【オイシル・葛川英雄氏】高卒、深夜の市場勤務経て年商2億へ。ニッチ領域×仕組み化で挑む食のインフラ革命<REAL VALUE×モデルプレス連動>
2025.12.11 19:00
堀江貴文・溝口勇児・三崎優太による経営エンターテイメント番組「REAL VALUE」と「モデルプレス」の共同インタビュー企画。今回は株式会社オイシルの代表取締役・葛川英雄氏(34)に、生い立ちやこれまでの経緯、成功を掴むまでのエピソード、ビジネスで大切なことを聞いた。
「REAL VALUE」は堀江貴文・溝口勇児・三崎優太の3人と各業界のスペシャリストが、本物の起業家を見極め、悩めるすべてのビジネスパーソンに“本当の価値と、本質的な学び”を説いていく番組(※堀江・三崎公式YouTubeで配信中)。
オイシルは、スーパーマーケットや生鮮業界に特化した人材紹介事業を展開。「美味しいを身近に」を掲げ、ニッチな領域で独自のマーケティングと仕組み化を武器に急成長を遂げている。
葛川社長:2人兄弟の弟として育ったのですが、常に兄というロールモデルへのコンプレックスがありました。兄に追いつけない劣等感、そしてシングルマザーの母から自分の求めるような承認が得られない渇望感があり、自己承認欲求が満たされない子供時代でしたね。
中学では比較的勉強ができましたが、塾に通ってる子と比べるとテストでは劣る。そこで生活態度を改め、高い内申点で進学校へ進みましたが、周りのレベルの高さに圧倒され、勉強から逃げるように居酒屋の調理バイトに没頭しました。
そこで気づいたんです。「勉強では唯一の『絶対解』を求められるが、実務の世界では正解っぽいものに辿り着くための手段は様々ある」と。勉強では勝てなくても、実務なら勝てるかもしれないという自信が芽生え、大学進学が当たり前の環境の中、高卒での就職を選びました。
高校では新卒就職の実績がほとんどなく、ハローワークで紹介されたのは、朝4:00出勤の市場の仕事。「君は気合が入っているから似合う!」と背中を押され、違和感を覚えつつも、4:00~11:30という勤務時間に釣られ、選考に進みました。
無事合格しましたが、内定式で「車通勤必須」と言われ、貯金をはたいて車を買うも、入社日に納車が間に合わず、入社1ヵ月弱は終電で通っていました。ちなみに勤務時間は2:30~12:00が通常勤務で、残業があればもっと長いというのが実態でした。
とはいえ、同期が大学に行ってる間に自分は一花咲かせなくてはとの思いから、泣き言を言わず目の前の業務に一生懸命に取り組みました。市場の仲卸さんは意地悪な人たちに映ることもありましたが、1年も経つとそれが親心的なものだと気づくように。3年も働くと居心地がよくなりましたが、「やりがいもあるし、責任も持たせてもらっているが、アルバイトと同レベルの給料しかもらっていない」という現状に違和感を覚え、転職を決意。
次は水産商社へ自分を売り込み転職したのですが、「同じ水産物を扱うなら楽勝だろう」と高を括っていたら、無形商材の提案営業は全く別物と気づき、無能さを痛感。当時の上司に精神的にボコボコにされました。自信満々だったのに、4年目には「自分は営業として無能かもしれない」と完全に自信を喪失していました。
それでも泥臭くスーパーへの新規開拓を続け、成功体験を積み重ねてなんとか自信を取り戻し、3社目の転職エージェントへ。そこでは過去の反省を活かし、「自分の営業力は死んでいない」と再起を誓って年間No.1の成績を上げることができました。自ら率先して意見を言うようにスイッチでき、SFA構築や生産性向上の取り組み、マネジメントなども経験。
そこから知人の人材紹介会社を立ち上げますが、向いてる方向性の違いを覚え、1年ほどで独立し、株式会社オイシルを設立するに至りました。
会社員時代には、「やりがいはあるが給与が低い」「給与は良いが裁量がない」という両極端を経験し、「裁量とやりがいもあって、成果と給与が連動する会社にしよう」というコンセプトにしました。それが、キャリアアドバイザー職のインセンティブ設計の元になっています。
このインセンティブ設計も、「最大瞬間風速を楽しむ」という前提のもとで敷いており、永続的に続くものではないです。ですが、「成果を残した人に還元する=成果を残していない人に還元しない」は当たり前のことだと思っているので、仮にインセンティブが無くなっても、同じ思想で会社運営をしていくと思います。
モデルプレス:ご自身の痛烈な原体験が、そのまま会社の制度設計に直結している点に非常に納得感があります。経営者が「成果には報いる」という姿勢を明確なシステムとして提示することは、社員にとって何よりの安心材料であり、プロフェッショナルとして自立するための健全なプレッシャーにもなりますね。非常に合理的で熱量のある組織設計だと思います。
葛川社長:スーパー・生鮮業界に特化した人材紹介事業を行っています。他社との違いは、本気でこの業界を良くしたいと思っている点です。具体的に言うと、人材紹介だけではなく、求人広告、人材派遣事業などもやろうと準備を進めております。
人間が食事をしなくなる未来は思いつかないことと、そうなったとしても嗜好品として食品を食べることは継続する。そうなると、最適化されたスーパーの流通がなくなることも考えにくい。この最適化されたスーパーをさらに洗練していく事業には、勝算しかないと思っています。
モデルプレス:不変のニーズがある「食」の領域で、情熱を持ちつつもシステムで勝つという戦略は、盤石な経営基盤を感じさせます。ちなみに、服装が魚屋さんなのは、どんな意味があるんですか?
