原島朋幸氏(撮影:Kaori Suzuki)

ピクサーで働く日本人スタッフ 脱サラ後、夢を追う「負けたと思っていなければ、負けじゃない」<ピクサー・アニメーション・スタジオ取材Vol.5>

2016.08.08 12:00

第76回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞し、日本でもディズニー/ピクサー歴代興収No.1を記録した『ファインディング・ニモ』の続編、『ファインディング・ドリー』が日本にて公開中。前作の冒険から1年後の世界を描く本作は、忘れんぼうのドリーがただひとつ忘れなかった“家族の思い出”を探すため、ドリーの家族の秘密をめぐって、新旧キャラクターたちが大冒険を繰り広げていくストーリー。モデルプレスは今回、その『ファインディング・ドリー』が制作された米カリフォルニア「ピクサー・アニメーション・スタジオ」で取材を行い、“夢が叶う場所ピクサー”の秘密に迫った。

  

“一生懸命”なドリーの姿が感動を呼ぶストーリー

主人公はナンヨウハギのドリー。忘れんぼうのドリーが唯一忘れられなかった“家族の思い出”と、その秘密を求めて、海の生物にとっては禁断の場所である人間の世界で大冒険を繰り広げていく。その目的さえ自分で覚えていられないほど、相変わらず忘れんぼうのドリーだが、それでもあきらめないで海を泳ぎ続ける“一生懸命”なドリーの姿は、観る者に感動と勇気を与えてくれる。

Vol.5はピクサーに転職して大活躍中のアニメーター、原島朋幸(ハラシマトモユキ)氏のインタビューをお届け。

脱サラ後、ドリームワークスに その後“偶然”の転機が

原島氏は近作のピクサー作品『アーロと少年』(米‘15年公開)の制作にも参加するなど、「キャラクター・アニメーターとして彼らに命を吹き込む仕事をしています。今まで多くのキャラクターに携わりました」と自身の仕事を説明。すでに、次回作にも取り掛かっている。
 
映画『ファインディング・ドリー』より(C)2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
実は原島氏、サラリーマンを経験した後、当初はDreamWorks Animation(ロサンゼルス)で働いていたという経歴の持ち主だ。「そこに7年半くらいまして(笑)。ある時期、サンフランシスコ郊外のスタジオがクローズすることになって、今度はLAのほうに来ないかと打診されました」。しかし、新しいことに興味が強まっていた原島氏は、念願でもあった「ピクサー・アニメーション・スタジオ」へ応募することに。「もともとピクサーに行ってみたい気持ちがずっとあったので、ちょうどピクサーも『アーロと少年』(米‘15年公開)制作の追い込み時期だったので人手が必要だったんです。わたしを含め、4人が転職しました」と経緯を語る。


ドリーのように「あきらめないこと」が夢を叶える秘訣

原島朋幸氏(撮影:Kaori Suzuki)
そして、原島氏が語る「夢を叶える秘訣」は、「あきらめないこと」。
 
「あまり無責任なことは言えないですが、あきらめないことですね。あきらめたら、そこで終わりなんです。だから壁に当たっても、自分であきらめないで好きなことに向かって続けることです。大変ですけどね。でも、アニメーターにならないという選択肢は僕にはなかったし、なれるだろうって思っていた。そういう根拠のない自信を持つことも大事です。ケンカでも自分が負けたと思っていなければ、負けじゃないですよね(笑)。とにかく目標に向かっていれば、ある地点までたどり着く。努力しても報われないことがあると最近は言いますが、でも努力は絶対に裏切らないです」。
 
映画『ファインディング・ドリー』より(C)2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
前職で職を失いかけた時、“偶然”にもピクサーへ行くという素敵な転機が訪れ、あこがれだったピクサーで、キャラクター・アニメーターとしてのキャリアをリスタート。

「先のことも考えますが、いいストーリーの、いいアニメーションが作れている現状は、すごく幸せです」と目を輝かす原島氏は、まさしくハンクという偶然の出会いに助けられながら、あきらめずに泳ぎ続けて奇跡を起こした、ドリーそのものだ。(modelpress編集部)

