「ULTRA JAPAN」出演のニッキー・ロメロ、覆面ユニットAmPm(アムパム)と禁断の“マスク”トークで本音
2018.09.26 00:00
9月15日~17日にTOKYO ODAIBA ULTRA PARKで開催された「ULTRA JAPAN 2018」に出演したオランダ出身のDJで音楽プロデューサーのニッキー・ロメロ(29)と、日本人アーティストでは2017年にSpotifyで最も聴かれ、世界のアーティストからも一目置かれる覆面ユニットAmPm(アムパム)が初の対談を実施。彼らの共通点は、“マスク”。今回の対談では、その“マスク”にまつわる禁断トークや、ニッキーの楽曲をAmPmがリミックスした「Me On You」(9月13日リリース)の制作秘話、お互い「ULTRA」のステージでも活躍するアーティストならではのトークを繰り広げた。
ニッキー・ロメロ&AmPmにとって「Ultra Music Festival」とは
AmPm:「ULTRA JAPAN」はいかがでしたか?ニッキー:ULTRA JAPANは毎年のハイライトの一つとして楽しみにしています。ULTRA MIAMIもですが、毎年日本では多くのバナーやTシャツを目にし、音楽に対するひたむきな熱意や愛を感じることができます。日本にまた来られることが素晴らしく感じますし、なぜか日本にいることが自然に感じます。 とても居心地がよく、素晴らしい場所に感謝しています。
AmPm:私たちはデビューから2度目のステージが、まさかマイアミで開催された20周年の「ULTRA MUSIC FESTIVAL」になるとは夢にも思いませんでした。現場の雰囲気も想定しながら、いくつかの選曲パターンを練習して迎えた当日は緊張もありましたが、会場の熱気やステージスタッフのクルーがとても良い雰囲気で、楽しみながら出演することができました。
AmPm:マイアミはどうでしたか?
ニッキー:マイアミはULTRAが始まった場所であり、常に魅力的な場所です。
AmPm:今年は20周年でしたね。
ニッキー:素晴らしいですよね。マイアミにはたくさんの思い出があるので。私が初めてULTRA MIAMIに出演したのが2010年。最初はハイネケンドームという150人くらいの一番小さいステージでした。それから徐々にステージが大きくなり、メインステージに登るまではワールドワイドステージに出演していました。やはり元祖のULTRA MIAMIが好きなのはたくさんの思い出があるからです。
ニッキー・ロメロ「Me On You」をAmPmがリミックス
AmPm:今回ニッキーの楽曲「Me On You」を私たちAmPmがリミックスさせてもらいましたが、聴いた時の感想を聞かせてください。ニッキー:先週(2018年9月13日)Protocol Radioでかけました。毎回ラジオの収録をするときは、事前に曲を全て聞きます。音の処理をする前と後の両方を聞ける良い環境にいるのですが、(AmPm remixは)とても良かったと思います。ただ数カ所楽器を変えるだけということではなく、全く別物の様に仕上げているということに感心しました。独自の音を持っているミュージシャンは素晴らしいと思うのですが、AmPmは自分自身の音を築きあげていると思います。
ニッキー:Remixの制作エピソードがあれば、教えてください。
AmPm:ちょうど私たちのオリジナル曲の制作もしていた中でいただいた話だったので、スケジュールとしては難しいものがありました。この話をいただいてから、リリースまでちょうど1ヶ月くらいの間で、制作して、リリースという感じです。AmPmらしさと、この曲の良さをより活かすためにどうしたら良いのかと悩みましたが、ピアノのメロディがうまく融合しつつ、アナログな雰囲気も出たので良かったと思っています。また、ニッキーの制作チームからのアドバイスや、サポートもあり、より細かな部分での音のクオリティが変わり、私たちにとっては大きな変化をもたらしました。出来上がった時には、これまでにない喜びを感じました。
ニッキー・ロメロ&AmPm、“マスク”にまつわる禁断トークも
