母の死、引きこもり、そして復帰へ…キャバ嬢・橘ななが語る“自分らしく働く”ための選択 夢を叶える「引き寄せの法則」とは
2025.07.18 18:00
キャバクラ「ファブリック六本木」のキャバ嬢・橘なな。母の死をきっかけに引きこもり生活を経験しながらも、再び夜の世界へと戻った理由とは。後悔しないための接客術、夢を叶える「引き寄せの法則」まで、彼女のリアルな“再起”に迫る。【インタビュー全2回の1回目】
橘なな、一気に駆け上がる
― まずはキャバ嬢として働き始めるまでの経緯を教えていただけますか?なな:キャバクラで働く前は、美容外科で働いていたんです。そこの院長先生に「キャバクラで働いてみたら?」と言われたのがきっかけですね。その後、面接に行ったんですが、「稼げるかわからないのに、そんなに時給出せない」って言われて美人茶屋で働くことになりました。
美人茶屋で働き始めて3週間くらいで新人賞を獲れたんですけど、私を落とした人から「ファブリック新宿に来い」って。最初は断ったんですけど、お客様に相談したら「いいじゃん。行ってみなよ」って。オープンから働いているので、もう6年ほどキャバ嬢をしていますね。
― キャバクラで働くことに対して不安はありませんでしたか?
なな:元々、そんなにお酒は飲めなかったのでその不安はありましたね。んー、でも不安というよりは「やるしかない」って気持ちが近いですかね。
※※提供写真挿入※※
美容外科で働いていた頃の写真などあればご提供ください!
― これまでのキャリアの中で、最も成長を感じた経験や学びを教えていただけますか?
なな:徐々になんですが、お客様はどうしても切れていくものと思うようになってからですかね。そう思うようになってからは、「今日が最後の日だ」と思いながら接客しています。
― そう思うことで変わる部分はありましたか?
なな:「こうしておけばよかった」と後悔することがなくなりましたね。思うところがあったまま切れてしまうと引きずるし、後悔ない接客ができれば吹っ切れることができるし。来なくなってしまったお客様を戻すのは自分じゃどうしようもない部分だし、お客様に依存しすぎるのは精神的にも良くないので。
母の死と再起
― キャバクラを始めた頃は美容外科と両立しながら?なな:はい。当時は寝ずに働いていましたね。二日酔いのまま昼の仕事に行くなんてこともよくありました。
― キャバクラに絞ったのは何か理由があったんですか?
なな:母が亡くなったのがきっかけでした。自宅で看病しながら働いていたんですが、母が亡くなったのをきっかけにどちらの仕事も辞めました。外に出る気にもなれず家に引きこもっていたら柴(ファブリックの社長)から電話がかかってきて、ご飯行かないかと誘ってもらいました。
― 戻って来いと?
なな:そうですね。ただ「もう戻りません」と言って辞めた手前、今更戻るのもどうなのかなと。でも柴は「周りから何か言われるのは一瞬だけ」だと。それからファブリック六本木で働き始めることになりました。きっといきなり新宿だと居心地も悪いだろうと思ってのことだと思います。それに、本当に2ヶ月くらいしたら、周りから何か言われることもなくなりました。
お客様から励ましてもらえたのも心強かったですね。常連の方には辞める2週間くらい前に事情を話しましたが、もしかしたら嘘だと思っていた人もいるかもしれません。でも新宿の時の常連さんが六本木に来てくれた時に、「私の接客は間違っていなかったんだな」と思えました。新しい若い子も入ってきているのに、戻ってきてくれるって嬉しいですね。
橘ななの挫折を乗り越えた方法
― ななさんがこれまでの人生の中で挫折や辛いと感じた経験はありますか?なな:やっぱり母の死が一番大きかったですね。病気で亡くなったんですが、どんなに弱っていっても絶対に死なないって本気で思っていたんです。私にとってのヒーローで、いなくなることなんてないと、何となく思っていました。でもいざ母がいなくなったら、その現実を受け入れることができなくて、今でも完全に受け入れられていません。どんな時でも味方でいてくれる存在って家族しかいないし、母がいなくなったことですごく不安になりました。それに、もっと親孝行したかったなという思いもありました。お家で看病できたのは良かったんですけど、それでも後悔だらけですね。
― 「今日が最後の日だ」と思いながら接客する部分とも似ていますね。
なな:確かにそうですね。接客で「今日が最後の日だ」と思うようにしたのは母の死の前ではあるんですけど、考え方は同じだと思います。いつ会えなくなるかわからないし、会える時に会っておこうと思うようになりました。悔いのないように生きようというのが私のポリシーになっています。そのポリシーは接客にも影響していて、自分に嘘を付くというか、演じるような接客ができないんです。後々、後悔しちゃうから。自分が嫌だなって思ったらどれだけシャンパンを入れてくれる人でも連絡返さなくなります。だから私はすごく好かれるか、全然ハマらないかの両極端なんですよね(笑)。
― それは長く働く秘訣なのかもしれませんね。お母様の死から、どのようにして前向きに考えられるようになりましたか?
なな:仕事に復帰したのは大きかったんじゃないかなって思います。柴がお店に戻してくれたのも嬉しかったし、昔の常連さんが戻ってきてくれたのも嬉しかった。家にいてもずっと病んでいただけだし、外に遊びに行こうとも思えなかった。仕事のために外に出るというルーティーンができたのが良かったなと感じます。母の死を乗り越えることは多分できないけど、働くことで徐々に前向きになれたのかなって感じますね。いまだに納骨していないんですよ。お墓を探しに行くんですけど、「どうしよう…」って決めきれない。やっぱりまだ母の死を受け入れられていないんだと思います。
― 納骨できた時に、また少し現実を受け止められるように。
なな:そうですね。そうなるといいんですが、母がクリスチャンだったのもあって、お墓について色々言われたんです。これはダメ、あれはダメって。それもあって「どうしよう…」って感じです(笑)。
橘ななの夢を叶える秘訣
― それでは最後に夢を追いかけているモデルプレス読者へ、ななさんの「夢を叶える秘訣」を教えてください。なな:「引き寄せの法則」を信じるようにしています。言霊のような感じなんですけど、言葉に出すことで叶うという法則です。ファブリックの面接の時も「引き寄せの法則」について話たんですけど、「何いってんの?」って感じで流されちゃいました(笑)。でも、面接をした副社長は今になって「引き寄せの法則あんじゃん」って言ってきますね(笑)。例えば「私はこうなる!」「これは欲しいから絶対買う!」みたいに声に出すようにします。それは誰かに言ってもいいし、独り言のようでもいいと思います。私はLINEのメモに思ったことを思いつくままに書くようにしています。
― 今の目標などを?
なな:そうですね。目標もそうですが、その日あったイラっとしたことも書きます。目標に関しては叶ったらメモから消して、イラっとしたことはほとぼりが冷めたら消すようにしています。良いことも悪いこともメモに書いておけば忘れないし、見返した時に自分の目標を再確認できるので。
― それはすぐに実践できそうですね。
なな:そうですね。小さな目標とかは忘れがちだと思うんですけど、メモならすぐ確認できるし、新しいことを書き込む時に見返すこともできるからおすすめです!
― ありがとうございました。
「自分に嘘はつけない」そう語った橘なな。彼女の言葉からは、母を想いながら再び現場に立った彼女なりの覚悟があった。(modelpress編集部)
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