「100万回 言えばよかった」磯山P、佐藤健の演技が「恋つづ」から変化 印象的だった場面明かす<インタビュー>
2023.03.10 07:00
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女優の井上真央が主演を務めるTBS系金曜ドラマ「100万回 言えばよかった」(毎週金曜よる10時~)の第9話が10日に放送される。放送を前に今作を手掛ける磯山晶プロデューサーがモデルプレスらの取材に応じ、井上をはじめとする俳優陣との制作裏話について明かした。
本作は、井上が演じる突然恋人を亡くした女性・相馬悠依と、佐藤健演じる事件に巻き込まれ亡くなって魂となってしまった彼氏・鳥野直木、そして松山ケンイチが演じる霊媒の能力がある刑事・魚住譲が、運命に翻弄されながらも奇跡を起こそうと奮闘するファンタジーラブストーリー。
磯山:台本に対する理解力がすごく深くて、「このままだと直木さんや譲さんが不自然になっちゃうかも、だったら私がこうしますよ」など提案してもらうこともあります。方向性についても的確だし、悠依というキャラクターの造形をブレずに表現されますね。頭が良い方ですし、何よりも可愛い、本当に稀有な女優さんだと思います。
磯山:最初はどんな幽霊のシーンを観たいか想像して、思った場所にいなかったり、すり抜けられたり、どうせなら観た人がくすっと笑うようなシーンを作ろうとアイデアを出し合っていたんですが、最近は気持ちが伝えられないことの悲しさや、もはや現世に戻れないことに「じゃあどうしたら良いか」と考えていることが多いです。最終回に向けて、より内面的にどうするべきか話しています。
磯山:幽霊から離れないと命を落とすという話になって台本としても難しかったんですけど、それとともに視聴者の皆さんが譲への共感度が高まってきていて、作り手と視聴者の気持ちは同じです(笑)。もちろん悠依と直木のカップルは大事なのですが、お芝居としても譲が空気を変えることで2人が救われることが多いので、巻き込まれキャラであり、最高の癒やしな存在、その上犯人も逮捕してくれるという何度でも美味しい役です。
― 譲が直木に憑依されるシーンも視聴者の間で話題ですよね。
磯山:あのシーンは、佐藤さんが一度全て演じてみて、それを見て松山さんがやるんです。1回だけ見てやる松山さんはすごい。その後に「あれは似てたね」と言ったら「あれは健くんがわざとやってくれたんだと思います」とか、役者同士の信頼関係の成せる技だと思います。
磯山:事件の鍵を握りつつも、ずっと喋っちゃいけない、すごく難しい役だったので、演技力はもちろんですが、皆さんが観たい方じゃなきゃダメだなと思っていたんです。そこで「恋はつづくよどこまでも」(2020)のときもすごく頼りになったし、圧倒的な華がある方なので、香里奈さんにお願いした次第です。6話で車に乗せられてしまうときに見せた微笑みが良かった。多く喋ってはいけないし、どちらかに振ってもいけない役なので難しかったと思うんですけど、あの笑顔は本当に良かったと思います。
― その表情は演出でしょうか?それとも自然に出たものなのでしょうか?
磯山:本当は悠依に話したいけど、危険を感じて潜伏せざるを得なくて…という状況で、多分ちょっと心が解けるような顔をイメージしていました。イメージは「天城越え」(1983)で連れ去られるときの田中裕子さんみたいな感じなんですけど、本当にそういう顔だったからすごいですね。本人にお話してないと思うんですけど、絶妙な表情でした。
磯山:井上さんは、4話で「絶対に許さない」という感情を表すシーンがすごかった。泣いたり叫んだりしているわけではないのに、めちゃくちゃ気持ちが伝わりましたし、最終回の井上さんもすごい予感がしていますので楽しみです。
― 悠依の幼少時代を演じている新井美羽さんはどのようにキャスティングされたのでしょうか?