AmPm:僕らご覧の通りマスク被っていますが、ニッキーさんもこれまでにマスク被っていたことがあるかと思います。また被る予定とかありますか?ニッキー:マスクをかぶることは自分から始めたことではないんです。『Toulouse』という曲を作った時の話なのですが、(曲がリリースされてから)数週間後にドイツ人のTimoという映像クリエイターから個人で制作した『Toulouse』のミュージックビデオとともに「これをアップロードしませんか?」というメッセージが来ました。その中の登場人物がアノニマスというハッカーグループのマスクを被っていて、私のイメージ的に良いかどうかは分かりませんでしたが、映像がすごく良かったので彼に「そちらでアップロードして構わないよ。」と返信しました。すると数ヶ月後、そのビデオの再生数は数百万を超えていました。その後、私のコンサートに来るお客さんたちがそのマスクを被り始めたので、私も試しにステージでマスクを被ってみたらお客さんが凄く盛り上がったんです。これがマスクを被りはじめた裏話で、とても運が良かったと思います。
AmPm:音楽以外のことで質問しあえればと思います。まず僕たちの方からで、音楽以外で今行きたいところであったり、興味があることを教えてください。
ニッキー:夏はバイクに乗るのが好きです。ボートに乗ったり、ウォータースポーツをしたり。FIFAのビデオゲームでもよく遊んでいます。あとは家族やガールフレンドと時間を過ごしています。あまり家に帰れないので。
AmPm:逆に何か僕たちに聞きたいことがあれば(笑)
ニッキー:君たちのULTRAはどうでした?
AmPm:実際僕たちもマイアミの後にULTRA KOREAとJAPANに出演しています。ULTRA に関しては3回目出演していますが、常にULTRAでパフォーマンスすることの難しさを感じています。これは実際にライブパフォーマンスでやらなければいけないことと、僕たちの楽曲性に関して、ギャップがあるから。それをどう埋めるのか、ということに苦戦しています。
ニッキー:これは大きなチャレンジですね。私も作曲する時に同じ課題に直面します。ラジオでかけるような曲をライブでもやりたい時に、特別な編集をしないといけないですからね。そういえば君たちはなぜウサギのマスクを被っているのですか?
AmPm:ただ年齢を隠しているだけです(笑)
ニッキー:そうなんですか(笑)
AmPm:今後はウサギ以外にも変えるつもりはあります。
ニッキー:(爆笑)
AmPm:前はシロクマでしたし。
ニッキー:来月にはキリンになっているかも?
AmPm:そうですね!良いアイディアですね。
ニッキー:どうして年齢を隠したいのですか?君たちにマスク無しで会ったとしても年齢は分からないですよ。20代?18歳ではないですよね。
AmPm:30歳以上としておきましょう(笑)
ニッキー:マスクで年齢を隠しているけど、まだまだ若く見えますよ。無しで演奏しても大丈夫じゃないですか。
AmPm:これが私たちの戦略でもあるので。
ニッキー:なるほど(笑)
ニッキー・ロメロ&AmPm、夢を叶える秘訣を語る
AmPm:最後の質問です。夢を叶える秘訣を教えてください。ニッキー:私の夢は音楽業界で生きていくことでした。そのためには自分の音楽でお金を生まなくてはならない。両親は2人とも警察官で、楽器も特に弾かず音楽とは別の世界でしたので、最初は独学でドラムとピアノを学びました。両親からの支援はなく、全て1から作り上げていく必要がありました。両親としては、普通に学校に行って、真面目な仕事に就くことを望んでいたようですが、私はその道から外れ、卒業後は音楽だけに集中したかったんです。大きなリスクもありました。はじめは何もなかったですから。平日にテレビ局で普通の仕事をして稼いだお金を、週末のスタジオ代に当てていました。音楽で生活できると信じていたからです。(夢を叶えるには)自分自身を夢に捧げなくてはなりません。最初は稼ぎもありませんが、チャンスがあればとても小さな会場でもプレイしたし、バーでプレイした後に掃除や食器洗いもしていました。5時間プレイし続けたこともあります。こうやって徐々に成長していくのです。Armin van buurenやTiestoみたいになりたいという夢を持ち続けました。彼らのような模範的な人たちがいたことはとても幸運だったと思います。夢を叶える秘訣は「自分がやりたいことを信じる」ということだと思います。その過程には障害が色々なところにあり、楽ではないと思います。でももし信じるものがあれば、それに向かうべきです。夢に焦点を合わせて止まらないこと。時折何かを犠牲にすることもあるでしょう。でも短い人生の中で夢があるなら、それに向かうべきだと思います。
