「姉ageha」ゆんころ、いじめ・虐待を受けた過去を激白「涙が止まらなくなりました」 モデルプレスインタビュー
2015.12.09 18:00
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人気ブロガーで雑誌「姉ageha」専属モデルの“ゆんころ”こと小原優花(25)がモデルプレスのインタビューに応じた。ブロガーとして人気を博し、これまでに著書を発表してきたが、今回は初めて小説の執筆に挑戦。虐待やいじめ、さらには詐欺や薬物といったテーマを扱った今作への思いに迫った。
自身初となる青春小説「蒼い闇」(KADOKAWA)は、主人公・ユウカが、義父からの虐待と洗脳、学校での執拗ないじめと確執、友人と恋人の裏切りに遭いながら、18歳のときに大きな決断を下すさまを描く。今作はフィクションではあるが、小原自身の体験も盛り込まれている。
初の小説にして、社会問題に切り込んだテーマを扱ったわけには彼女なりの思いが詰まっている。「どういうものを書こうかなと思ったとき、ドラマチックなものやどんでん返しの展開があるものではなく、誰しもが通ったことがあるような家族、友達、恋人との付き合いの中での苦労を、リアリティを持って書きたかったんです。読者の方に共感してもらえることが目標。重いんだけれども、小説でなければ切り込めない題材に挑戦したいという思いが大前提にありました」。
ブログであらゆる情報を発信している彼女だが、ブログと小説を線引いた。「ブログで生々しく書いてしまうと、トラウマがあって読めない方もいらっしゃると思うんです。ですが、小説として、一つのフィクションの物語としてなら、すっと受け入れてもらえるのかなと思って。触れてはいけない部分、もしかしたら傷を思い起こしてしまうかもしれないけれど、だからこそ挑戦することで、リアリティや共感を得られるのではないかと思い、チャレンジしました」と今作に挑んだ決意を語る。
「実話と異なる部分も多々ありますが、自分が味わった痛みや恐怖、ショックな出来事を思い出しながら書きました。そうでなければリアリティが欠けてしまいます。執筆しながら、あの頃の私はどんな思いだったか、何に恐怖を感じていたのか、と紐解いていったときに、涙が止まらなくなりました。その世界から戻ってこられなくなりそうで…。明るい音楽をひたすら聴きながら(笑)、暗い内容を書いていましたね」。困難をのぞかせる執筆活動は、ときには手が震えることもあった。つらい経験を思い返し、当時の感情を呼び起こす苦悩は人知れない。
また「人を引き込む文章が書けない」と悩んだことも。「今までブログを書いてきた自分は、もしかしたら表面的な部分しか出せていなかったのではないかと気付いたんです。本当の自分に向き合わなきゃいけないことは苦しかったのですが、本当の自分を表に出して、扉を開けていかなければ思うようなものが書けない」とその一心でペンを進めた。
彼女自身も学生時代にはいじめを受けていた。家庭にも問題があり、貧しい生活を送っていたという。自身の名を冠したユウカについて「エピソードは違えど、同じような痛みをユウカに投影して経験させています。自分の分身みたいな感じ」と語り、愛おしそうに目を細める。
一方でユウカが犯罪に巻き込まれるシーンは、現代の社会背景を意識したものだ。「スマートフォンの普及によりいろんな方法、手段によって若者が犯罪に巻き込まれるケースが増えていて問題になっています。薬物も隠れたコミュニティで手に入れることができます、そういった問題を身近に感じていたので、題材にしようと思いました」。この思いを胸に社会問題にも、彼女の視点で切り込んでいった。
物語のラストでは、ユウカがある大きな決断を実行に移す。「最後の決断は賛否両論かと思いますが、世の中にはいろんな決断をして、受け止めて今を生きている人がたくさんいると思うんです。私もその中の一人。『蒼い闇』のユウカに共感しながら、この小説を書きました」と自身と重ね合わせた。
それはスマートフォンのブログと小説の作りの違い。「改行には悩みましたね。スクロールして流して読むブログでは、改行を多く使いながら流れを作るんです。小説を書き始めた最初のうちは、それが出てしまって改行ばっかりになってしまいました(笑)。段階の付け方には苦労しました」。
感銘を受けた作品には「蹴りたい背中」(綿矢りさ)、「イニシエーション・ラブ」(乾くるみ)、「モンスター」(百田尚樹)をあげる。幅広い作品をあげた小原に次作への意欲を尋ねてみると「3年もかかったので『もう書けない!』と思っていましたが、今一度自分の本を読んでみると、また何か書いてみたい気持ちもあります。今作には、3年前の文章も入っているわけです。3年をかけて今作を書き上げた今の自分が、どんなものを書けるのだろうという興味があります。機会があったら、またチャレンジしてみたいです」と意欲的だ。
