「Popteen」「Ranzuki」「JELLY」「Scawaii」…現在も多くのギャルから人気を博しているギャル誌

休刊相次ぐギャル雑誌の現状

2014.05.07 21:40

ギャル雑誌「egg」「Happie nuts」「小悪魔ageha」「EDGE STYLE」などの休刊が相次いでおり、ギャル誌マーケットが縮小。休刊が相次ぐ一方で、「Popteen」「Ranzuki」「JELLY」「Scawaii」「Gina」などは現在も多くのギャルから人気を博している。

  
ギャルといえば明るい髪に濃いメイク、ポップな色使いのファッションといったイメージが強いが、近年ではその「ギャル」とは対極にあった「清楚」や「ナチュラル」といったワードが躍り、ギャル雑誌に登場するモデルも白肌のナチュラルメイクが目立つようになってきた。

ギャルのトレンドの歴史を振り返ると、99年頃から日焼けサロンで肌を焼いた“ガン黒”ギャルが街を席巻し、96年頃に歌手の安室奈美恵をお手本とした“アムラー”などのコギャルブームが全盛期を迎えた。00年頃、黒肌に金髪、白い唇という“ヤマンバ”が登場し、ギャルのド派手なルックスはピークに。近年は益若つばさ、くみっきーといったアイコンの出現と共に、お人形のような“甘めGAL”が主流となっていた。

押切もえ、ローラなど人気モデルを輩出した「Popteen」

「Popteen」11月号(角川春樹事務所、2012年10月1日発売)表紙:ローラ
「Popteen」11月号(角川春樹事務所、2007年10月1日発売)表紙:益若つばさ
1980年10月1日に創刊された「Popteen」(角川春樹事務所)は、1990年代前半に女子高生ブームの人気の訪れとともに、猥褻・バイオレンス要素を払拭したギャル向けファッション雑誌へとリニューアル。アゲ盛り女子必見のLOVE&LIFEスタイルマガジン!ブチアゲトレンド+最新ギャルファッション情報誌として、これまで、押切もえやローラ、益若つばさ、小森純、鈴木奈々などの人気モデルを輩出してきた。

現在は、黒髪の松本愛や前田希美、志田友美らが“清楚ギャル”の代表として台頭している。また、“くみっきー”の愛称で親しまれている舟山久美子は、同誌の看板モデルとして活躍。連続表紙起用は17回(2009年3月号~2010年7月号)、通算表紙起用は30回の記録を持っている。

リニューアルに伴い新たなJKを定義した「Ranzuki」

「Ranzuki」9月号(ぶんか社、2012年7月23日発売)表紙:斉藤夏海
「Ranzuki」12月号(ぶんか社、2013年10月23日発売)表紙:吉木千沙都
黒肌ギャル向けの雑誌として1998年に創刊し、カラフルでポップなファッションやモデルのパーソナリティにフィーチャーした企画で人気を博してきた「Ranzuki」(ぶんか社)。昨年10月23日発売の12月号に新装刊し、時代と共に変化する「かわいい」に寄り添うべく、新テーマ「クラス1かわいくてオシャレなJKになれる」を設定。現在「Ranzuki」は、「がんばってないのになんか目立つ」、そして「髪も暗いしメイクもうすいけどアカぬけてる」女の子を「かわいいJK」の定義としている。

辛口系ギャルを貫き通している「JELLY」

「JELLY」11月号(ぶんか社、2012年9月15日発売)
「JELLY」2月号(ぶんか社、2011年12月17日発売)
2005年4月、『Ranzuki』の「お姉さん雑誌」として、当時の同誌専属モデルであった森摩耶や山本優希などを起用し、増刊号VOL.01を発行した「JELLY」(ぶんか社)。 翌2006年4月には、辛口系カジュアルをテーマに創刊号が発売された。

ギャル・大人ギャル系向けの同誌は、最旬のギャルファッション&辛口系カジュアルを中心に、旬のアイテムを取り入れたMIXカジュアルなスタイルからカワイイorセクシーなファッション、トレンドアイテムの着こなしテクやオシャレな着回しコーデ、ストリートアイテムを取り入れた個性的なコーディネートなども紹介。甘めギャルが主流となった現在でも、辛口系ギャルを貫き通している。

“大人ギャル”向けの「Scawaii」「Gina」なども人気

「S Cawaii!」6月号(主婦の友社、2014年5月7日発売)表紙:ローラ
「Gina」6月号(ぶんか社、2014年5月7日発売)表紙:長澤まさみ
雑誌「Cawaii!」(休刊)のお姉さん版として2000年9月に創刊された「S Cawaii!」(主婦の友社)。「大人ギャル系」に分類し、女子高生を卒業した20歳前後の女性をターゲットにした大人系ギャルをきわめるスティタスマガジン。

同出版社のファッション誌「JELLY」を卒業する25歳前後の読者の為に2011年10月創刊し、2013年Vol.9(2013年4月号)から月刊化された「Gina」(ぶんか社)。メインターゲットは、辛口系ファッションが好きな25歳以上の大人女子。「25歳からの新しいカジュアルを提案します!」をテーマに、大人カッコイイ攻めカジュアルや辛口系ファッションなど、辛口女子のための新しいファッションスタイルを紹介している。

「egg」の休刊で衝撃が走ったギャル誌界

発売中の「egg」6月号(大洋図書、2014年5月1日発売)
ギャルのカリスマとして一世を風靡した渡辺かおる/「egg」2008年7月号(大洋図書、2008年5月31日発売)
5月31日発売号をもって休刊する「egg」(大洋図書)。1995年に創刊され、19年9ヵ月間にわたって渋谷ギャルのリアルなトレンドを伝えてきた同誌。渋谷女子高生の“リアル”を切り取る中で、ルーズソックスやコギャル、へそ出しルック、ガングロ肌×メッシュヘアの“ヤマンバ”、目の周りを白く塗ったガングロギャルなどのブームを創出してきたが、1つのギャル歴史が幕を閉じることになる。

ギャル誌マーケットが縮小されている中、勢いのあるナチュラル系のギャル。彼女たちが今後、新たなマーケットを切り開いてくれるに違いない。(モデルプレス)
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