うづきふうか(C)モデルプレス

詐欺師に騙され“全財産の半分消失”からの逆転人生 陰キャ乗り越えコミュ力覚醒 トップキャバ嬢・うづきふうかが成功した秘訣とは<モデルプレスインタビュー前編>

2024.11.20 18:00

札幌・すすきのにある「Fillia」で人気の集めるトップキャバ嬢・うづきふうか。ブラック企業からキャバクラの世界に入り、気さくな性格と「好き」を大切にする姿勢でキャリアを積み重ねてきた。かつてはキャバクラに対する偏見や不安を抱えていた彼女だが、今年で10周年を迎える。仕事を充実させるための工夫や、人生のターニングポイントで学んだ仕事観とは?【インタビュー全2回の前編】

ブラック企業からキャバクラの世界へ

さっぽろテレビ塔にて(提供写真)
― まずはキャバ嬢として働き始めるまでの経緯を教えていただけますか?

うづき:私は秋田県出身なんですけど、高校を卒業してから仙台の会社に就職しました。でもその会社がすごくブラックで。みんなで辞めようってなって、同期の子が北海道の石狩にいたので「暇になるから、石狩に会いに行くよ」みたいな感じで北海道旅行へ行ったんです。その時にスカウトされました。

最初、ニュークラブって言われて「え?ニューハーフクラブ?」みたいな(笑)。だからスカウトというよりナンパだと思ったんですよ。最初はノリでついて行ったんですけど、いざ着いてみると物怖じしちゃって。根がめちゃくちゃチキンなので、営業している店内を見て「なんか、すごいところに来ちゃった…」と感じました。

― それでも働いてみようと?

うづき:その時、友達と2人だったのも心強かったし、仕事を辞めたからお金を稼がないとって事で働き始めた感じですね。実は「Fillia」で働く前に、自称ニュークラブの店長(嘘)に詐欺に遭って、全財産20万円の半分が無くなっちゃって…。稼がなきゃ生活出来ないというのが大きな理由です。当時は悪質なスカウトとか詐欺する人もいましたね。

― キャバクラの仕事を始めるのに迷いなどはありませんでしたか?

うづき:秋田にいた頃は周りで夜の仕事をしている友達は1人もいなかったし、私もやりたくなかった。すごく偏見を持っていたんですよ。若い頃は今みたいにSNSも活発じゃなかったし。でも働いてみると、私の勝手なイメージだったんだって気付かされました。

“時間は有限”と気付き変化した仕事観

10周年を迎えたお祝い(提供写真)
― 業界歴10年という経験の中で、うづきさんにとってターニングポイントになったきっかけはありますか?

うづき:最初の3年は顔出しもしてなかったし、週に2〜3日しかお店に出ていなかったので、そこまで真面目に働いてないというか。そんな時におじいちゃんが倒れちゃって。本当に初めて“死”について考えて「時間って有限なんだな」と実感しました。時間を有意義に使わないともったいないなって。

― そこからお仕事も頑張れるように?

うづき:仕事を休まなくなりましたね。「Fillia」は年中無休なので、60連勤とかもしていました。年始もお店でお客様と「あけましておめでとうー!」って(笑)。プライベートでも外出することが多くなりました。それまではオタク気質なのでお家でゲームばっかりしていたんです。外へ行くのは面倒くさいし、怖い人も多いって思っていて。でもそれも私の勝手な偏見だったんだなって気付きました。

そこからは人脈もかなり広がって、「ふうかちゃんいい子だったよ」って紹介から来てくださるお客様も増えていきました。私の気持ちも周りの環境も、どんどん変わっていきました。

コスプレ投稿も人気(提供写真)
― オタク気質とのことですが、人と話すのは得意だった?

うづき:徐々に慣れていった感じですね。元々はうまく喋れなかったと思います。それこそめっちゃネガティブな陰キャだったので。今のお仕事のおかげでお客様とも自然に話せるようになっていったんだと思います。喋るのは好きなので、今のお仕事をしていなかったらVtuberとかになっていたんじゃないですかね(笑)。

― お仕事をする上で、特に成長したと感じる経験はありますか?

