ディズニーの歴史が全てここに 約6500万点のアニメーション・アート<米アニメーション・スタジオ取材Vol.1>
2016.04.08 12:00
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『アナと雪の女王』『ベイマックス』のディズニーが贈る、ユニークな動物たちの“楽園”を舞台にしたファンタジー・アドベンチャー『ズートピア』が4月23日に日本にて公開される。同作は、ディズニーのイマジネーションによって新たに誕生した、動物たちが人間のようにハイテクな文明社会で暮らす世界“ズートピア”で繰り広げられる物語。モデルプレスでは今回、『ズートピア』の制作が行われた米カリフォルニアの「ディズニー・アニメーション・スタジオ」で取材を行い、次々と名作が生まれるその秘密に迫った。
大人にこそ響く奇跡のストーリー
もふもふボディの愛らしいビジュアルで早くも注目を集めるディズニー新ヒロインは、ウサギのジュディ・ホップス。「人参をつくることがウサギの“人生”」とされる中、立派な警察官になることを夢見て田舎町を飛び出し、大都会「ズートピア」で奮闘する彼女がこの物語の主人公。夢を信じるジュディが起こす奇跡は、大人にこそ響く感動のストーリー。今回は、そんな同作の原点が詰まったアニメーション・リサーチ・ライブラリー(ARL)から、歴史あるアートの一部を紹介。滅多に撮影許可が降りないという、貴重なライブラリーには、ディズニーの歴史がすべて詰まっている。
約6500万点のアニメーション・アート
ARLは、1920年代から現在までに作った短編と長編のすべてのアニメーション・アートの収納場所。アニメーション・アートを可能な限り最高の状態で保存しながら、ウォルト・ディズニー・カンパニーの中のすべての人がアクセスできる仕組みを維持している。コレクションは、ストーリー・スケッチ、コンセプト・アート、アニメーション・ドローイング、バックグランド・ペインティング(背景画)など約6500万点のプロダクション・アートとプロダクション・マテリアル。ディズニー・アニメーションスタッフの多くが、ここからインスピレーションを受けている。
初期段階の資料の中には、全く別のキャラクターかと思うほど、イメージの違うものも。例えば『アナと雪の女王』のエルサもそうで、キャラクターが完成していくまでの過程には、様々な技術が集約されていることが見て取れる。
徹底管理で保管
今回の取材では、1937年から1977年の間に制作された長編映画が収められた保管庫を訪問。少々肌寒いその場所は、華氏62度、湿度50%で統一。気温の変化がアニメーション・アートに与えるダメージは、非常に大きく、温度管理は重要な業務のひとつだ。
デジタル化進む
そして現在、ARLではより簡単に、そして最高の状態でアニメーション・アートを確認できるよう、デジタル化を進めている。イメージ・キャプチャー・チームが存在し、最新の技術を持ったスタッフがよりよい素材を提供できるよう、日々励んでいる。使用するのは、インスタント・キャプチャー・カメラと4×5のフィルム・カメラ。この2つを駆使しデジタル化していく。
また、デジタル化に伴って、アニメーションのドローイングも制作。アニメーション・アートをサウンドファイルと組み合わせ「世界のほとんどの人が見たことのない方法」で保存している。
名作の裏側は深い
ディズニーキャラクターたちのリアルな動き、魅力的な表情は、こういった地道な作業の上に出来上がっていく。作品の裏側には、まだまだ知らない角度から携わっている人がきっといる。その一部を垣間見るだけでも、作品を観る目が少し変わるのでは?もしかしたら「ズートピア」のキャラクターたちも、あなたの大好きな“あの作品”がヒントになって誕生したのかもしれない。(modelpress編集部)
ディズニー最新作『ズートピア』
日本公開日:4月23日製作総指揮:ジョン・ラセター
製作:クラーク・スペンサー
監督:バイロン・ハワード『塔の上のラプンツェル』/リッチ・ムーア『シュガー・ラッシュ』
<あらすじ>
動物が人間のように暮らす大都会、ズートピア。誰もが夢を叶えられる人間も顔負けの超ハイテク文明社会に、史上最大の危機が訪れていた。立ち上がったのは、立派な警察官になることを夢見るウサギのジュディ。夢を忘れたサギ師のニックを相棒に、彼女は奇跡を起こすことができるのか…?
<キャラクター説明>
ジュディ・ホップス
ウサギ初の新米警官。憧れのズートピアで「立派な警察官になる」夢に向かって奮闘中。もふもふのボディと豊かな感情表現ができる大きな耳が特長。正義感が強く、行動的で頑張り屋。ひょんなことからキツネの詐欺師のニックと共に、楽園ズートピアの秘密に挑んでいくことに。ニック・ワイルド
“キツネらしい”人生を生きる“夢を忘れた”詐欺師のキツネ。ズートピアを知りつくし、幅広い情報網を持つ。現実を知る皮肉屋だが、陽気な魅力があってどこか憎めない。ひょうひょうとした態度の裏には優しさが隠れている。過去のある出来事によって傷ついているが、その繊細な心は誰にも見せない。自分にはないものを持つジュディと運命を共にするうちに、何かが変わっていく。クロウハウザー
ズートピア警察署の受付担当のチーター。ドーナツが大好物でチーターとは思えないほど太っている。ジュディにも気さくに話しかけてくる気のいい、のんびり屋。ボゴ/ズートピア警察署長
厳しく、頑固で、眼光鋭いタフなスイギュウ。警察の仕事に誇りを持ち、事件の捜査は、カバやゾウなどのタフな動物にしかこなせない任務だと信じている。ウサギである上に新米警官のジュディには最初から期待しておらず、捜査に参加したがる彼女を持て余す。レオドア・ライオンハート市長
「楽園であること」の維持を第一に考えるズートピア市長。堂々たるライオン。「誰でも何にでもなれる」というズートピアのスローガンを作ったのも彼。ベルウェザー副市長
ズートピア副市長を務めるヒツジ。ジュディを小さな動物の誇りと考え、何かと気づかう。ライオンハート市長にいつも忙しく使われている。フラッシュ
免許センター職員のナマケモノ。パソコン入力から話し方、笑い方まで、驚異的な超スロー・ペースを崩さない。
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