マーベル最新作「アントマン」で概念を覆すブーム「今までとは全く違う」 CEO直撃<モデルプレスインタビュー>
2015.09.19 18:00
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マーベル・スタジオのCEOであるケヴィン・ファイギ氏が、モデルプレスのインタビューに応じた。ケヴィン氏は、「X-メン」でアソシエイトプロデューサーに抜擢されて以降、「アベンジャーズ」「スパイダーマン」シリーズをはじめとするマーベル原作の映画全てに携わってきた。そして、最新作「アントマン」(9月19日公開)でもプロデューサーとして参加。今回のインタビューでは、「アントマン」を通して、マーベル作品の今後の展望について語ってもらった。
同作は、能力を持たない普通の中年男性スコット・ラングが、特殊なスーツで身長1.5cmの“アントマン”に変身して戦うというユニークな設定の話題作。大富豪でもなく、超人パワーも持たず、鍛練しつくされたスパイ能力もない普通の男がつかんだ人生のセカンド・チャンスを描く。
マーベル作品の魅力は、迫力、ヒロイズム、共感性、ユーモアが織り交ぜられた人間味あふれる壮大な物語。近年は、それをファッションにも取り入れた“女子マーベル”がブームの兆しをみせるなど、作品性のみならず人気は多方面に広がりつつある。
ケヴィン:もちろん、いつも私たちの映画は男性客だけではなく、女性客にも受けるようにということを考えて製作していますが、今回は父娘の関係を描いている部分が共感を呼んでいるのかもしれません。父親と娘の関係っていうのを軸にした家族の物語で、娘を持つ父親として娘のために立派になって人生をやり直そうとがんばる新しいタイプのヒーローです。そこに女性は感情移入しているのかもしれない。もちろん、エヴァンジェリン・リリー演じるヒロインのホープの父娘の物語も同時に描いています。その上で、家族の絆というを大きなテーマとして据えています。
― アベンジャーズのメンバーとは、また違った魅力を放っている「アントマン」ですが、最大の魅力はどこだと考えていますか?
ケヴィン:とにかくどこにでもいそうな普通の男がヒーローにあるという点が、とってもユニークだと思うんです。一見非常に親しみやすくてどこにでもいそうな気さくなお兄ちゃん、ポール・ラッドが演じることによって、スーパーヒーローとは1番程遠いところにいるっていうようなキャラクターが生まれた。そんな彼が、自分の娘のため、自分自身のために立ち上がって、ヒーローへと生まれ変わっていくというプロセスは、今までとは全く違う部分だといえると思います。
ケヴィン:やはり1本目の「アイアンマン」です。この作品は、マーベル・シネマティック・ユニバースがはじまった原点ともいえる映画なので非常に思い入れも深いですね。そして、「アベンジャーズ」というのはすべてのヒーローが一緒になるっていうコンセプト自体が非常に大掛かりで、取り組み甲斐があったので、誇らしく思っている作品でもあります。これは、結果的な成功も含めてですね。3本目が意外に思われるかもしれませんけど、「アントマン」なんです。非常に知名度の低いキャラクターが主人公ですが、結果的にものすごい完成度の高い満足のいく映画になりました。平凡なヒーローだからこそ、みんなが心から応援したくなるし、とても魅力的です。そして、ヒロインのホープも魅力的ですし、その点については続編に繋がる展開にも期待してほしいです。
ケヴィン:テスト試写をすると、普段は観ないタイプの映画だけど、観てみたら面白かった、ハマったという人がいるわけです。そういった客層を取り込んでいくというのは、私たちの目標でもあるんですが、それは断然女性客の方が多いんです。実際にこの「アントマン」もそうでした。そして、そういう反応をしてくれる女性たちをどうやって映画館に来てもらうか、というところが1番の課題だと思っています。
― そのように捉えていらっしゃるんですね。その一方で、マーベル作品のキャラクターがデザインされたアイテムをファッションに取り入れる“女子マーベル”という言葉が日本でも広まりつつあります。その現象については、いかがですか?
