「第62回グラミー賞」開催直前に内部スキャンダルが深刻化…希望見える授賞式となるか
2020.01.25 00:34
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日本時間27日(現地時間26日)にロサンゼルスのステープルズ・センターにて開催される「第62回グラミー賞授賞式」。24日にはBTSの出演も正式発表され、日本でも期待が高まっているが、その裏では主催者側のスキャンダルが泥沼化している。
グラミー賞主催、レコーディング・アカデミーの会長が職務停止に?
授賞式を10日後に控えた17日、驚きのニュースが流れた。グラミー賞を主催するレコーディング・アカデミーが、その会長であるデボラ・デューガン氏を、不正疑惑により職務停止にしたというのだ。デューガン氏は昨年8月、同アカデミー初の女性会長として就任したばかり。もともと白人男性優位組織だとさんざん言われてきたレコーディング・アカデミー。長きにわたって会長を務めていた前任のニール・ポートナウ氏は、2018年のグラミー賞授賞式で「女性アーティストはもっと努力しないといけない」と発言し大きな非難を浴びた。そんな中で初の女性会長就任、しかもデューガン氏はエイズチャリティ団体「RED」で長年CEOを務めた人物とあり、ようやくグラミー賞にも新たな風が吹くのではないかと期待されていた中での出来事だった。
デューガン氏、レコーディング・アカデミーを訴訟 暴露で状況は混とん…
しかしここから、デューガン氏による驚きの暴露が始まる。デューガン氏はこの処分について、レコーディング・アカデミーのこれまでの不祥事を指摘したことによる自身への報復だと雇用機会均等委員会に訴えたのだ。デューガン氏は、レコーディング・アカデミーの男女不平等や、前会長が女性アーティストからレイプ被害で告訴されていたこと、グラミー賞選出の上での不正がまかり通っていたこと、金銭面でも不透明な事例があることや、アカデミーの顧問弁護士から自身がセクハラに遭ったことなどを暴こうとしていた。その書類を提出したことで、休職処分を受けたというのが彼女の主張だ。
しかしレコーディング・アカデミー側は、デューガン氏の主張を「断固として間違っている」と真っ向から否定。授賞式を直前に、出口の見えない状態を迎えているレコーディング・アカデミーの内部問題。果たして本番はどうなるのだろうか…。
どうなる、「第62回グラミー賞授賞式」
こうした事態にアーティスト側はどう対応しているのか。一部では授賞式参加を辞退したアーティストもいると伝えられており、突然のボイコットもあり得るかもしれない。レッドカーペッドでも、名だたるスターがたちこの状況に何を発言するかに多いに関心が集まっている。今年はノミネーションから若者にリアルに人気のある若手や、女性アーティストを多く選出し、これまでよりも「多様性」を感じさせる授賞式となりそうな予感がしていただけに、青天の霹靂といった事態となっている。
ただ、今回最多ノミネートのリル・ナズ・Xらが披露するコラボステージ「Old Town Road All-Stars」には、ゲイをカミングアウトしたリル・ナズやアジアのアイドルスターBTS、13歳の新星シンガーのメイソン・ラムジー、カントリー歌手ビリー・レイ・サイラスらが参加し、年齢や人種、ジェンダー、音楽のジャンルを超えたステージを披露するという。もちろんビリー・アイリッシュがどんなパフォ―マンスで何を語るのかにも期待が寄せられているだろう。希望ある楽しい授賞式となることを世界中が祈っている。(modelpress編集部)
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