米ディズニー日本人トップクリエイターが語る“夢を叶える秘訣” 「ズートピア」とリンク<米アニメーション・スタジオ取材Vol.8>
2016.05.03 12:00
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『アナと雪の女王』『ベイマックス』のディズニーが贈る、ユニークな動物たちの“楽園”を舞台にしたファンタジー・アドベンチャー『ズートピア』が4月23日に日本にて公開された。同作は、ディズニーのイマジネーションによって新たに誕生した、動物たちが人間のようにハイテクな文明社会で暮らす世界“ズートピア”で繰り広げられる物語。モデルプレスでは今回、『ズートピア』の制作が行われた米カリフォルニア「ウォルト・ディズニー・アニメーションスタジオ」で取材を行い、次々と名作が生まれるその秘密に迫った。
大人にこそ響く奇跡のストーリー
もふもふボディの愛らしいビジュアルで早くも注目を集めるディズニー新ヒロインは、ウサギのジュディ・ホップス。「人参をつくることがウサギの“人生”」とされる中、立派な警察官になることを夢見て田舎町を飛び出し、大都会「ズートピア」で奮闘する彼女がこの物語の主人公。夢を信じるジュディが起こす奇跡は、大人にこそ響く感動のストーリー。最終回となるVol.8では、ディズニーで長年働く日本人トップクリエイター、マット鈴木氏のインタビューをお届け。
日本人トップクリエイターが語る「夢を叶える秘訣」
1997年にウォルト・ディズニー・ピクチャーズに入社後、『チキン・リトル』(2005)、『塔の上のラプンツェル』(2010)、『アナと雪の女王』(2014)など数々の作品に携わり、過去には特殊ビジュアル効果部門でエミー賞を受賞した経験もある鈴木氏。今では、日本人スタッフも数多く活躍するが、彼がひとつ道を開いたことは間違いない。鈴木氏に憧れ、目標とするアニメーターも多い中、届けるメッセージは「サイコロは振らないと目が出ない。ドアは叩かないと開かない」ということ。
「自分はバカだと思うけど、サイコロは振らないと目が出ないんですよ。でも、日本の方ってみなさん頭が良くて怖気づいちゃうですよね。若いんだから、振れば目が出る可能性は大いにある。ドアがあっても、叩かないと開かないのに、『私なんか…』って通り過ぎちゃう。そしたら、一生そのドアは開かないんです。まずは挑戦してみることが大事だと思います」。
これが、様々な夢を実現してきた鈴木氏の「夢を叶える秘訣」。
繋がっていくディズニーの精神
もしも、諦めてしまいそうになったときには…?「好きという気持ちでいること。それが一番強いと思う」。さらに、「あんまり好きじゃない人だと『辞めようかな』ってなるけど、好きな人は辞められない。だから、その人は絶対生き残っていくんです」と、熱がこもっていく。そして、その言葉は、自分にも当てはまるという。「仕事がきつくて残業してても、面白いこともできるから『まぁいいや』ってなります。ディズニーは、いつでも楽しくさせようって環境を作ってくれる。ビリヤードもビデオゲームも揃っていて、いつでも楽しく心が癒やされるようにっていう会社の姿勢が見えるので、大丈夫です。もちろん疲れるときは、疲れますけどね(笑)」。
彼の後ろにできた道は、それぞれの夢に向かって別の方向に伸びていく。その道がまた、名作の誕生に繋がる。「失敗したって、何度でも頑張るわ!」というジュディの前向きなメッセージが込められている『ズートピア』の主題歌「トライ・エヴリシング」ともリンクする鈴木氏の言葉。夢に向かって自らを奮い立たせていくジュディの姿は、きっと多く人々の心を打つはずだ。(modelpress編集部)
ディズニー最新作『ズートピア』
製作総指揮:ジョン・ラセター
製作:クラーク・スペンサー
監督:バイロン・ハワード『塔の上のラプンツェル』/リッチ・ムーア『シュガー・ラッシュ』
<あらすじ>
動物が人間のように暮らす大都会、ズートピア。誰もが夢を叶えられる人間も顔負けの超ハイテク文明社会に、史上最大の危機が訪れていた。立ち上がったのは、立派な警察官になることを夢見るウサギのジュディ。夢を忘れたサギ師のニックを相棒に、彼女は奇跡を起こすことができるのか…?
<キャラクター説明>
ジュディ・ホップス
ウサギ初の新米警官。憧れのズートピアで「立派な警察官になる」夢に向かって奮闘中。もふもふのボディと豊かな感情表現ができる大きな耳が特長。正義感が強く、行動的で頑張り屋。ひょんなことからキツネの詐欺師のニックと共に、楽園ズートピアの秘密に挑んでいくことに。ニック・ワイルド
“キツネらしい”人生を生きる“夢を忘れた”詐欺師のキツネ。ズートピアを知りつくし、幅広い情報網を持つ。現実を知る皮肉屋だが、陽気な魅力があってどこか憎めない。ひょうひょうとした態度の裏には優しさが隠れている。過去のある出来事によって傷ついているが、その繊細な心は誰にも見せない。自分にはないものを持つジュディと運命を共にするうちに、何かが変わっていく。クロウハウザー
ズートピア警察署の受付担当のチーター。ドーナツが大好物でチーターとは思えないほど太っている。ジュディにも気さくに話しかけてくる気のいい、のんびり屋。ボゴ/ズートピア警察署長
厳しく、頑固で、眼光鋭いタフなスイギュウ。警察の仕事に誇りを持ち、事件の捜査は、カバやゾウなどのタフな動物にしかこなせない任務だと信じている。ウサギである上に新米警官のジュディには最初から期待しておらず、捜査に参加したがる彼女を持て余す。レオドア・ライオンハート市長
「楽園であること」の維持を第一に考えるズートピア市長。堂々たるライオン。「誰でも何にでもなれる」というズートピアのスローガンを作ったのも彼。ベルウェザー副市長
ズートピア副市長を務めるヒツジ。ジュディを小さな動物の誇りと考え、何かと気づかう。ライオンハート市長にいつも忙しく使われている。フラッシュ
免許センター職員のナマケモノ。パソコン入力から話し方、笑い方まで、驚異的な超スロー・ペースを崩さない。
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