葛川社長:生鮮業界に特化した転職エージェントの中で第一想起を取るためです。「魚屋さんの転職と言えば、オイシル」という状態になるため、服装を変え、SNSなどの名前も「イワシくん」に変えました。同じく、イワシくんアイコンも作成し、Tシャツ作成もしているところです。ちなみに、イワシくんの名付け親は溝口勇児さんです(笑)
葛川社長:マーケティングと仕組み化です。マーケティングについては、早々から資金を投下せずに安価で集客する手法を確立したこと。
仕組み化については、「二日酔いでもミスが起きないフロー」を意識して作っていて、間違えても差し戻しされるようになっていたり、入力をし忘れた人が損する仕組みになっています。
モデルプレス:「二日酔いでもミスが起きない」という表現はユニークですが、究極の業務標準化を表す言葉として非常に本質的です。人間の意志力に頼らず、仕組みで質を担保するというのは、経営者としての冷徹なまでの客観性を感じさせます。
葛川社長:自分を売り込むことです。商品やサービスは1つの手段でしかないですし、競合サービスと比べたときに、値段争いになることを避けたいからです。
それは「競合争いに勝ちたいから」ではなく、「競合よりも自分のほうが付加価値を提供できるから」という自信からです。その自信を持つために、自分自身も常に研鑚しなくてはいけないと心掛けています。
モデルプレス:モノではなくヒトで選ばれることこそ、現代における最強の差別化戦略だと感じます。また、価値で勝負するというスタンスは、社員の方々にとっても、単なる物売りではなく、自分自身の人間力を高めることが仕事の成果に直結するという、非常に高いモチベーションの源泉になりますね。
葛川社長:うまく行った未来を想像し、それを現実にしようというエゴですね。学生時代に何もなしえなかったからこそ、大人になって何かを成し遂げたいと思ってます。
ただ、自分の想像する範疇のことでしか夢は実現しえないと考えているため「REAL VALUE CLUB」(※)に入り、もっと先のステージをゆく社長の話を見聞きし、想像力を高めています。
モデルプレス:「エゴ」という言葉をポジティブな原動力として公言できる潔さが素晴らしいです。想像力を高めることでより大きな夢を現実のものとして掴もうとされているのですね。
葛川社長:1期目の売上が3000万円弱、2期目が1億円、3期目が1.6億円ほどで推移していて、今期は2億円程で着地するのではと見込んでいます。では5期、10期と会社を進めていっても、毎期5000万円程度の成長しかしないようでは、自分の成し遂げたい事業は出来上がらない。
成長スピードを上げるには、各事業を任せられる人を育成しなくてはいけない。そうした中でぶつかる障壁、あるあるトラブルなどを既に経験している先輩経営者に話を聞くことが一番の近道だと思ったからです。
モデルプレス:順調な成長曲線に満足せず、自らの想像力の限界を突破するために、あえてトップランナーたちの輪に飛び込むという行動力に、葛川社長の貪欲な成長意欲を感じます。過去の自分へのリベンジではなく、未来の可能性への挑戦として経営を捉えている点が非常に魅力的です。
(※)「REAL VALUE CLUB」は、堀江貴文・溝口勇児・三崎優太の3人に認められる他、限られた人だけが入会できるもの。あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。
葛川社長:会社を設立して事業も軌道に乗ったタイミングで、1人目の社員を受け入れることに。社員に仕事を振るためにも、あえて業務キャパ150%位まで仕事を請け負っていました。
いよいよ入社目前というタイミングで、「第2子の出産日と社員の初出勤日が重なりそうだ」と聞かされたんです。当時は「えっ、どっちを優先すればいいの?」と混乱しました。「当然子供の出産は大事だけれど、社員は人生預けてうちの会社に来てくれるんだよな?優先すべきはどっち?そもそも通常業務もあるよな?150%受けちゃってるんだけど?」と、業務過多も相まって、放心状態になったのを覚えています。
