったので、すごく嬉しかったですし、また他の作品とは違うベクトルの緊張と不安を持ちながら現場に来たことを覚えています。(出演の情報)解禁までは、家族にもしばらく言えませんでしたし、髪の毛を切った理由も言えない状況がどこか嬉しかった自分もいました。解禁したときには、たくさんの人から連絡がきたり、どこに行っても「『あんぱん』やるんだ」「朝ドラ出るんだね」と声を掛けていただき、影響力の凄さを実感しました。
― 博多弁は今まで話されたことはありましたか?
高橋:こんなに長期間の撮影で方言のお芝居をすること自体が初めてでした。台本をいただく前の段階で福岡の子だという説明は聞いていましたが、「大丈夫なのか」とそこが一番不安でした。事前にいただいた音源を聞いて、現場に行ってやってみて、違ったら修正しいただいて…を繰り返しています。初回の登場シーンだけ、事前に気になるところをことば指導の先生に聞く時間をつくっていただきました。あとは、旅行がてら博多に現地の人の声を聞きに行ったのは、少しばかり意味があったのかなと思います。
高橋文哉、時代変遷で体重も増減
― 学生時代から戦時中、戦後とずっと出ていますが、健太郎を演じるうえで、大切にしている軸はありますか?また、時代によって変化をつけた部分はありますか?高橋:見た目はたくさんありますが、気持ちはずっと変わらないです。今は50代を演じていますが、そこでも心情は変えていないです。人が好きで、人たらしで、底抜けの明るさと、「この人のために頑張ってあげよう」と思ってもらえるような人であること。あとは、感覚的ですが心臓の位置を5cm上げる。危なっかしさ、軽さ、ふわついている心というか、突拍子もなく何かを言い出しそうな空気感を出すように意識しています。
― 外見面はいかがでしょうか?
高橋:学生時代はふっくら、どっしりさせつつ、戦時中は落としていって、戦地から帰ってきて少し戻して、今もう1回落としています。
― 学生時代をふっくらさせたのはどういった意図があったのでしょうか?
高橋:僕が考える健太郎のバックボーンですが、人に優しくできるキャラクター性は、お母さん、お父さんがとても優しいからだと思うんです。北村さんも学生時代は少しふっくらさせていたらしいので、嵩よりはという感覚で、インしてからも増量を続けて、鏡を見て「もういいかな」と思ったときに止めて、あとは戦時に向けて体重を落として、戦争が終わって学生と戦時の間くらいまで戻して、結婚して少し経ってから落とし始めました。
― なぜ結婚されて少し経ってからまた落とし始めたのでしょうか?
高橋:年を取った感じが生まれてくるのではないかなと思って落としました。メイクなどで白髪を増やしたり、シミを増やしたりはしていますが、40歳くらいまでは何もしていない状態です。姿勢や喋りのトーンなどで変化をつけますが、健太郎は喋り方などは変えたくなかったので、襟足を長くしたビジュアルや、仕草、服などを変えて、衣装を合わせるときにも「なるほど、こういう服を着るんだな」と思いながら、みなさんの持たれている健太郎のイメージに合わせていく作業をずっとしていました。
高橋文哉、役作りは“観察”
― 実年齢より上の年齢を演じる上で意識されていることは?高橋:今までの役では、25歳が一番上でした。大人の男性を観察するようにしていると、疲れてくると若い人は身体を伸ばすことが多いですが、大人の男性は押してほぐそうとすることが多いことに気がつきました。眼鏡の直し方一つとっても、若い人は真ん中を押して直しますが、大人の男性は外を押す。健太郎も眼鏡をかけ出すので、お芝居に取り入れています。あとは、トーンももちろん声もテンションも低くなっていますし、少し猫背になったり、腰が曲がっていたりしています。
― すごい観察力ですね(笑)。
高橋:今までの引き出しでは通用しないので、新しいものを取り入れようとしている感じで面白いです。
― 老けメイクをご自身で鏡をご覧になっていかがですか?
高橋:最初は老けたなとワクワクしましたが、今現場に行ったらみんな老けているので慣れました。こんな綺麗に老けたら最高です(笑)。
高橋文哉、NHKディレクター役
― NHKのディレクター役について、実際にNHKの方にアドバイスを受けたことや、役作りで意識したこと、NHKらしさは考えましたか?高橋:特にないんです。健太郎がNHKのディレクターになったと知ったときに、スタッフさんたちから「健ちゃんNHKのディレクターになったね」「俺らの大先輩だ」とツッコんでいただきました(笑)。
NHKらしさというよりは、健太郎がエンタメをものづくりとして楽しんでいくうえで輝いて見えたものがNHKだったんだろうなという部分がありますし、自分が届けたいものとNHKが交わったのかなと。素人のど自慢の番組がきっかけで上京したという背景も考えながら演じています。
― 撮影も後半だと思いますが、朝ドラに出演されたことはご自身にとってどのような経験になりましたか?
高橋:朝ドラというくくりよりは、この「あんぱん」という作品で辛島健太郎を演じられたことに意義を感じています。1人の人間の人生を生き切ること自体も初めてでしたし、役を作っていくよりも、本当に役を生きている者しか足を踏み入れてはいけない世界に自分が来られたということを感じながら、緊張感を持って現場にいることがとても幸せです。キャストさん、スタッフのみなさん含め、本当に良い出会いしかなかったので、もちろん今後振り返るときに決して忘れられない作品だと思いますし、自分が向き合ってきた役の中でも、物理的に時間も長く、濃い時間を過ごせました。
(modelpress編集部)
★Vol.2、Vol.3も配信中。
高橋文哉(たかはし・ふみや)プロフィール
2001年3月12日生まれ、埼玉県出身。2019年、令和初の仮面ライダー「仮面ライダーゼロワン」(テレビ朝日系)の主演に抜擢。その後、ドラマ「最愛」(TBS系/2021)や「君の花になる」(TBS系/2022)での好演も話題を呼び、映画「交換ウソ日記」(2023)、「少年と犬」(2025)、ドラマ「フェルマーの料理」(TBS系/2023)、「伝説の頭 翔」(テレビ朝日系/2024)など続々と主演を務める。映画、ドラマのほか、バラエティ番組「ぐるぐるナインティナイン」(日本テレビ系)内のコーナー「グルメチキンレース・ゴチになります!25」レギュラーや、ラジオ番組「高橋文哉のオールナイトニッポンX」(ニッポン放送)では毎週火曜深夜にレギュラーパーソナリティを務めている。
【Not Sponsored 記事】
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