うづき:成長に繋がったと感じるのは詐欺師に会ったときですかね。実はさっきの話に出てきた詐欺とはまた違って、合計4回くらい詐欺にあっているんですよ。北海道で初めてできた男友達にお金を持っていかれたりとか。

当時の私は純粋すぎて、言われたことを全て鵜呑みにしてしまっていたんだと思います。中でも本当に詐欺でお金を稼いでいるような詐欺師に騙された時は、相当落ち込みました。そこから反骨精神というか。落ち込んでいる時の方が仕事をしたくなるんです。誰かと喋っている方が気持ち的に楽にもなるので。嫌なことがあった方が、いっぱい成長できるんじゃないかなって思います。

― 嫌な経験をすれば、相手の気持ちも理解できるようになりそうですね。

うづき:そうなんです。お金が無くなったこと以上にショックだったのは、「騙されたのは本人の責任」って言ってくる方が多かったこと。でも逆に「俺もあるんだよね」と親身になって聞いてくれる方もいました。そういうお客様こそ大事にしようと感じましたね。いまだに名前も覚えています。

だからこそ言われたら嫌な気持ちになることは自分も言わないようにするし、キャストで困っている人がいるなら絶対助けようと思います。

うづきふうかの“楽しく働く”流儀

うづきふうか(C)モデルプレス
― お仕事をする上で、大切にしていることはありますか?

うづき:仕事を仕事と思ってないかもしれないです。生活の一部みたいな感じ。例えば学生の頃の部活や習い事のように、日課にしちゃえば「部活に行きながらお金がもらえちゃう」みたいな楽観的な感覚です。

― そのマインドはいつ頃から?

うづき:お仕事を頑張ろうって思った時からだと思いますね。楽しいと思えることは自分で作らないといけないので。自分が辛いと思っちゃったら辛いし、楽しいと思えるなら楽しいじゃないですか。だから“楽しい”は自分で作らないとダメだなと思って。

あとはネガティブな発言ばかりしていると、周りもネガティブな人たちばかりになっちゃうし、弱い部分につけ込んでくる人もいるので。なのですごくポジティブにもなりました。「詐欺にあった頃に比べれば楽勝!」みたいな。昔の経験があるからこそ、昔と比べたら全然余裕じゃんと思えるようになりました。

― うづきさんのお仕事のやりがいは?

うづき:やっぱり「ふーちゃんに会いにきた」ってわざわざ北海道まで来てくれる方がいると嬉しいですね。沖縄の方もいたし、ドバイやシンガポールから来てくれた方もいます。私はお酒が飲めないので、応援の感覚でお酒を入れてくれる方もたくさんいて。応援したいって思える人間でいなきゃなって思います。

― 女性のお客様も多いと聞きました。

うづき:私のインスタを見て来店してくれる女の子が多いですね。昔からコツコツSNSをやっているんですけど、興味を持ってもらえる投稿を意識しています。それに私がきっかけで入店してくれる子もいるんです。元々お客様だったり、カップルで来てくれた子とか。そういう方と一緒に働けるのは嬉しいですね!

キャストとスタッフ全員で楽しむお店を目指して

(提供写真)
― 今のお仕事の悩みはありますか?

うづき:目の前のことでいうと、キャストとスタッフ一丸でお店の雰囲気を良くしていきたいと思っています。ルールがちゃんとしているので、言われたことしか出来ない人が多くて。

自分だけが頑張ってもダメだなって思い、ご飯を一緒に食べたり、黒服さんを集めて喋ったり。お金あげるから飲みにいきなって言うこともあります(笑)。よく後輩から相談されるんですけど、昨日も新人の子に相談されて、お仕事終わってから朝6時ぐらいまで喋ってました。

― 6時まで(笑)!キャストさんと仲がいいんですね。

うづき:そうですね。そうやって頼ってくれるのも嬉しいし、みんなで仲良くするのが好きです。だから派閥も作りたくないんですよね。その場にいる子をご飯に誘って、その場にいる子と喋りたい。

― そういった関係作りで大切にしていることはありますか?