見かねた妻が、「祖父母を頼ろう、業務調整しよう、社員には入社日を1日ずらしてもらおう」とアドバイスしてくれ、その通りにすることでこの危機的局面を乗り切ることができました。
「全てを得ることはできないから優先順位をつける」。当たり前のことですが、極限状態ではそれが見えなくなる。苦い経験ですが、今でも教訓になっています。
モデルプレス 仕事と家庭、責任と愛情の板挟みになった際の葛藤は、多くのビジネスパーソンが共感する場面です。そこで奥様のアドバイスを素直に受け入れ、一つひとつ対処されたエピソードからは、葛川社長の人間味と、パートナーシップの大切さが伝わってきます。「全ては選べない」という真理を肌で学ばれた経験は、経営判断における優先順位付けの鋭さにも繋がっているのでしょうね。
葛川社長:小学校の時、「世界平和」のために政治家や博士、社長になりたかったんです。でも勉強が得意ではなかったことから「社長」なら実現可能だということに気づきました。
とはいえ先立つものが無くてはリスクが大きい…と思い続け、サラリーマン経験を10年以上してからの独立になりました。もっと早くに起業をしておけば良かったのに、と言う気持ちもあります。
当時の自分に言うならば、「夢を夢のままにするな」「夢を追いかけるなら、目標に置き換えろ」「選択肢や結果を正解にしろ」と伝えたいですね。「目標が独立」と決まっていたら、「だったらこの業態・職種が一番起業しやすいでしょ」といったような職場選びが出来たと思うので。ただ、そんな自分の現状も否定せず、受け入れて正解にしていこうとも思います。
モデルプレス:「夢を目標に置き換えろ」という言葉は、漠然とした憧れを抱くすべての人にとって、明日からの一歩を変える強烈な指針となります。 目標から逆算して考えると自然と歩むべき道は明確なっていく、経営者として先をいく立場だからこそ、今目指すものがある人々に刺さる具体性のあるメッセージだと思います。
葛川社長:誠実で約束を守り、自責思考で働ける人です。相手の期待値を超えて当たり前だと思える、そんなプロフェッショナルと一緒に働きたい。成長したい、新規事業をやりたいという野心のある方を求めています。
モデルプレス:単なる労働力ではなく、同じ志を持って高い壁を乗り越えていける仲間を求めている。このフェーズのオイシル社に参画することは、急成長企業のコアメンバーとして、自分の手で事業と組織を創り上げるという、何物にも代えがたい冒険へのチケットを手に入れることと同義だと感じました。自身の可能性を信じ、本気でビジネスに没頭したい人にとっては、これ以上ない舞台だと思います。
3人に認められる他、限られた人だけが入会できる「REAL VALUE CLUB」は、あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。堀江・溝口・三崎を筆頭に各領域のトップ経営者とリアルで繋がれる他、コンテンツ動画を月2~4回配信(アーカイブが見放題)、ファウンダー&マネジメントチーム及び事務局からビジネスアイデアの提供など、経営をアップデートするためのノウハウを提供していく。(modelpress編集部)
オイシルは、スーパーマーケットや生鮮業界に特化した人材紹介事業を展開。「美味しいを身近に」を掲げ、ニッチな領域で独自のマーケティングと仕組み化を武器に急成長を遂げている。
勉強という絶対解への敗北が、実務という最適解への覚醒を呼んだ
モデルプレス:まずは、葛川社長の原点についてお伺いします。どのような幼少期を過ごし、起業という道を選ぶに至ったのでしょうか。葛川社長:2人兄弟の弟として育ったのですが、常に兄というロールモデルへのコンプレックスがありました。兄に追いつけない劣等感、そしてシングルマザーの母から自分の求めるような承認が得られない渇望感があり、自己承認欲求が満たされない子供時代でしたね。
中学では比較的勉強ができましたが、塾に通ってる子と比べるとテストでは劣る。そこで生活態度を改め、高い内申点で進学校へ進みましたが、周りのレベルの高さに圧倒され、勉強から逃げるように居酒屋の調理バイトに没頭しました。