AmPm:私たちの場合は、今はまだ夢を叶える途中段階だと思っています。デビュー前では想像もしなかったことが、次々と現実になってきているわけですが、その背景にはデビュー前から関係のあった友人や仕事のパートナーの支えがあり、今の私たちが存在しています。私たちの夢は私たちだけでは達成できないですから、仲間、チームの存在は必要不可欠だと思いますし、依存ではなく、切磋琢磨、時に適材適所で力を発揮し合える関係を築いていけることが、とても重要なことだと思います。夢を叶える秘訣は、挑戦し続けること。考えても答えが出ないこともたくさんあると思います、私たちも常にそのような悩みがあります。ただその時は、できる限りの行動に移します。実際にアクションを起こしてから分かることもたくさんあるからです。そこで何か違和感があれば、立ち止まって、違う選択肢を選んでみる。大きな目標に対して、そこに辿り着くには、小さな挑戦と失敗の繰り返しで辿り着けると信じています。遠回りなのか、近道なのかは分かりませんが、挑戦と失敗を繰り返していくことで、自然と夢に向かう道は作られていくんじゃないかなと思います。詳しい年齢は言えませんが(笑)、私たちは30歳を超えてから、仲間と共に、今こうして夢に向かって確実に進んでいます。
ニッキー:ありがとうございました。
AmPm:ありがとうございました。
(modelpress編集部)
ニッキー・ロメロ プロフィール
2014年度の世界DJランキング(DJ MAG “TOP 100 DJs”)8位にランクインしている26歳のオランダ人DJ / プロデューサー。実力派EDMアーティストとしてその名を世界に轟かせたのは、世界的ハッカー集団アノニマスの仮面としても知られるマスクを身につけた「Toulouse」のミュージックビデオ。現在までYouTube上で3億5千万回以上再生されている。さらに特大コラボレーションを果たした「I Could Be The One」はUKチャートで1位を獲得したほか、ハードウェル、ナーヴォ、フェデ・ル・グランドをはじめ、数々のプロデューサーと共演。自身が主宰する「Protocol Recordings」のレーベルオーナーも務め、最新鋭の機材とピアノやドラムなどアコースティックな楽器までレコーディング可能なスタジオも完備したオフィスも話題となっている。
AmPm(アムパム)プロフィール
二人組のクリエイティブユニット。デビューから僅か6ヶ月で、Spotifyでの総再生数が1,000万回を超えるなど、日本人アーティストとしてはSpotifyにおいて2017年最も世界中で聴かれたアーティスト。また、デビュー間もなくして、インドネシアで開催されたSpotify主催“SPOTIFY ON STAGE”に日本代表として約10,000人の観客の前でのライブ出演。2018年にはUltra Music Festivalへの出演や、Galantis、Jonas Blue等との共演行なうなど、ライブ活動においても前例のないスピードで展開を広げる。さらにはAfrojackやR3HAB、Nicky Romeroからもremixの依頼を受けるなど、世界のアーティストからもそのクオリティは認められている。
9月12日の「3AM feat.Haneri」に続き、9月26日にはアリアナ・グランデのプロデューサー“トミー・ブラウン”との共作「Little Bit More feat.Ayden」をリリース。
【Not Sponsored 記事】