うづき:あまり敬語とかは気にしないです。若い子がタメ口で話してきても全然気にしないし、年齢や売上で上下関係が決まるとも思っていないので。もちろんタメ口も関係性があってこそだと思います。例えば誰かに紹介してもらった方には、紹介した方を立てるためにも敬語をちゃんと使うようにしています。でも同じキャストだったら、そこまで気を遣う必要ないんじゃないかなって。

ただ自分もそうだったんですけど、先輩ってやっぱり話しかけづらいんですよ。だからできるだけ話しかけやすいように、自分の弱点とか、だらしない部分を最初に出すようにしています。

― あえて弱点を見せる?

うづき:そのほうが相手も素を出してくれるというか。やっぱり自分が心を開かないと相手も開いてくれないと思うので。接客も同じで、あまり喋るのが得意じゃないお客様だったら「この前こんなひどいことあって…」みたいに自分をネタにします。そうすると笑ってくれるし、誰も傷つけることがないので。

うづきふうかの挫折を乗り越えた方法

(提供写真)
― うづきさんがこれまでの人生の中で挫折や辛いと感じた経験はありますか?

うづき:辛い経験はあるけど、挫折と感じたことはないかも。挫折と感じることがあったとしても、今経験できて良かったと思えるし、若い頃に大変な経験をしておけばそれは財産になると感じます。

― 挫折と感じないことが大切?

うづき:初めてのことって誰でも怖いし、ショックが大きいとは思う。でも、大人になっても人間関係で悩まされることは多いし、ある程度は慣れるしかないかなと思います。例えばいじめられてるとか、自分ではどうしようもない時は、ネットとかに逃げちゃってもいい。自分と同じ趣味の人とか、仲間になってくれる人は必ずどこかにいるので。

― 同じ場所に縛られずに。

うづき:そうですね。若い頃は住んでる場所の中だけとか、学校の中だけとか、どうしても視野は狭くなっちゃうと思う。私も学生の頃、隣の席の男の子と初めて付き合って、そのまま結婚するものだと思っていました。田舎はそれが当たり前だと思っていたけど、そんなことは無かった。

それに辛いことがあっても深刻に考えすぎなくていいと思います。いつかは笑い話になるし、経験値を積んだんだと思えば。ゲームと一緒ですね。いきなりボスに行っても勝てないから、経験値を積んでレベルアップしてからボスを倒しに行けばいい!

うづきふうかの夢を叶える秘訣

― それでは最後に夢を追いかけているモデルプレス読者へ、うづきさんの「夢を叶える秘訣」を教えてください。

うづき:私自身に夢がないので、夢を持っている方はそれだけで素敵だと思います。路上で歌ってる人とかめっちゃ好きなんですよ。 夢を持っていること自体が素敵なことなので、夢があるならいくつであっても遅くないので目指したほうがいいと思います。

年齢を重ねると現実味が増して、出来ない理由ばかり探しちゃうんですよね。私も小さい頃はパティシエになりたかったんです。でも女性のパティシエって少なくて、その理由は重労働だから。それを知ってしまうと足踏みしてしまいそうだけど、そんなことも気にせずに飛び込む勇気も夢を追いかけるには必要なんだなと感じます。

― 考える前に行動するように。

うづき:なんでもリスクはあると思うし、それに気付く前に行動してみるのも大切かなと思います。夢を叶えたいという衝動に身を任せても良いんじゃないかな。

うづきふうか(C)モデルプレス
― ありがとうございました。


自分の「好き」を発信し続けてきたうづきふうか。それがきっかけで新たな仕事にも繋がり、そしてそんな彼女の姿に憧れて入店するキャストも現れる。彼女が自然体で仕事を楽しむ姿は、さらに新たな“輪”を作り出していくだろう。インタビュー後編では、プライベートの過ごし方や美容法など、彼女の素顔を紹介する。(modelpress編集部)


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