サラ・サンプソン氏、マーカス・クランツラー氏、Amy、ティム・スペルツ氏(C)モデルプレス

ディズニーを支える“新たな才能”若きクリエイターたちを直撃!「ファインディング・ドリー」で叶えた夢<ピクサー・アニメーション・スタジオ取材Vol.3>

2016.07.30 12:00

第76回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞し、日本でもディズニー/ピクサー歴代興収No.1を記録した『ファインディング・ニモ』の続編、『ファインディング・ドリー』が日本にて公開中。前作の冒険から1年後の世界を描く本作は、忘れんぼうのドリーがただひとつ忘れなかった“家族の思い出”を探すため、ドリーの家族の秘密をめぐって、新旧キャラクターたちが大冒険を繰り広げていくストーリー。モデルプレスは今回、その『ファインディング・ドリー』が制作された米カリフォルニア「ピクサー・アニメーション・スタジオ」で取材を行い、“夢が叶う場所ピクサー”の秘密に迫った。

  

“一生懸命”なドリーの姿が感動を呼ぶストーリー

映画『ファインディング・ドリー』より(C)2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
主人公はナンヨウハギのドリー。忘れんぼうのドリーが唯一忘れられなかった“家族の思い出”と、その秘密を求めて、海の生物にとっては禁断の場所である人間の世界で大冒険を繰り広げていく。その目的さえ自分で覚えていられないほど、相変わらず忘れんぼうのドリーだが、それでもあきらめないで海を泳ぎ続ける“一生懸命”なドリーの姿は、観る者に感動と勇気を与えてくれる。

Vol.3は“夢が叶う場所ピクサー”で働き始めた、若きクリエイターたちのインタビューをお届け。夢の途中で奮闘中の3人を、同じくモデルとして夢を追いかけているAmyが直撃!


夢の途中の彼らが頑張っていること~ピクサーでの仕事~

サラ・サンプソン氏、マーカス・クランツラー氏、ティム・スペルツ氏(C)モデルプレス
ティム・スペルツ氏は、スペシャル・エフェクト・テクニカル・ディレクター。本作では水や砂などの粒子が細かい映像を担当。以前はコンピューター系の仕事に従事していたが、夢を追いかけ「ピクサー・アニメーション・スタジオ」へ転職。会社は「いいことも悪いこともすべての情報がオープンなんだ」という透明性を気に入っているという。
 
サラ・サンプソン氏は、プロダクション・サポート・エンジニアの職に就く女性。たとえばアニメーションを作る自社ソフトウェアに問題が発生した場合、その問題を解決する作業を行う。言わば同スタジオにとってドクターみたいな存在。入社3年。初めての会社だ。
 
マーカス・クランツラー氏は、マットペインティング・テクニカル・ディレクターとして奮闘する日々。バックグラウンドの雲のぼこぼこしている模様などをアニメーションではなく、コンピューターを使って表現する。学校を卒業してすぐ、あこがれの「ピクサー・アニメーション・スタジオ」へ。「お互いに助け合う会社だよ」と会社を誇りに思っている。

夢の途中の彼らが今思う、夢を叶える秘訣とは?

サラ・サンプソン氏、マーカス・クランツラー氏、ティム・スペルツ氏、Amy(C)モデルプレス
ティム・スペルツ氏
「やりたいことを見つけて、それを一生懸命に頑張ることだね。なかなか見つからない時は、探し続けてほしい(笑)。難しいとは思うけれどね。僕は大学の時は生物学を専攻していてね。卒業してからコンピュターグラフィックスに出会ったんだ。僕の場合、『これだ!』というものに出会うまでに時間がかかったよ。でも、今回は海の話だから生物学の知識は活きたけれど(笑)」。

サラ・サンプソン氏
「決して、夢をあきらめないことよ。それこそ今回の主人公のドリーのようにね! わたしも1回目の入社試験ではダメだったけれど、2回目の試験で見事、受かったのよ。夢の途中でくじけそうになった時は、たくさんピクサーの映画を観るといいことがあるはずよ(笑)」。

マーカス・クランツラー氏
「つねに心をオープンにして、ひとつのことだけにフォーカスしすぎないことだね。夢のゴールを持っていても、すぐには行けないことだってあるだろう?時には違うステップをとって、回り道をしなくてはいけないことだってあるよね。つまり、一番好きなことをしていても、それほど楽しいことでないことはよくあって、その時に違うことをやってみて、これが好きだったのかと気づくこともあるんだ。視野を広く持って物事に接してほしいね」。

インタビューを終えて~Amyの感想~

Amy(撮影:Kaori Suzuki)
Amy(撮影:Kaori Suzuki)
インタビューを終えたAmyは、「たとえ1回試験に落ちても、また受けるというドリーみたいにあきらめないことが、やがて身になるということを知りました」と感激した様子。「わたしはスティーヴ・ジョブスさんが言っていたハングリー精神は少ないけれど、好きなことを仕事にしていることは皆さんと一緒。分野が違うから具体的な何かを学べるってことはないけれど、3人の想いや情熱を肌で感じて刺激的でした。好きなことを見つけて、あきらめないことが大切なんだって、わかりました」と彼らから多くのものを学んだようだった。
 
映画『ファインディング・ドリー』より(C)2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
“夢が叶う場所ピクサー”で働く3人の表情は晴れやかで、ドリーのようにあきらめないで人生という大海原を泳いで行けば、やがて希望を見出せるということを実践している自信に満ちあふれていた。モデルの仕事をするAmy同様、職業や環境こそ違うが、夢の途中で奮闘している3人の言葉を聞くと頑張れそうな気になる取材だった。(modelpress編集部)

『ファインディング・ドリー』


日本公開日:7月16日
監督:アンドリュー・スタントン
共同監督:アンガス・マクレーン
製作:リンジー・コリンズ
製作総指揮:ジョン・ラセター
原案:アンドリュー・スタントン

<あらすじ>
「ファインディング・ニモ」の奇跡の冒険から1年。カクレクマノミのニモの親友で、何でもすぐに忘れてしまう、忘れんぼうのドリーがただひとつ忘れなかったのは家族の思い出。「今度は僕がドリーを助けてあげる」──ニモと父マーリン、そしてカメのクラッシュや個性豊かな新しい仲間たちも加わり、ドリーの家族を探す感動の冒険が始まる。その秘密を解く鍵は、海の生き物にとっての禁断の場所=人間の世界に隠されていた…。

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