井上大輔氏(提供画像)

【クエシス・井上大輔氏】AI×人材の独自領域を開拓“ギフテッド的”CEOの戦略「制約があるからこそ」見えた可能性<REAL VALUE×モデルプレス連動>

2025.04.17 19:00

堀江貴文・溝口勇児・三崎優太による経営エンターテイメント番組「REAL VALUE」と「モデルプレス」の共同インタビュー企画。今回は合同会社クエシスのCEO・井上大輔氏に、生い立ちやこれまでの経緯、成功を掴むまでのエピソード、ビジネスで大切なことを聞いた。

「REAL VALUE」は堀江貴文・溝口勇児・三崎優太の3人と各業界のスペシャリストが、本物の起業家を見極め、悩めるすべてのビジネスパーソンに“本当の価値と、本質的な学び”を説いていく番組(※堀江・三崎公式YouTubeで配信中)。

合同会社クエシスは、「世の中から無駄をなくし、効率的な社会を実装する」をビジョンに掲げ、2024年10月に設立。ITコンサルティングと生成AI導入支援を主軸としながら、「AI×人材」という独自領域での事業拡大を目指す。

これまでの生い立ちから現在にいたるまで

井上大輔氏(提供画像)
【井上氏】周囲から見ればめちゃくちゃ変わった子どもだった私は、授業中は集中できず話してばかりで、通知表はテスト結果に比べて常に悪かったです。一方で知的好奇心は旺盛で、くもん式では5年生で高校数学の課題に取り組んでおり、国立大学の先生に「今すぐ大学へ」と言われるほどでした。今思えばギフテッド的特性があったのかもしれませんが、当時はそうした認識もなく育ちました。

 人生の大きな転機は大学3年で始まった原因不明の体調不良でした。全身の倦怠感で動けない日も多く、東京就職を諦め地元メーカーに就職。ここで私は重要な思考法を身につけます。「制約条件下での最適化」です。

 メーカーでは「世の中の非効率さ」という生涯のテーマと出会いました。PCはデフォルトで利用する環境、紙ベースの業務フローに衝撃を受けたのです。「このシステム、設計からやり直したほうが早いです」—入社3年目に会議で発言した言葉に、会議室が静まり返りました。既存の設計の問題点をデータで示し、上司の説得し新規モデル開発を担当。結果、従来の半分の工数で2倍の安定性を実現し、社内論文でも最優秀賞で表彰されるなどの実績に繋がりました。この経験で「既存の枠組みを疑い、データで説得し、実行する」という私の行動パターンが確立されました。

 本やパズルへの没頭、何かを徹底的に考え抜く集中力は子どもの頃からの特性ですが、社会人になってからはそれが爆発的に広がりました。学校教育がなくなり自由に探求できるようになったからです。図書館で様々なジャンルの本を読み漁る習慣も定着しました。

 体調が回復した30歳を過ぎた頃に、「最後のチャンス」と決意し東京へ。未経験からデータ分析とAIの世界に飛び込みました。分析コンサルティング会社でのキャリアは、ビッグデータ分析や週一レポーティングなどの経験を積む事で、私のスキルを飛躍的に高めてくれました。その後フリーランスとして大手企業の分析組織立ち上げなどにも携わる中、生成AIの可能性に早くから気づき、「これが労働市場を変える」と確信。人材業界で活躍する中里との出会いが「AI×人材」という新たな挑戦への扉を開き、合同会社クエシスの共同創業へと繋がりました。

事業内容について

【井上氏】弊社は、最先端の生成AI技術を駆使した業務効率化支援と、AI人材に特化した革新的な人材紹介サービスの展開を推進しています。当社の最大の競争優位性は、データサイエンティスト・エンジニアと人材業界で実績を持つプロフェッショナルという、業界では類を見ない共同創業体制にあります。

 データサイエンスの専門知識と実装経験を活かし、単なる理論ではなく実際に使える形でソリューションを提供できることが強みです。顧客に寄り添い、ミスマッチを減らし、最適な形でAI技術を導入することで、具体的な業務改善と効率化を実現しています。

 また、士業事務所との戦略的提携により、IT・AI活用支援のパッケージサービスを構築している点です。これにより短期間での顧客基盤を広げることに成功しました。今後はこの基盤を活かし、急速に需要が高まりつつある「生成AI人材」の育成と最適配置を担う、独自のポジションを確立していきます。