そこで気づいたんです。「勉強では唯一の『絶対解』を求められるが、実務の世界では正解っぽいものに辿り着くための手段は様々ある」と。勉強では勝てなくても、実務なら勝てるかもしれないという自信が芽生え、大学進学が当たり前の環境の中、高卒での就職を選びました。
高校では新卒就職の実績がほとんどなく、ハローワークで紹介されたのは、朝4:00出勤の市場の仕事。「君は気合が入っているから似合う!」と背中を押され、違和感を覚えつつも、4:00~11:30という勤務時間に釣られ、選考に進みました。
無事合格しましたが、内定式で「車通勤必須」と言われ、貯金をはたいて車を買うも、入社日に納車が間に合わず、入社1ヵ月弱は終電で通っていました。ちなみに勤務時間は2:30~12:00が通常勤務で、残業があればもっと長いというのが実態でした。
とはいえ、同期が大学に行ってる間に自分は一花咲かせなくてはとの思いから、泣き言を言わず目の前の業務に一生懸命に取り組みました。市場の仲卸さんは意地悪な人たちに映ることもありましたが、1年も経つとそれが親心的なものだと気づくように。3年も働くと居心地がよくなりましたが、「やりがいもあるし、責任も持たせてもらっているが、アルバイトと同レベルの給料しかもらっていない」という現状に違和感を覚え、転職を決意。
次は水産商社へ自分を売り込み転職したのですが、「同じ水産物を扱うなら楽勝だろう」と高を括っていたら、無形商材の提案営業は全く別物と気づき、無能さを痛感。当時の上司に精神的にボコボコにされました。自信満々だったのに、4年目には「自分は営業として無能かもしれない」と完全に自信を喪失していました。
それでも泥臭くスーパーへの新規開拓を続け、成功体験を積み重ねてなんとか自信を取り戻し、3社目の転職エージェントへ。そこでは過去の反省を活かし、「自分の営業力は死んでいない」と再起を誓って年間No.1の成績を上げることができました。自ら率先して意見を言うようにスイッチでき、SFA構築や生産性向上の取り組み、マネジメントなども経験。
そこから知人の人材紹介会社を立ち上げますが、向いてる方向性の違いを覚え、1年ほどで独立し、株式会社オイシルを設立するに至りました。
会社員時代には、「やりがいはあるが給与が低い」「給与は良いが裁量がない」という両極端を経験し、「裁量とやりがいもあって、成果と給与が連動する会社にしよう」というコンセプトにしました。それが、キャリアアドバイザー職のインセンティブ設計の元になっています。
このインセンティブ設計も、「最大瞬間風速を楽しむ」という前提のもとで敷いており、永続的に続くものではないです。ですが、「成果を残した人に還元する=成果を残していない人に還元しない」は当たり前のことだと思っているので、仮にインセンティブが無くなっても、同じ思想で会社運営をしていくと思います。
モデルプレス:ご自身の痛烈な原体験が、そのまま会社の制度設計に直結している点に非常に納得感があります。経営者が「成果には報いる」という姿勢を明確なシステムとして提示することは、社員にとって何よりの安心材料であり、プロフェッショナルとして自立するための健全なプレッシャーにもなりますね。非常に合理的で熱量のある組織設計だと思います。
ニッチな領域に持続性と勝算見出す
モデルプレス:事業内容を教えてください。葛川社長:スーパー・生鮮業界に特化した人材紹介事業を行っています。他社との違いは、本気でこの業界を良くしたいと思っている点です。具体的に言うと、人材紹介だけではなく、求人広告、人材派遣事業などもやろうと準備を進めております。
人間が食事をしなくなる未来は思いつかないことと、そうなったとしても嗜好品として食品を食べることは継続する。そうなると、最適化されたスーパーの流通がなくなることも考えにくい。この最適化されたスーパーをさらに洗練していく事業には、勝算しかないと思っています。
モデルプレス:不変のニーズがある「食」の領域で、情熱を持ちつつもシステムで勝つという戦略は、盤石な経営基盤を感じさせます。ちなみに、服装が魚屋さんなのは、どんな意味があるんですか?
