広瀬アリス、古川雄輝との「空気感」&「愛を求める」役への挑戦 モデルプレスインタビュー (C)モデルプレス

広瀬アリス、古川雄輝との「空気感」&「愛を求める」役への挑戦を語る モデルプレスインタビュー

2016.11.21 12:00

女優の広瀬アリスがモデルプレスのインタビューに応じた。2008年に女優デビューして以来、数々のドラマや映画に出演してキャリアを積み、近年は映画『銀の匙 Silver Spoon』やドラマ『釣りバカ日誌 ~新入社員浜崎伝助~』(テレビ東京系)などでヒロインを務めるなど女優としての活躍が目覚ましい彼女は今回、“音楽アルバムからの映画化”という国内初の試みとなった映画「L-エル-」(11月25日より全国公開)で、波乱万丈な生涯を送ったヒロインを熱演した。同インタビューでは、撮影中に抱いていた思いや、古川雄輝との共演の感想、プライベートの話など伺った。

映画「L-エル-」とは

(C)2016映画「L-エル-」製作委員会
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同作は、波乱の人生を送った一人の女性“エル”の「愛」をテーマに、孤独で壮絶な人生を綴った物語とAcid Black Cherryの音楽が絡み合う、壮大なコンセプトアルバム「L-エル-」を映画化。「CDショップ大賞2016」の入賞作品に選出され、総計20万枚以上の驚異的なセールスを記録するなど大きな反響を呼び、アルバムのみならず、昨夏には物語部分が書籍化され5刷されるなど、ミュージックシーンにあって異例の展開をみせてきた。音楽アルバムからの実写映画化は国内初となる。

少女時代から老いゆく姿までのエルを広瀬が演じ、エルを一生涯想い続ける幼なじみのオヴェス役に古川雄輝。さらに、エルの人生を取り巻く人物たちには、高橋メアリージュン、平岡祐太、前川泰之、成田凌、弥尋、Mikako(FAKY)、古畑星夏、田中要次、高橋ひとみら豪華キャストが揃った。

(C)2016映画「L-エル-」製作委員会
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― 最初にこのお話を聞いた際はどんな思いを胸に抱きましたか?

広瀬:完成されている音楽アルバムの実写化ということで、Acid Black Cherryさんのファンの皆さんなどからいろんな意見があるんだろうなと思ったんですけど、自分の中では新しい挑戦としてやってみたいなという思いがあったので、撮影を楽しみにしていました。

― 音楽アルバムからの映画化という国内初の試みという点で、不安やプレッシャーなどはありませんでしたか?

広瀬:もちろん感じましたが、ポジティブにとらえようと思いました。もともと音楽が大好きで、音楽に親しみがあって、その音楽にテンションを合わせることができるというか、ちょっと暗い曲を聞いてテンションを下げようとか、そういうことを学生のときからしていたので。(笑)今回、曲に合ったシーンがあったときは、その曲を本番直前までずっと聞いてみたりしました。役作りの材料が増えたという意味ではすごくありがたかったですね。

― 音楽以外からはどのように役作りをされましたか?

広瀬:アルバムにはコンセプトストーリーブックがあるんですけど、それを読み込んだり、事前に(劇団青年役の)平岡祐太さんと監督と3人で『愛とは…』を語ったりしました。でも、ほとんどがCGなので、あまりいろいろ考えるよりも、現場で直接演じたほうがいいだろうなと思いました。

(C)2016映画「L-エル-」製作委員会
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「同じ人間だけど別人を演じている感じ」

― 広瀬さんが演じられたエルという女性はどんな人物だと感じましたか?

広瀬:私が演じていて感じたのは、“優しすぎる”のと“純粋すぎる”。ゆえに、彼女が愛を与えてすぎてしまって相手の男性が甘んじて、自分(エル)がどんどん堕ちて行ってしまう。なので、自分で演じながら“エル、ダメ、ダメ、ダメ!”って思っていました(笑)。

― エルを演じる上で、大切にしたことや意識したことはありますか?

広瀬:愛に対する執着心みたいなものは、ずっと自分の中で一本立てていようと思っていて、どこか物欲しそうな感じとか、愛がほしいというものを常に出していたいなって思って演じていました。

広瀬アリス (C)モデルプレス
広瀬アリス (C)モデルプレス
― 1人の女性の生涯を演じられて、感じたことはありますか?

広瀬:一生を描いているので、幅広い年齢層を演じさせていただきました。同じ人間なんですけど、彼女の人生自体がジェットコースターのようで、その環境や年齢に合わせて衣装やメイク、髪型や仕草などを変えていたので、別人を演じている感覚でした。でも、エルという女性の根にある愛への執着とか、純粋すぎるところはしっかり残しておきたいなと思っていました。あとは、いろんな男性と出会って彼女の生活が一転していくんですけど、男性関係がいっぱいあるからチャラチャラしているとか、そういう風に軽く見られたくないなと思って、やっぱり純粋なんだということを表現したかったです。

― 出来上がった作品を見たときはいかがでしたか?