さらにこう続ける。「3分前であっても、それは過去。どんな過去であっても、それを恨んだり、悲観したりしてはなりません。過去も愛しながら、未来に向かって努力していくことが成功する秘訣だと思います。どんなことにも言い訳をせず、『私はこれがやりたいんだ』という信念を持って突き進めば、叶わない夢はないはずです」。
「蒼い闇」でもユウカは転機を迎え、スポットライトを浴びる。結末に込めた思いは「闇の先にある、一つのゴールとして描きたかったんです。切り替わるタイミングは自分次第というメッセージを込めています」と説明した。
タイトル「蒼い闇」は夜明け前を意味し、小原の「明けない夜はない」というメッセージを込めて名づけられたものだ。「明けない夜はない」、この言葉は母親にかけられたもので、これを糧に生きてきた。「夜明けを迎える寸前が一番苦しかった。でも、苦しみを乗り越えて迎えるのは朝。乗り越えて、朝を迎えることで強くなれるし、自信もつく。夜明けの寸前まで負けないでほしいです」と願いを込めた。
ブログでメイクやファッション、プライベートを発信し続けてきた小原が、つらい過去を、フィクションを織り交ぜながら小説という方法で表現。ストーリー上でユウカが経験したつらい一つ一つの出来事は、小原が語るように決して遠くにあるものではなく、悩みを抱える読者の共感を呼び、胸を打つに違いない。(modelpress編集部)
誕生日:1990年5月19日
出身:東京
血液型:AB型
ブロガー、ファッションモデル。2008年、「ゆんころぶろぐ☆」をはじめる。メイクや自撮りのテクニックが若い女性の注目を集める。著書にブログ他での名言を集めた「Yunkoro HEART」「Yunkoro Message」がある。2015年、自身初となる青春小説「蒼い闇」を発表。
人気ブロガーが満を持して初の青春小説を発表
完成までに3年もの歳月を要した今作は、彼女の熱い思いとこだわりから、原稿を何度も読み直す中で、納得のいくゴールが見えなかったという。それでも、ピリオドを打ち、3年かけて執筆した作品が完成した今の心境を聞いてみると「作品として自分が書きたかったものになっていると思いました。やっと達成感を味わえています」と胸を張った。初の小説にして、社会問題に切り込んだテーマを扱ったわけには彼女なりの思いが詰まっている。「どういうものを書こうかなと思ったとき、ドラマチックなものやどんでん返しの展開があるものではなく、誰しもが通ったことがあるような家族、友達、恋人との付き合いの中での苦労を、リアリティを持って書きたかったんです。読者の方に共感してもらえることが目標。重いんだけれども、小説でなければ切り込めない題材に挑戦したいという思いが大前提にありました」。
ブログであらゆる情報を発信している彼女だが、ブログと小説を線引いた。「ブログで生々しく書いてしまうと、トラウマがあって読めない方もいらっしゃると思うんです。ですが、小説として、一つのフィクションの物語としてなら、すっと受け入れてもらえるのかなと思って。触れてはいけない部分、もしかしたら傷を思い起こしてしまうかもしれないけれど、だからこそ挑戦することで、リアリティや共感を得られるのではないかと思い、チャレンジしました」と今作に挑んだ決意を語る。
主人公に自身を投影 つらい過去を回想
物語は主人公・ユウカの小学生時代からスタートし、18歳である決断を下すまでを描く。フィクションとはいえど、ユウカが歩んできた道はまさに壮絶。母親の離婚と再婚、義父による虐待、中学時代のいじめと友人関係、恋人の裏切り、詐欺といった犯罪に遭うのであった。「実話と異なる部分も多々ありますが、自分が味わった痛みや恐怖、ショックな出来事を思い出しながら書きました。そうでなければリアリティが欠けてしまいます。執筆しながら、あの頃の私はどんな思いだったか、何に恐怖を感じていたのか、と紐解いていったときに、涙が止まらなくなりました。その世界から戻ってこられなくなりそうで…。明るい音楽をひたすら聴きながら(笑)、暗い内容を書いていましたね」。困難をのぞかせる執筆活動は、ときには手が震えることもあった。つらい経験を思い返し、当時の感情を呼び起こす苦悩は人知れない。
また「人を引き込む文章が書けない」と悩んだことも。「今までブログを書いてきた自分は、もしかしたら表面的な部分しか出せていなかったのではないかと気付いたんです。本当の自分に向き合わなきゃいけないことは苦しかったのですが、本当の自分を表に出して、扉を開けていかなければ思うようなものが書けない」とその一心でペンを進めた。
彼女自身も学生時代にはいじめを受けていた。家庭にも問題があり、貧しい生活を送っていたという。自身の名を冠したユウカについて「エピソードは違えど、同じような痛みをユウカに投影して経験させています。自分の分身みたいな感じ」と語り、愛おしそうに目を細める。
リアリティを追求