会社成長の要因

【井上氏】当社の成長の原動力は「課題を本質から解決するデータ駆動アプローチ」です。創業一期目ながら、このアプローチで顧客のワークフロー効率化やマーケティング効果向上に貢献しています。

 具体的には、AIとワークフローツールの組み合わせによる単純業務の95%削減、マーケティング施策の反応率2.5倍向上など、複数のプロジェクトで数字として成果を証明。特に複合的な課題に対して、AIと他テクノロジーの最適組み合わせを提案し、40%以上の業務効率化を実現しています。

 これらの成果は、私のデータサイエンスのスキルと、共同創業者の営業・人材領域での知見が相乗効果を生み出した結果です。AIを手段として正しく位置づけ、本質的な課題解決にフォーカスすることで、今後も持続的な成長を実現していきます。

仕事で心がけていること

井上大輔氏(提供画像)
【井上氏】私が仕事で最も大切にしているのは、仕組み化と効率化です。どんな業務も「もっと効率的にできないか」という視点で常に見直し、改善点を探しています。これは単なる作業効率化だけでなく、組織やプロセス全体の最適化につながると考えています。

 また、新しいことや変化を常に受け入れることも重視。特にAIやテクノロジーの分野は日々進化しているため、固定観念に囚われず、常に学び続ける姿勢が不可欠です。

 意思決定においては、状況に応じて迅速に判断することを心がけています。ただし、その判断は統計的根拠に基づいたKPI設計など、データドリブンなアプローチが基盤です。中長期を見据えた事業戦略を持ちつつも、短期的に成果が出ないからといって諦めるのではなく、リーンスタートアップ的な発想で試行錯誤しています。ダメならサンクコストに囚われず潔く方向転換する柔軟さも大切だと考えています。

頑張る原動力になっているもの

【井上氏】私の原動力は、「自分にしかできないこと」を追求することです。少なくとも自分が所属している組織内で、他の誰もできないことを見つけ、それを実現していくことにやりがいを感じています。

 また、新しいことを学び続けることも大きな原動力です。特に難しいことにチャレンジし、それを解決するための思考プロセスを設計することに喜びを感じます。アイデアを具現化するために思考を巡らせる時間は、私にとって最も充実した時間の一つです。

 社会人になってからは、学校教育がなくなったことで自由に勉強できるようになり、本来持っていた知的好奇心を満たすことが習慣化しました。図書館に通って様々なジャンルの本を借りて読むことを長年続けてきました。

 大学3年から始まった体調不良の経験も、逆説的ですが原動力に。「この症状がなければもっと早く色々な決断ができたかも」と思うこともありますが、この経験によって「多少のことではめげないマインド」が定着しました。限られた調子の良い時間を最大限に活用する思考法が身についたとも言えます。

 また、チームメンバーの頑張りに報いることや、顧客に徹底的に価値を提供することも、私を突き動かしています。人々がテクノロジーを使いこなし、より創造的な活動に時間を使える社会を作りたいという思いが、日々の原動力になっています。

「REAL VALUE CLUB」(※)に参加を決めた理由

【井上氏】最大の理由は、溝口さんのカリスマ性に触れたことです。また、早い段階での参画ということもあり、これから間違いなく伸びていくコミュニティの一員になれるという確信がありました。

 MAFIAと呼ばれる起業家や他の経営者と直接交流し、高い視座からのインプットを得られる点も大きな魅力でした。濃い本質的な一次情報にアクセスできる場は非常に貴重だと感じています。

 弊社はまだ一期目の企業ですので、効率的に事業をグロースさせていくための知見やネットワークを求めていました。REAL VALUE CLUBはそうしたニーズにぴったりのコミュニティだと思います。

 また、単に参加して学ぶだけでなく、クラブ自体の盛り上げにも貢献していきたいと考えています。私自身のデータサイエンスやAIの知見を共有することで、コミュニティの価値向上にも寄与できればと思っています。

(※)「REAL VALUE CLUB」は、堀江貴文・溝口勇児・三崎優太の3人に認められる他、限られた人だけが入会できるもの。あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。

人生で怒りや悲しみを乗り越えたエピソード

井上大輔氏(提供画像)
【井上氏】私の人生で最も長く向き合ってきた困難は、大学3年から始まった原因不明の体調不良です。ある日突然、激しい倦怠感や疲労感といった謎の症状に襲われるようになりました。朝起きても全身に倦怠感がまとわりついて、まったく動けない日もありました。