広瀬:感動しました!圧倒されたというか、やっている最中は360度グリーンバックだったのでまったく分からなくて、情景を想像しながらやっていたんですけど、作品を見終わったあとに、自分がやってきたことは間違いじゃなかったなというか、その世界観が入って、ようやくエルという女性が生きているなと感じました。

古川雄輝(C)2016映画「L-エル-」製作委員会
古川雄輝(C)2016映画「L-エル-」製作委員会

古川雄輝と共演「いい距離感だった」

― 古川雄輝さんと共演された感想をお聞かせください。

広瀬:(インタビュー直前に行われた)舞台挨拶でお話した通りで、あまり古川さんとお話できる時間がなかったんですけど、でもそれがいい距離感だったと思います。近いんですけど何も話さない、話さなくてもイヤじゃない。それがエルとオヴェスの関係性と似ていて、結局エルも自分が欲しがっていたものは一番近くにあったのに、それに気付けないくらいオヴェス自身も何もしてこないし、エルからも何もアクションを起こさない。そういうところが私たちっぽいなと思いつつ、いい空気感だったんじゃないかなと思います。でも取材などで古川さんとのエピソードを聞かれると、ネタがなさすぎて申し訳ないんです…(笑)。

― 古川さんが『現場で広瀬さんがアニメの音楽を聞いていた』とおっしゃっていましたね。

広瀬:ずっと聞いていました(笑)。アニメかAcid Black Cherryさんの曲をずっと聞いていました。アニメの曲を聞いていたのは、ただ単に趣味です(笑)。

(C)2016映画「L-エル-」製作委員会
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今、探し求めたいもの

― 今回、愛を探し求めて続ける女性を演じられましたが、広瀬さん自身が今、探し求めたいものは何ですか?

広瀬:永久に“面白そうなマンガ”を探し求めたいです!今は『ギフト±』というマンガが好きで、『アイアムアヒーロー』の最新刊がやっと出て、『キングダム』も出たんですけど、割と王道からマニアックなものまで幅広く好きです。全体的に面白くなってきているんですよねえ。

― ちなみに普段、どのような音楽を聞かれますか?

広瀬:アニメの音楽や、凛として時雨さんが大好きです。音楽は移動中などにエンドレスで聞いたりしています。ずっと聞いていても全然飽きないくらい好きです。

(C)2016映画「L-エル-」製作委員会
(C)2016映画「L-エル-」製作委員会
― 初めて買ったCDに関する思い出はありますか?

広瀬:小6のときに大塚愛さんの『PEACH』を買いました。どういう理由で買ったのかは覚えていないんですけど、“あっ、知ってる!”と思って買ったんですかね…。思い出はそれくらいです…すみません(笑)。

― では、読者へ本作の見どころと合わせてメッセージをお願いします。

広瀬:この作品は独特の世界観ではあるんですけど、見ていくとどんどん引き込まれていくんじゃないかなと思います。純愛というものをしっかりと描いている作品です。Acid Black Cherryさんの音楽も演技に合わせて気持ちよい感じで差し込まれており、原作と比べても世界観なども崩れていないんじゃないかなと思いますので、ぜひ見ていただければなと思っております。

広瀬アリス (C)モデルプレス
広瀬アリス (C)モデルプレス

広瀬が思う「夢を叶えるための秘訣」とは

― 最後に、広瀬さんが思う“夢を叶えるための秘訣”を教えてください。

広瀬:なんでも口に出すことです。それはネガティブな言葉ではなくて、自分の希望や好きなものを言うことが一番いいのかなと私は思います。私はまだそれができていないんですけど、夢が叶っている人って口に出しているなという印象があるので、自分も見習いたいです。考えるよりまず行動することが一番です。

(C)2016映画「L-エル-」製作委員会
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― ありがとうございました。

共演の古川雄輝は「お互いに人見知り」だったため、ほとんど話さなかったと舞台挨拶では語っていたが、その距離感が「私たちっぽい」空気感となって演技に発揮されていたと広瀬は語ってくれた。共演エピソードがあまりなく「申し訳ないんですよね」という広瀬だったが、本作を見れば、2人の絶妙な空気感を楽しめるだろう。(modelpress編集部)

広瀬アリス (C)モデルプレス
広瀬アリス (C)モデルプレス

広瀬アリス(ひろせ・ありす)プロフィール

生年月日:1994年12月11日/出身地:静岡県/特技:乗馬(障害飛越、ばんえい競馬)/運動:バスケットボール(スリースロー10発10中)/漫画:亜人、いぬやしき、死役所、女子高生に殺されたい、pupa、天空侵犯、今際の国のアリス、自殺サークル、ひとくい、スイッチウィッチ(ほか数十冊読破)

2008年に女優としてデビューし、2009年には女性ファッション雑誌『セブンティーン』の専属モデルオーディション「ミス・セブンティーン」でグランプリに選ばれ、2015年12月号をもって卒業するまで同誌の専属モデルを務めた。女優としての主な出演作に映画『銀の匙 Silver Spoon』(14年)、ドラマ「妄想彼女」(フジテレビ系/15年)、ドラマ「釣りバカ日誌」(テレビ東京系/15年~)など。

2017年1月11日からBunkamuraシアターコクーンで上演される「世界」で初舞台に挑戦。ヒロインを務める映画「新宿スワンⅡ」、主演を務める映画「巫女っちゃけん。」が2017年に公開を控える。

(C)2016映画「L-エル-」製作委員会
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