葛川社長:生鮮業界に特化した転職エージェントの中で第一想起を取るためです。「魚屋さんの転職と言えば、オイシル」という状態になるため、服装を変え、SNSなどの名前も「イワシくん」に変えました。同じく、イワシくんアイコンも作成し、Tシャツ作成もしているところです。ちなみに、イワシくんの名付け親は溝口勇児さんです(笑)
食という不滅のインフラを、「二日酔いでも回る仕組み」で制する
モデルプレス:会社の成長の要因は何でしょう?葛川社長:マーケティングと仕組み化です。マーケティングについては、早々から資金を投下せずに安価で集客する手法を確立したこと。
仕組み化については、「二日酔いでもミスが起きないフロー」を意識して作っていて、間違えても差し戻しされるようになっていたり、入力をし忘れた人が損する仕組みになっています。
モデルプレス:「二日酔いでもミスが起きない」という表現はユニークですが、究極の業務標準化を表す言葉として非常に本質的です。人間の意志力に頼らず、仕組みで質を担保するというのは、経営者としての冷徹なまでの客観性を感じさせます。
AI時代こそ人間力が物を言う
モデルプレス:仕事をする際に心がけていることを教えてください。葛川社長:自分を売り込むことです。商品やサービスは1つの手段でしかないですし、競合サービスと比べたときに、値段争いになることを避けたいからです。
それは「競合争いに勝ちたいから」ではなく、「競合よりも自分のほうが付加価値を提供できるから」という自信からです。その自信を持つために、自分自身も常に研鑚しなくてはいけないと心掛けています。
モデルプレス:モノではなくヒトで選ばれることこそ、現代における最強の差別化戦略だと感じます。また、価値で勝負するというスタンスは、社員の方々にとっても、単なる物売りではなく、自分自身の人間力を高めることが仕事の成果に直結するという、非常に高いモチベーションの源泉になりますね。
エゴで未来を現実に変え、想像の外側にある夢に挑む
モデルプレス:ご自身の原動力をお聞かせください。葛川社長:うまく行った未来を想像し、それを現実にしようというエゴですね。学生時代に何もなしえなかったからこそ、大人になって何かを成し遂げたいと思ってます。
ただ、自分の想像する範疇のことでしか夢は実現しえないと考えているため「REAL VALUE CLUB」(※)に入り、もっと先のステージをゆく社長の話を見聞きし、想像力を高めています。
モデルプレス:「エゴ」という言葉をポジティブな原動力として公言できる潔さが素晴らしいです。想像力を高めることでより大きな夢を現実のものとして掴もうとされているのですね。
先人の知恵を借り、成長のスピードを加速させる
モデルプレス:「REAL VALUE CLUB」に参加された理由をお聞かせください。葛川社長:1期目の売上が3000万円弱、2期目が1億円、3期目が1.6億円ほどで推移していて、今期は2億円程で着地するのではと見込んでいます。では5期、10期と会社を進めていっても、毎期5000万円程度の成長しかしないようでは、自分の成し遂げたい事業は出来上がらない。
成長スピードを上げるには、各事業を任せられる人を育成しなくてはいけない。そうした中でぶつかる障壁、あるあるトラブルなどを既に経験している先輩経営者に話を聞くことが一番の近道だと思ったからです。
モデルプレス:順調な成長曲線に満足せず、自らの想像力の限界を突破するために、あえてトップランナーたちの輪に飛び込むという行動力に、葛川社長の貪欲な成長意欲を感じます。過去の自分へのリベンジではなく、未来の可能性への挑戦として経営を捉えている点が非常に魅力的です。
(※)「REAL VALUE CLUB」は、堀江貴文・溝口勇児・三崎優太の3人に認められる他、限られた人だけが入会できるもの。あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。
極限状態で学んだ「全ては選べない」という真理
モデルプレス:モデルプレス読者の中でもいま様々な困難に直面している方もいると思います。今までの人生で怒りや悲しみを乗り越えたエピソードを教えてください。葛川社長:会社を設立して事業も軌道に乗ったタイミングで、1人目の社員を受け入れることに。社員に仕事を振るためにも、あえて業務キャパ150%位まで仕事を請け負っていました。
いよいよ入社目前というタイミングで、「第2子の出産日と社員の初出勤日が重なりそうだ」と聞かされたんです。当時は「えっ、どっちを優先すればいいの?」と混乱しました。「当然子供の出産は大事だけれど、社員は人生預けてうちの会社に来てくれるんだよな?優先すべきはどっち?そもそも通常業務もあるよな?150%受けちゃってるんだけど?」と、業務過多も相まって、放心状態になったのを覚えています。