 外見からはわからない症状だったため、周囲の理解を得ることも難しく、「なぜ自分が」という思いで悲嘆にくれた時期もありました。就職活動の際も症状は回復せず、東京での就職を諦め、地元のメーカーに就職することを選びました。

 長年この症状と向き合い続ける中で、自分なりの対処法を模索してきました。今は症状が回復していますが、過去には調子の良い時間を見極め、その限られた時間で最大限の成果を出すことを意識するようになりました。

 この経験から学んだのは「制約の中での最適化」の大切さです。理想的な状況ではなくても、与えられた条件の中で何ができるかを考え、実行に移す力が身につきました。また、「多少のことではめげないマインド」も定着し、メンタル的な安定性が向上したと感じています。

 症状と付き合いながらも、自分のできる限りを尽くして成功体験を積んでいったことで、「自分にしかできないことをやっていきたい」「失われた時間を取り戻したい」という思いが強まり、それがキャリアアップや独立、起業の原動力にもなりました。

 この経験を通じて、「制約があるからこそ見えてくる可能性がある」と気づきました。視野を狭めるのではなく、むしろ集中すべき領域を明確にしてくれるからです。今振り返ると、この体調問題があったからこそ、効率性への執着が生まれ、それが今の事業の核心にもなっているのだと思います。

 困難に直面している方へ伝えたいのは、どんな苦しみも、それを乗り越えるプロセスで得る知恵や強さが、必ず将来の糧になるということです。諦めずに自分なりの道を模索し続けてください。

クエシス・井上大輔氏の「夢を叶える秘訣」

井上大輔氏(提供画像)
【井上氏】夢を叶えるための秘訣は、「データと直感のバランス」だと私は考えています。データサイエンティストとして、常に数字や事実に基づいた判断を大切にしてきました。しかし同時に、データだけでは捉えきれない直感的な「これは行けるはずだ」という感覚も大切にしています。

 また、「制約をバネにする」考え方も重要です。私の場合、体調不良という制約があったからこそ、「限られた時間で最大の効果を出す」ことを徹底的に考えるようになりました。 これが効率化への執着となり、今のビジネスのコアコンピタンスになっています。あなたが今直面している制約や障壁も、見方を変えれば特別な強みになる可能性があります。

 「継続的な学習とアウトプット」も欠かせません。社会人になってからも図書館で様々な本を読み、知識を吸収し続けてきました。特に新しい技術や考え方を学ぶことで、常に自分の可能性を広げることができます。学びを行動に移し、実践の中で更に学ぶ―このサイクルが夢への道を切り開いていきます。

 さらに、「自分にしかできないことを見つける」ことも大切です。誰もが同じことをしていては、競争の波に飲まれてしまいます。自分だけの独自の組み合わせ―私の場合はデータサイエンスのスキルと効率化への執着―を見つけることで、誰にも真似できない価値を提供できるようになります。

 最後に、「挑戦する勇気」を持ってください。私も30歳を過ぎてからのキャリアチェンジ、そして起業という道を選びました。「もっと早く始めていれば」という思いもありましたが、「今からでも遅くない」と踏み出す勇気が、夢を現実に変えていくのだと思います。

 夢に向かって歩んでいる皆さん、道のりは決して平坦ではないかもしれません。しかし困難があるからこそ、それを乗り越えた先に他の誰も見たことのない景色が待っているのです。

求める人材像

【井上氏】私たちが求めているのは、何よりも「能動的に自律的に動ける人」です。指示を待つのではなく、自ら考え、課題を見つけ、解決に向けて行動できる方と一緒に働きたいと思っています。

 また、「新しいことを積極的に学び取り入れる姿勢」も重視しています。特にAIやテクノロジーの世界は日々進化しているため、常に学び続ける好奇心と柔軟性が不可欠です。変化が激しい環境に柔軟に対応できる適応力を持った方を歓迎します。

 チームワークの観点からは、「メンバー全員のために貢献できる」姿勢と「顧客のベネフィットを考えられる」視点を持った方を求めています。どんなに優れたスキルや知識があっても、それを組織や顧客のために活かせなければ意味がありません。

 実行力も重要な要素です。どんなに素晴らしいアイデアも、実際に行動に移す力がなければ価値を生みません。「決断力」と「自分の意思を持っている」ことも大切にしています。