『ファインディング・ドリー』


日本公開日:7月16日
監督:アンドリュー・スタントン
共同監督:アンガス・マクレーン
製作:リンジー・コリンズ
製作総指揮:ジョン・ラセター
原案:アンドリュー・スタントン

<あらすじ>
「ファインディング・ニモ」の奇跡の冒険から1年。カクレクマノミのニモの親友で、何でもすぐに忘れてしまう、忘れんぼうのドリーがただひとつ忘れなかったのは家族の思い出。「今度は僕がドリーを助けてあげる」──ニモと父マーリン、そしてカメのクラッシュや個性豊かな新しい仲間たちも加わり、ドリーの家族を探す感動の冒険が始まる。その秘密を解く鍵は、海の生き物にとっての禁断の場所=人間の世界に隠されていた…。

【Not Sponsored 記事】

もっと詳しくみる

あわせて読みたい

  1. ピクサーを創業当時から支える日本人女性スタッフ “夢が叶う場所”で見つけたモノ<ピクサー・アニメーション・スタジオ取材Vol.4>

    モデルプレス

  2. ディズニーを支える“新たな才能”若きクリエイターたちを直撃!「ファインディング・ドリー」で叶えた夢<ピクサー・アニメーション・スタジオ取材Vol.3>

    モデルプレス

  3. 男子が「この人と結婚するかも…」と思う瞬間5つ 将来を意識させて!

    モデルプレス for スゴ得

  4. 前田希美の“ドリーポーズ”が可愛い!XOX・バトシンも披露で真似するファン続出

    ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社

    PR
  5. ディズニー「ファインディング・ドリー」スタッフが語った“夢を叶える秘訣”特集<ピクサー・アニメーション・スタジオ取材Vol.2>

    モデルプレス

  6. 「ファインディング・ドリー」13年を経て“ニモ”から受け継ぐ物語―監督&プロデューサーを直撃<ピクサー・アニメーション・スタジオ取材Vol.1>

    モデルプレス

  7. 中村アン「ものすごく嬉しかった」ディズニーで自身初の挑戦<コメント到着>

    モデルプレス

おすすめ特集

  1. 5月のカバーモデルは映画「バジーノイズ」に出演するJO1川西拓実

    特集

  2. 「悪い、興味無いんだ」男性が脈なし女性に送るLINEの特徴4つ

    モデルプレス for スゴ得

  3. インフルエンサー影響力ランキングを発表!「モデルプレスカウントダウン」

    特集

  4. モデルプレス初の読者モデル誕生!

    特集

  5. アパレル業界を覗いてみよう!おしゃれスタッフ&求人情報もチェック

    特集

  6. 国民的推しランキング!各種エンタメにまつわる読者ランキング、読者アンケート実施中

    特集

  7. 「2024年ヒット予測」発表 エンタメ・ライフスタイルなどトレンド完全予測

    特集

  8. フジテレビ × モデルプレス Presents「"素"っぴんランキング」

    特集

  9. グルメや歴史、豊かな自然に包まれる癒しの旅「鳥取女子旅」をご紹介!

    特集

  10. ABEMAで放送中! 新感覚"キャバラエティ"『CHANCE&CHANGE』

    特集

おすすめ記事

SPECIAL NEWS

記事ランキング

RANKING

  1. 01

    「5月4日はスター・ウォーズの日!」【ディズニーフラッグシップ東京】で限定グッズを発売&記念イベント開催

    mamagirl

  2. 02

    食べるべきグルメはこれ!東京ディズニーランド®「ドナルドダックのクワッキー・ダックシティ」のおすすめメニュー14選

    macaroni[グルメニュース]

  3. 03

    「東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル」全貌公開 “魔法の泉”のほとりに立つ2棟のホテルに潜入

    モデルプレス

  4. 04

    ディズニー、ダッフィー生地のふわふわバス「ダッフィーバス」展示 愛知皮切りに各地を巡回

    モデルプレス

  5. 05

    東京ディズニーランド、映画『シュガー・ラッシュ』アトラクション化決定 2026年度以降に導入へ

    モデルプレス