見かねた妻が、「祖父母を頼ろう、業務調整しよう、社員には入社日を1日ずらしてもらおう」とアドバイスしてくれ、その通りにすることでこの危機的局面を乗り切ることができました。
「全てを得ることはできないから優先順位をつける」。当たり前のことですが、極限状態ではそれが見えなくなる。苦い経験ですが、今でも教訓になっています。
モデルプレス 仕事と家庭、責任と愛情の板挟みになった際の葛藤は、多くのビジネスパーソンが共感する場面です。そこで奥様のアドバイスを素直に受け入れ、一つひとつ対処されたエピソードからは、葛川社長の人間味と、パートナーシップの大切さが伝わってきます。「全ては選べない」という真理を肌で学ばれた経験は、経営判断における優先順位付けの鋭さにも繋がっているのでしょうね。
夢を目標に変え、正解を自ら作り出す生き方
モデルプレス:モデルプレス読者の中でもいま様々な夢を追いかけている方もいると思います。夢を叶える秘訣を教えてください。葛川社長:小学校の時、「世界平和」のために政治家や博士、社長になりたかったんです。でも勉強が得意ではなかったことから「社長」なら実現可能だということに気づきました。
とはいえ先立つものが無くてはリスクが大きい…と思い続け、サラリーマン経験を10年以上してからの独立になりました。もっと早くに起業をしておけば良かったのに、と言う気持ちもあります。
当時の自分に言うならば、「夢を夢のままにするな」「夢を追いかけるなら、目標に置き換えろ」「選択肢や結果を正解にしろ」と伝えたいですね。「目標が独立」と決まっていたら、「だったらこの業態・職種が一番起業しやすいでしょ」といったような職場選びが出来たと思うので。ただ、そんな自分の現状も否定せず、受け入れて正解にしていこうとも思います。
モデルプレス:「夢を目標に置き換えろ」という言葉は、漠然とした憧れを抱くすべての人にとって、明日からの一歩を変える強烈な指針となります。 目標から逆算して考えると自然と歩むべき道は明確なっていく、経営者として先をいく立場だからこそ、今目指すものがある人々に刺さる具体性のあるメッセージだと思います。
期待値は超えるもの、自責で成長し続ける仲間求む
モデルプレス:最後に求める人物像について教えてください葛川社長:誠実で約束を守り、自責思考で働ける人です。相手の期待値を超えて当たり前だと思える、そんなプロフェッショナルと一緒に働きたい。成長したい、新規事業をやりたいという野心のある方を求めています。
モデルプレス:単なる労働力ではなく、同じ志を持って高い壁を乗り越えていける仲間を求めている。このフェーズのオイシル社に参画することは、急成長企業のコアメンバーとして、自分の手で事業と組織を創り上げるという、何物にも代えがたい冒険へのチケットを手に入れることと同義だと感じました。自身の可能性を信じ、本気でビジネスに没頭したい人にとっては、これ以上ない舞台だと思います。
株式会社オイシルについて
株式会社オイシルは、全国のスーパー・生鮮業界向けに特化した人材紹介事業「オイシルキャリア」を運営。「美味しいを身近に」をミッションに、毎期増収増益の黒字経営。「生鮮業界の頼れるパートナーになる」をビジョンに、新規事業も準備中。求人広告や派遣事業など新たな事業展開も準備している。まとめ
高卒で飛び込んだ市場での下積み、営業での挫折と再生を経て、今や業界のニッチトップを走る葛川社長。その経営手腕は、泥臭い現場経験と、冷徹なまでの仕組み化の融合によって支えられている。「食」という絶対に無くならないインフラを舞台に、合理的な評価制度と熱い想いで急成長を続ける同社は、自らの手で未来を切り拓きたいと願う人材にとって、最高のフィールドとなるでしょう。「REAL VALUE」とは
「REAL VALUE」はビジネスの第一線で活躍し続ける堀江貴文・溝口勇児・三崎優太が認める各領域のトップ経営者だけを厳選して始動した経営エンターテイメント番組。堀江・三崎の公式YouTubeにて配信中。3人に認められる他、限られた人だけが入会できる「REAL VALUE CLUB」は、あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。堀江・溝口・三崎を筆頭に各領域のトップ経営者とリアルで繋がれる他、コンテンツ動画を月2~4回配信(アーカイブが見放題)、ファウンダー&マネジメントチーム及び事務局からビジネスアイデアの提供など、経営をアップデートするためのノウハウを提供していく。(modelpress編集部)
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