ディズニーで活躍する女性スタッフを直撃　彼女たちはどうやって夢を掴んだ？＜米アニメーション・スタジオ取材Vol.4＞

大人にこそ響く奇跡のストーリー

もふもふボディの愛らしいビジュアルで早くも注目を集めるディズニー新ヒロインは、ウサギのジュディ・ホップス。「人参をつくることがウサギの“人生”」とされる中、立派な警察官になって世界を良くすることを夢見て田舎町を飛び出し、大都会「ズートピア」で奮闘する彼女がこの物語の主人公。夢を信じるジュディが起こす奇跡は、大人にこそ響く感動のストーリー。

Vol.4では、ディズニーで働く女性スタッフのインタビューをお届け。アニマレーションを手がけたジェニファー・ヘイガー、キーラ・レトマキの2人が、「夢を叶える秘訣」をキーワードにこれまでの人生を語ってくれた。

ジェニファー・ヘイガー

東海岸のメリーランド州出身のジェニファーは、子どもの頃からディズニー・アニメーションの世界に魅了され、大学はカルアーツ（カリフォルニア芸術大学）に進学。卒業後はしばらくドリームワークスで働き、その後ディズニーからの誘いを受けLAへ向かった。

そして、『プリンセスと魔法のキス』ではマーク・ヘンやエリック・ゴールドバーグ、『塔の上のラプンツェル』ではグレン・キーンと憧れだったいうアニメーターと同じ現場に携わったことも。夢を叶えた彼女は、「仕事はもちろん大変だけど、すごくやりがいがある。難しいことがあったら歯を食いしばってがんばってるわ。解決したときは本当にうれしいものよ」と、充実した日々を送っている。

ジュディと同じ前向きなメッセージ「人生は1度きり」

そんなジェニファーが考える「夢を叶える秘訣」は、「とにかく集中。諦めちゃダメ」と夢に一直線であること。

「私はカルアーツに1発で合格したわけではなくて、数回受験したのよ。本当に何か求めているものがあるときって、人はどうにかしてたどり着くものだと思う。私はそう確信しているの。とにかく、必要なのは決意。でも、決意するだけではダメで、もし何かがうまくいかなかったら、次にベストなことを探すべき。トライし続けて、夢を掴むのよ。トライすることは今作のメッセージでもあるよね。トライしなくちゃ！それは、ほとんどの人が経験することだと思う。何かを叶えたかったら、どんな方法でもトライしてたどり着くのよ」。

映画でジュディが伝えるメッセージと同じ。境遇が似ている彼女は、ジュディに共感している。「人生は1度きりなんだから精一杯楽しまなくちゃ」――この言葉に嘘がないことは、その笑顔から分かる。

キーラ・レトマキ

3歳の頃から、ディズニー・アニメーターになることが夢だったというキーラ。彼女もまた、ジュディと似た境遇を持つ。

「うちの家族は理系なの。ママは科学者でパパは電気技師だったから、アートの世界にはなじみがなくて、シアトルの大学に進学した私はコンピューターサイエンスを専攻することにしたの。そういう意味では、ジュディに共感する部分も大きいわ。彼女はウサギの警察官になることを夢見ていたけれど、それは両親にとっては驚くことだったわけで…。私も大学時代は夏休みにディズニーランドで働いたり、できることは何でもやったのよ」。

その努力は実り、『ボルト』に研修生として参加、『塔の上のラプンツェル』でアニメーターに昇格。さらに、『ズートピア』では、初めてスーパーバイザーを務めた。

「挑戦し続けて、希望を失わず、諦めない」ディズニーの精神

一歩一歩着実に進んでいったキーラの「夢を叶える秘訣」は、「信念を持って、やり抜くこと」。

「私の旅は決して楽ではなかったわ」と振り返りながらも、「大事なのは、自分が情熱を感じることや強くやりたいと思えることにしがみついて、挑戦し続け、学び続けることだと思う。学ぶことは絶対に止めてはダメ。少なくとも私の場合、『私にできるかな…』と不安を感じるようなときにこそ、最高なパフォーマンスをしようと思うし、もっとがんばろうと思えるの」と自分の経験を元にアドバイスを送ってくれた。

そして、諦めようと思ったことも「あったわ（笑）」と笑う。それでも、「起こりうる最悪な結末は失敗することだけど、多くの場合は失敗から学ぶものよ」と彼女もまた、前向き。「だから、挑戦し続けて、希望を失わず、諦めないこと。同僚からもいろんな素晴らしい経歴を聞いたわよ」と夢が詰まったディズニーの現場に、勇気を与えられている。

多くの女性が活躍する「ディズニー・アニメーション・スタジオ」

女性も活躍する「ディズニー・アニメーション・スタジオ」。今回、インタビューに応じてくれた2人の経験は、多くの夢見るアニメーターたちにとって希望となる。バイタリティ溢れる彼女たちは、映画を通して、私たちに夢をくれる。（modelpress編集部）

ディズニー最新作『ズートピア』

日本公開日：4月23日
製作総指揮：ジョン・ラセター
製作：クラーク・スペンサー　
監督：バイロン・ハワード『塔の上のラプンツェル』／リッチ・ムーア『シュガー・ラッシュ』

＜あらすじ＞
動物が人間のように暮らす大都会、ズートピア。誰もが夢を叶えられる人間も顔負けの超ハイテク文明社会に、史上最大の危機が訪れていた。立ち上がったのは、立派な警察官になることを夢見るウサギのジュディ。夢を忘れたサギ師のニックを相棒に、彼女は奇跡を起こすことができるのか…？

＜キャラクター説明＞

ジュディ・ホップス

ウサギ初の新米警官。憧れのズートピアで「立派な警察官になる」夢に向かって奮闘中。もふもふのボディと豊かな感情表現ができる大きな耳が特長。正義感が強く、行動的で頑張り屋。ひょんなことからキツネの詐欺師のニックと共に、楽園ズートピアの秘密に挑んでいくことに。

ニック・ワイルド

“キツネらしい”人生を生きる“夢を忘れた”詐欺師のキツネ。ズートピアを知りつくし、幅広い情報網を持つ。現実を知る皮肉屋だが、陽気な魅力があってどこか憎めない。ひょうひょうとした態度の裏には優しさが隠れている。過去のある出来事によって傷ついているが、その繊細な心は誰にも見せない。自分にはないものを持つジュディと運命を共にするうちに、何かが変わっていく。

クロウハウザー

ズートピア警察署の受付担当のチーター。ドーナツが大好物でチーターとは思えないほど太っている。ジュディにも気さくに話しかけてくる気のいい、のんびり屋。

ボゴ／ズートピア警察署長

厳しく、頑固で、眼光鋭いタフなスイギュウ。警察の仕事に誇りを持ち、事件の捜査は、カバやゾウなどのタフな動物にしかこなせない任務だと信じている。ウサギである上に新米警官のジュディには最初から期待しておらず、捜査に参加したがる彼女を持て余す。

レオドア・ライオンハート市長

「楽園であること」の維持を第一に考えるズートピア市長。堂々たるライオン。「誰でも何にでもなれる」というズートピアのスローガンを作ったのも彼。

ベルウェザー副市長

ズートピア副市長を務めるヒツジ。ジュディを小さな動物の誇りと考え、何かと気づかう。ライオンハート市長にいつも忙しく使われている。

フラッシュ

免許センター職員のナマケモノ。パソコン入力から話し方、笑い方まで、驚異的な超スロー・ペースを崩さない。