フィクションでありながらも小原が自ら経験したからこそ、リアリティをもって書けるエピソードがある。小説に描かれている、義父のペットショップ開業にあたり、ユウカがウサギやチンチラ、ヘビまでの動物の飼育を強要させられるシーンはその一つだ。彼女の実体験がもとになっており「動物の飼育のエピソードは実話です。商品となる動物の世話を嫌いな父親に強要されていました。動物は可愛いけれど、それは嫌いな父親のためにやっていること。如実に葛藤が表れていると思ったので、このエピソードを取り入れました」と語る。一方でユウカが犯罪に巻き込まれるシーンは、現代の社会背景を意識したものだ。「スマートフォンの普及によりいろんな方法、手段によって若者が犯罪に巻き込まれるケースが増えていて問題になっています。薬物も隠れたコミュニティで手に入れることができます、そういった問題を身近に感じていたので、題材にしようと思いました」。この思いを胸に社会問題にも、彼女の視点で切り込んでいった。
物語のラストでは、ユウカがある大きな決断を実行に移す。「最後の決断は賛否両論かと思いますが、世の中にはいろんな決断をして、受け止めて今を生きている人がたくさんいると思うんです。私もその中の一人。『蒼い闇』のユウカに共感しながら、この小説を書きました」と自身と重ね合わせた。
小説家を夢見た小学生時代
小原は小説の執筆は初めての挑戦であったが、日頃よりブロガーとして文章を書くことに長けており、著書を発表してきた実績も持つ。小学生の頃の夢は小説家になることだったと話す彼女は「ブログ本を出したときに、少し夢が叶ったと思い、とても嬉しかったことをよく覚えています。それから小説のお話をいただき、迷わず『書きたい』と踏み切りました」と3年前を回顧。しかし、執筆にはつらい経験を思い出すこと以外にも困難があった。それはスマートフォンのブログと小説の作りの違い。「改行には悩みましたね。スクロールして流して読むブログでは、改行を多く使いながら流れを作るんです。小説を書き始めた最初のうちは、それが出てしまって改行ばっかりになってしまいました(笑)。段階の付け方には苦労しました」。
感銘を受けた作品には「蹴りたい背中」(綿矢りさ)、「イニシエーション・ラブ」(乾くるみ)、「モンスター」(百田尚樹)をあげる。幅広い作品をあげた小原に次作への意欲を尋ねてみると「3年もかかったので『もう書けない!』と思っていましたが、今一度自分の本を読んでみると、また何か書いてみたい気持ちもあります。今作には、3年前の文章も入っているわけです。3年をかけて今作を書き上げた今の自分が、どんなものを書けるのだろうという興味があります。機会があったら、またチャレンジしてみたいです」と意欲的だ。
夢を叶える秘訣と作品に込めたメッセージ
最後に、小学生の頃に抱いた夢を実現させた小原に、夢を叶える秘訣を聞いてみると「夢を叶えるために、こうでなければいけないということは絶対にないかと思います」と力強い眼差しで答える。家庭環境に問題があった自身に照らし合わせて「こういう家庭に生まれたから、こういった人生を歩むということはまったくない。環境が恵まれているとかではなく、本当にやりたいことかどうかが大切。やりたいこと、好きなことなら、周りになんと言われようとも、どんな生い立ちだろうと、どんな経験のもとに自分が立っていようと、その夢に向かってほしいと思います。私自身もそうでした」と持論を展開させた。さらにこう続ける。「3分前であっても、それは過去。どんな過去であっても、それを恨んだり、悲観したりしてはなりません。過去も愛しながら、未来に向かって努力していくことが成功する秘訣だと思います。どんなことにも言い訳をせず、『私はこれがやりたいんだ』という信念を持って突き進めば、叶わない夢はないはずです」。
「蒼い闇」でもユウカは転機を迎え、スポットライトを浴びる。結末に込めた思いは「闇の先にある、一つのゴールとして描きたかったんです。切り替わるタイミングは自分次第というメッセージを込めています」と説明した。
タイトル「蒼い闇」は夜明け前を意味し、小原の「明けない夜はない」というメッセージを込めて名づけられたものだ。「明けない夜はない」、この言葉は母親にかけられたもので、これを糧に生きてきた。「夜明けを迎える寸前が一番苦しかった。でも、苦しみを乗り越えて迎えるのは朝。乗り越えて、朝を迎えることで強くなれるし、自信もつく。夜明けの寸前まで負けないでほしいです」と願いを込めた。
ブログでメイクやファッション、プライベートを発信し続けてきた小原が、つらい過去を、フィクションを織り交ぜながら小説という方法で表現。ストーリー上でユウカが経験したつらい一つ一つの出来事は、小原が語るように決して遠くにあるものではなく、悩みを抱える読者の共感を呼び、胸を打つに違いない。(modelpress編集部)
ゆんころプロフィール
本名:小原優花誕生日:1990年5月19日
出身:東京
血液型:AB型
ブロガー、ファッションモデル。2008年、「ゆんころぶろぐ☆」をはじめる。メイクや自撮りのテクニックが若い女性の注目を集める。著書にブログ他での名言を集めた「Yunkoro HEART」「Yunkoro Message」がある。2015年、自身初となる青春小説「蒼い闇」を発表。
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