「ファインディング・ドリー」一番大変だったキャラクターは?“特別なチーム”結成で作り上げたこだわり<ピクサー・アニメーション・スタジオ取材Vol.7>
2016.08.15 12:00
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第76回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞し、日本でもディズニー/ピクサー歴代興収No.1を記録した『ファインディング・ニモ』の続編、『ファインディング・ドリー』が7月16日に日本にて公開された。前作の冒険から1年後の世界を描く本作は、忘れんぼうのドリーがただひとつ忘れなかった“家族の思い出”を探すため、ドリーの家族の秘密をめぐって、新旧キャラクターたちが大冒険を繰り広げていくストーリー。モデルプレスは今回、その『ファインディング・ドリー』が制作された米カリフォルニア「ピクサー・アニメーション・スタジオ」で取材を行い、“夢が叶う場所ピクサー”の秘密に迫った。
“一生懸命”なドリーの姿が感動を呼ぶストーリー
主人公はナンヨウハギのドリー。忘れんぼうのドリーが唯一忘れられなかった“家族の思い出”と、その秘密を求めて、海の生物にとっては禁断の場所である人間の世界で大冒険を繰り広げていく。その目的さえ自分で覚えていられないほど、相変わらず忘れんぼうのドリーだが、それでもあきらめないで海を泳ぎ続ける“一生懸命”なドリーの姿は、観る者に感動と勇気を与えてくれる。
Vol.7は、“夢が叶う場所ピクサー”にて魅力的なキャラクターを生み出す、仕事熱心で一生懸命なクリエーターたちのインタビューをお届け。モデルとして夢を実現中のAmyが直撃!
魅力的なキャラクターたち 一番大変だったキャラクターは、タコのハンク!
『ファインディング・ドリー』には前作同様、魅力的なキャラクターがいっぱい。今回の主人公ナンヨウハギの忘れんぼうのドリーをはじめ、ドリーの冒険を手助けするカクレクマノミのニモと父マーリン。そして注目は、ドリーたちが冒険の途中で人間の世界で出会うタコのハンクとジンベエザメのデスティニー。個性豊かな仲間たちが新たに登場する。とりわけタコのハンクは、今回のドリーの冒険にとって欠かせない存在だ。自身の体の色や形を自在に変える擬態の能力を駆使して植物や壁のポスター、階段の手すりなどありとあらゆるものになりすまし、ドリーの敵か味方か思わせぶりな言動を続けながら、ドリーとともに人間の世界を縦横無尽に動き回る。
よくよく見ると足が7本しかなく1本足りないなど、ミステリアスにしてストーリー上も重要なキャラクター。そして、このハンクの創造こそ「一番大変だったよ(笑)」とジェイソン・ディーマー(キャラクター・アート・デザイン)と、マイク・ストッカー(スーパーバイジング・アニメーター)の2人は述懐する。
取材中でも常にスケッチ!努力を惜しまないピクサーのクリエーター
ディーマー氏とストッカー氏はハンクというキャラクターを作り上げるために、モデルとなるタコをリサーチしてアニメーションにするデザインなど担当した。特にハンクは350個の吸盤があり、複雑な動作をする触手が7本もあるので、「アニメーターにとっては多分ほかのショットをよりも、ハンクのショットに2~3倍の時間がかかっていると思う」(ストッカー氏)と苦労を明かす。ハンクを担当するためだけの、特別なチームもいたほどだと言う。その地道な努力のかいがあって、ハンクはリアルなパフォーマンスをする魅力的なキャラクターに。そしてキャラクターをデザインする際に最初にすることは、「その生き物についてできる限り知る、ということです。デザインのインスピレーションとなるビジュアル面での情報を得るようにしています」と語るディーマー氏は、取材中でも常にスケッチ!ピクサーのクリエーターとして第一線で活躍する人たちは決して努力を惜しまない。
2人に聞いた!「夢を叶える秘訣」は?
ジェイソン・ディーマー氏(キャラクター・アート・デザイン)「僕は絵を描くプロセスにたとえて話すよ。なぜなら、僕が一番よく知っているのは、そのことだからね。僕のちょっとしたアドバイスは、いくら失敗しても大丈夫だということだよ。プロのアーティストでさえ、ひとつの良いドローイングを仕上げるために、100個もの悪いドローイングを描かないといけないわけだからね。だから成功するために、“自分自身に失敗させる”ということを僕は本当に学んだんだよ。一番上のレベルの人たちでさえ、失敗するんだからね。なにか良いものを作り出そうとしてね」。
マイク・ストッカー氏(スーパーバイジング・アニメーター)
「そうだね。僕らがここでやっていることは、特に楽しいことだ。僕らは本当に自分たちの仕事が大好きだ。自分たちのしていることが大好きなんだよ。でもとても大変な仕事だ。誰もがすごく情熱を持っていて、一生懸命に働いている。チャレンジが大好きで、ひとつのところにとどまっていたりしない。みんな本当にすごく一生懸命に働くんだ。こういう話は良いアドバイスになると思うよ」。
取材を終えて~Amyの感想~
取材を終えたAmyは、「マイクさんが話している間もジェイソンさんは思いついたことをスケッチしていて、すごいなあと思いました。本当に絵が好きだから描き続けているんですよね。夢の秘訣についても、好きなことを見つけて失敗を恐れないことなど、ためになるアドバイスがたくさん聞けました。夢や好きなことを見つけることって、大切なんだなって改めて思いました」と刺激を受けたようで興奮気味にコメント。一生懸命に頑張るクリエーターの姿勢を、直接体験できた取材となった様子だった。(modelpress編集部)
『ファインディング・ドリー』
日本公開日:7月16日
監督:アンドリュー・スタントン
共同監督:アンガス・マクレーン
製作:リンジー・コリンズ
製作総指揮:ジョン・ラセター
原案:アンドリュー・スタントン
<あらすじ>
「ファインディング・ニモ」の奇跡の冒険から1年。カクレクマノミのニモの親友で、何でもすぐに忘れてしまう、忘れんぼうのドリーがただひとつ忘れなかったのは家族の思い出。「今度は僕がドリーを助けてあげる」──ニモと父マーリン、そしてカメのクラッシュや個性豊かな新しい仲間たちも加わり、ドリーの家族を探す感動の冒険が始まる。その秘密を解く鍵は、海の生き物にとっての禁断の場所=人間の世界に隠されていた…。
Amy(エイミー)プロフィール
生年月日:1993年1月11日出身地:埼玉県
血液型:O
モデルとして「NYLON JAPAN」などで活躍。
【Not Sponsored 記事】