磯山:新井さんも含めたオーディションで、皆さん可愛らしかったのですが、井上さんに似ている上に、お芝居が上手で可愛い、いろいろな条件を全て兼ね備えていたのが彼女でした。井上さんにリハーサルを一度見てもらったんですが、直木の幼少時代を演じている坂元愛登くんも上手なので、井上さんは「もっとあの子たちのパートを長くすればいいのに」とずっと言っています(笑)。「似てるな」「あんなにピュアな演技、私にはできないからあの子達をもっと出せばいいのに」と(笑)。
― 佐藤さんにはご自身発信でそういった表情を作られているのでしょうか?
磯山:いや、もちろん台本上でそういう話になっているから、役作りだと思うんですけど、やっぱりそこですごい顔をするから、そこを長く使ってますね。やっぱり演出家は見たことのない顔を撮りたくなっちゃう生き物なので(笑)。
あと、松山さんは、2話での泣いている悠依にティッシュを差し出すところ。台本にそんなことは書いていなかったんですけど、ご自身での「こうしたい」というのがあって、それがすごくハマって優しさに繋がることがあるので、すごく救われていることがあるんです。あとは5話で「僕は意外と尽くすタイプですよ」と言ってる顔とかはちょくちょく色っぽいところがあって良いですね(笑)。
― お三方ともご自身で意見を提案されることは多いですか?
磯山:アドリブも松山さんが一番多いです。ちょっとしたことを常に仕掛けてくるのですが、松山さんが何か言うと、みんなすごく上手く乗っかるのですごいです。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
そんな中、英介は20年前のこと、そして直木との間に何があったのかを語り始め…。
井上真央は「本当に稀有な女優さん」
― 井上さんとは初めてご一緒されましたが、実際に接してみて新たに感じた魅力や撮影中の会話を教えてください。磯山:台本に対する理解力がすごく深くて、「このままだと直木さんや譲さんが不自然になっちゃうかも、だったら私がこうしますよ」など提案してもらうこともあります。方向性についても的確だし、悠依というキャラクターの造形をブレずに表現されますね。頭が良い方ですし、何よりも可愛い、本当に稀有な女優さんだと思います。
“幽霊役”佐藤健と話し合ったこと
― 佐藤さんとは、幽霊を演じる上でお話されたことや撮影しながら作り上げていったものはありますか?磯山:最初はどんな幽霊のシーンを観たいか想像して、思った場所にいなかったり、すり抜けられたり、どうせなら観た人がくすっと笑うようなシーンを作ろうとアイデアを出し合っていたんですが、最近は気持ちが伝えられないことの悲しさや、もはや現世に戻れないことに「じゃあどうしたら良いか」と考えていることが多いです。最終回に向けて、より内面的にどうするべきか話しています。
佐藤健&松山ケンイチの“憑依シーン”裏話告白
― 松山さんが演じる譲はSNS上でも人気のキャラクターとして話題ですが、磯山さんから見た印象はいかがでしょうか?磯山:幽霊から離れないと命を落とすという話になって台本としても難しかったんですけど、それとともに視聴者の皆さんが譲への共感度が高まってきていて、作り手と視聴者の気持ちは同じです(笑)。もちろん悠依と直木のカップルは大事なのですが、お芝居としても譲が空気を変えることで2人が救われることが多いので、巻き込まれキャラであり、最高の癒やしな存在、その上犯人も逮捕してくれるという何度でも美味しい役です。
― 譲が直木に憑依されるシーンも視聴者の間で話題ですよね。
磯山:あのシーンは、佐藤さんが一度全て演じてみて、それを見て松山さんがやるんです。1回だけ見てやる松山さんはすごい。その後に「あれは似てたね」と言ったら「あれは健くんがわざとやってくれたんだと思います」とか、役者同士の信頼関係の成せる技だと思います。
“キーパーソン”香里奈の演技に圧倒されたこと
― キーパーソンでもある尾崎莉桜役を演じている香里奈さんに新たに感じた魅力はありますか?磯山:事件の鍵を握りつつも、ずっと喋っちゃいけない、すごく難しい役だったので、演技力はもちろんですが、皆さんが観たい方じゃなきゃダメだなと思っていたんです。そこで「恋はつづくよどこまでも」(2020)のときもすごく頼りになったし、圧倒的な華がある方なので、香里奈さんにお願いした次第です。6話で車に乗せられてしまうときに見せた微笑みが良かった。多く喋ってはいけないし、どちらかに振ってもいけない役なので難しかったと思うんですけど、あの笑顔は本当に良かったと思います。
― その表情は演出でしょうか?それとも自然に出たものなのでしょうか?