 私たちは様々な知見を持ち、深い洞察力を備えた人材とともに成長していきたいと考えています。テクノロジーと人間性のバランスを大切にし、世の中から無駄をなくし、効率的で創造的な社会の実現に共に挑戦してくれる仲間を待っています。

合同会社クエシスについて

「世の中から無駄をなくし、効率的な社会を実装する」をビジョンに掲げる「合同会社クエシス」。大手企業の分析基盤構築を手がけたデータサイエンティストの井上氏が数ヶ月前に創業した。現在はITコンサルティングと生成AI導入支援を主軸としながら、「AI×人材」という独自領域での事業拡大を目指す。データ分析の専門性と人材業界の知見を融合させ、企業の業務効率化と人材最適化の両面からアプローチ。「技術と人間性のバランスが未来を作る」という信念のもと、AIと人間の共創を追求している。

「REAL VALUE」とは

「REAL VALUE」はビジネスの第一線で活躍し続ける堀江貴文・溝口勇児・三崎優太が認める各領域のトップ経営者だけを厳選して始動した経営エンターテイメント番組。堀江・三崎の公式YouTubeにて配信中。


3人に認められる他、限られた人だけが入会できる「REAL VALUE CLUB」は、あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。堀江・溝口・三崎を筆頭に各領域のトップ経営者とリアルで繋がれる他、コンテンツ動画を月2~4回配信(アーカイブが見放題)、ファウンダー&マネジメントチーム及び事務局からビジネスアイデアの提供など、経営をアップデートするためのノウハウを提供していく。(modelpress編集部)

【Not Sponsored 記事】

もっと詳しくみる

あわせて読みたい

  1. 【アールイー・堀内宏彰氏】泥臭い努力があれば誰でも稼げるー 不動産営業で月収200万超も輩出“ドラゴン社長”の理念とは<REAL VALUE×モデルプレス連動>

    モデルプレス

  2. 【THE RICH・三浦裕太氏】人生の暗闇を抜け、“シルク”でヘアケア業界席巻 驚異的な成長を支えた「夢を叶える秘訣」<REAL VALUE×モデルプレス連動>

    モデルプレス

  3. 【ポスティングHD・杉尾和洋氏】チラシの半分が破棄―― 業界の闇に挑む革命児 「批判や逆風は挑戦の証」信念支えた格言明かす<REAL VALUE×モデルプレス連動>

    モデルプレス

  4. 【シンゲキ・菅澤孝平氏】“偏差値32から人生大逆転”の教育メソッドとは?19歳で起業「鬼管理専門塾」が累計生徒数2,000名超に<REAL VALUE×モデルプレス連動>

    モデルプレス

  5. 【ネクストパートナー・田中礼央氏】年収1000万は通過点― “元・非行少年”が周りの自己実現を目指す理由「経営者としての存在価値は…」<REAL VALUE×モデルプレス連動>

    モデルプレス

  6. 【テクニケーション・西田拳氏】IT業界の不合理を排除し、新しい実力主義を―“陰キャ”脱却・起業に至った背景に迫る「客観的に見れば詰んでいた」<REAL VALUE×モデルプレス連動>

    モデルプレス

おすすめ記事

SPECIAL NEWS

記事ランキング

RANKING

  1. 01

    【正翔会・大西正嗣氏】挫折が導いた“歯学の道” スタッフ離脱、失明危機も業界に恩返し誓う理由「視点を変えると違う景色が…」<REAL VALUE×モデルプレス連動>

    モデルプレス

  2. 02

    【ネクストライブ・狗巻雄介氏】波乱万丈な半生も“冒険心”と“使命感”でIT業界へ挑戦状 エンジニア育成に秘めた真のミッションとは<REAL VALUE×モデルプレス連動>

    モデルプレス

  3. 03

    【ポスティングHD・杉尾和洋氏】チラシの半分が破棄―― 業界の闇に挑む革命児 「批判や逆風は挑戦の証」信念支えた格言明かす<REAL VALUE×モデルプレス連動>

    モデルプレス

  4. 04

    【シンゲキ・菅澤孝平氏】“偏差値32から人生大逆転”の教育メソッドとは?19歳で起業「鬼管理専門塾」が累計生徒数2,000名超に<REAL VALUE×モデルプレス連動>

    モデルプレス

  5. 05

    【クエシス・井上大輔氏】AI×人材の独自領域を開拓“ギフテッド的”CEOの戦略「制約があるからこそ」見えた可能性<REAL VALUE×モデルプレス連動>

    モデルプレス