磯山:本当は悠依に話したいけど、危険を感じて潜伏せざるを得なくて…という状況で、多分ちょっと心が解けるような顔をイメージしていました。イメージは「天城越え」(1983)で連れ去られるときの田中裕子さんみたいな感じなんですけど、本当にそういう顔だったからすごいですね。本人にお話してないと思うんですけど、絶妙な表情でした。
井上真央の表情に引き込まれた瞬間
― 井上さん、佐藤さん、松山さんの表情に引き込まれたシーンを教えてください。磯山:井上さんは、4話で「絶対に許さない」という感情を表すシーンがすごかった。泣いたり叫んだりしているわけではないのに、めちゃくちゃ気持ちが伝わりましたし、最終回の井上さんもすごい予感がしていますので楽しみです。
― 悠依の幼少時代を演じている新井美羽さんはどのようにキャスティングされたのでしょうか?
磯山:新井さんも含めたオーディションで、皆さん可愛らしかったのですが、井上さんに似ている上に、お芝居が上手で可愛い、いろいろな条件を全て兼ね備えていたのが彼女でした。井上さんにリハーサルを一度見てもらったんですが、直木の幼少時代を演じている坂元愛登くんも上手なので、井上さんは「もっとあの子たちのパートを長くすればいいのに」とずっと言っています(笑)。「似てるな」「あんなにピュアな演技、私にはできないからあの子達をもっと出せばいいのに」と(笑)。
佐藤健の「恋つづ」からの変化で“印象的”だった部分
磯山:佐藤さんは7話で譲に「ありがとう」と伝えたときの顔がすごかったです。「恋はつづくよどこまでも」をやっていたときの強めなお芝居じゃなくて、今回は幽霊ですが、本当に死んだらどうするかというリアルな感じでやってくださっていると思います。脱力というか弱気というか、何でもできるはずなのに何もできない、新しい感じがします。6話での「ただ悠依には笑っていて欲しい。それだけ」というときの顔も見たことない。やっぱり弱い表情が印象的です。― 佐藤さんにはご自身発信でそういった表情を作られているのでしょうか?
磯山:いや、もちろん台本上でそういう話になっているから、役作りだと思うんですけど、やっぱりそこですごい顔をするから、そこを長く使ってますね。やっぱり演出家は見たことのない顔を撮りたくなっちゃう生き物なので(笑)。
あと、松山さんは、2話での泣いている悠依にティッシュを差し出すところ。台本にそんなことは書いていなかったんですけど、ご自身での「こうしたい」というのがあって、それがすごくハマって優しさに繋がることがあるので、すごく救われていることがあるんです。あとは5話で「僕は意外と尽くすタイプですよ」と言ってる顔とかはちょくちょく色っぽいところがあって良いですね(笑)。
― お三方ともご自身で意見を提案されることは多いですか?
磯山:アドリブも松山さんが一番多いです。ちょっとしたことを常に仕掛けてくるのですが、松山さんが何か言うと、みんなすごく上手く乗っかるのですごいです。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
「100万回 言えばよかった」第9話あらすじ
悠依(井上真央)は尋常じゃない英介(荒川良々)の様子に慄然としながらも、平静を装い会話を続けていた。そのとき、直木(佐藤健)が近くにいることに気づいた悠依は、緊張状態は変わらないながらも心強く思う。さらに、譲(松山ケンイチ)も近くで悠依を助ける機会を伺っているが、悠依に危険が及ぶ可能性があり動けずにいた。そんな中、英介は20年前のこと、そして直木との間に何があったのかを語り始め…。
【Not Sponsored 記事】