ケヴィン:もちろん“女子マーベル”という言葉は聞いたことありますし、日本だけでなく世界各地に浸透しつつある現象の1つとして、すごく喜ばしく思っています。私は個人的に「Comic−Con」に何年も通い続けていますが、毎年毎年男女の比率が逆転しつつあると感じています。女性のコミックファンがコスプレをして参加している。非常に素晴らしいことです。ファッション的な部分をかっこいい、クールだなと思ってくれる人が増え、そこを入り口にして映画にも興味を持ってくれれば嬉しいですね。
ケヴィン:とにかく常に新鮮に感じられる作品を作り続けていくことがモットーです。今回の「アントマン」に関してもマーベル・シネマティック・ユニバースという大きなくくりの中で、ほかの作品のキャラクターが登場するなど、様々な形で繋がっています。そうやって絡み合いながらも、単独の作品として観たときに今までにないユニークな作品に仕上がってる。今回は特に、アクションと視覚効果、ヴィジュアルエフェクトの部分に関して今までなかった試みをしているんです。新しい体験を観客にしてもらえると思っています。1本1本の作品が、前作とは全く違った今までに観たことがないようなタイプの映画で、新しいテーマ、新しい見た目、新しい内容にすることを大事にしたい。1本1本新しいなと思ってもらえることで、新しい観客を引き込むというような努力をしています。
― 「アントマン」はもちろん、次回作もますます楽しみですね。では、最後になりますが、日本のファンへ向けてメッセージをお願いします。
ケヴィン:なかなか日本に行くことができず、ごめんなさい。日本のファンのみなさん、「アントマン」は体感型の映画です。どっぷり浸かって楽しめる映画になっているので、ぜひ楽しんでください。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
マーベル作品の魅力は、迫力、ヒロイズム、共感性、ユーモアが織り交ぜられた人間味あふれる壮大な物語。近年は、それをファッションにも取り入れた“女子マーベル”がブームの兆しをみせるなど、作品性のみならず人気は多方面に広がりつつある。
女性も共感…ニュータイプのヒーロー「アントマン」
― 「アントマン」は、女性も共感できるポイントが詰まった作品だと感じました。何か女性ファン獲得を意識した演出や設定などは、盛り込まれたのでしょうか?ケヴィン:もちろん、いつも私たちの映画は男性客だけではなく、女性客にも受けるようにということを考えて製作していますが、今回は父娘の関係を描いている部分が共感を呼んでいるのかもしれません。父親と娘の関係っていうのを軸にした家族の物語で、娘を持つ父親として娘のために立派になって人生をやり直そうとがんばる新しいタイプのヒーローです。そこに女性は感情移入しているのかもしれない。もちろん、エヴァンジェリン・リリー演じるヒロインのホープの父娘の物語も同時に描いています。その上で、家族の絆というを大きなテーマとして据えています。
― アベンジャーズのメンバーとは、また違った魅力を放っている「アントマン」ですが、最大の魅力はどこだと考えていますか?
ケヴィン:とにかくどこにでもいそうな普通の男がヒーローにあるという点が、とってもユニークだと思うんです。一見非常に親しみやすくてどこにでもいそうな気さくなお兄ちゃん、ポール・ラッドが演じることによって、スーパーヒーローとは1番程遠いところにいるっていうようなキャラクターが生まれた。そんな彼が、自分の娘のため、自分自身のために立ち上がって、ヒーローへと生まれ変わっていくというプロセスは、今までとは全く違う部分だといえると思います。
「アントマン」早くも続編に言及
― なるほど。これまで様々なタイプのヒーローを描いていきたかと思いますが、最も手応えを感じた作品について教えてください。ケヴィン:やはり1本目の「アイアンマン」です。この作品は、マーベル・シネマティック・ユニバースがはじまった原点ともいえる映画なので非常に思い入れも深いですね。そして、「アベンジャーズ」というのはすべてのヒーローが一緒になるっていうコンセプト自体が非常に大掛かりで、取り組み甲斐があったので、誇らしく思っている作品でもあります。これは、結果的な成功も含めてですね。3本目が意外に思われるかもしれませんけど、「アントマン」なんです。非常に知名度の低いキャラクターが主人公ですが、結果的にものすごい完成度の高い満足のいく映画になりました。平凡なヒーローだからこそ、みんなが心から応援したくなるし、とても魅力的です。そして、ヒロインのホープも魅力的ですし、その点については続編に繋がる展開にも期待してほしいです。
広がる“女子マーベル”現象…「ヒーローは男性のもの」概念を覆すブーム
― 続編!ファンの方は、その言葉に胸を弾ませていると思います。日本では、ヒーローといえば男性のもの、という意識が強く、女性にはあまり幅広く受け入れられていないというのが事実です。今後はそのような方たちに向けて、どのようなアピールをしていきたいと考えていますか?ケヴィン:テスト試写をすると、普段は観ないタイプの映画だけど、観てみたら面白かった、ハマったという人がいるわけです。そういった客層を取り込んでいくというのは、私たちの目標でもあるんですが、それは断然女性客の方が多いんです。実際にこの「アントマン」もそうでした。そして、そういう反応をしてくれる女性たちをどうやって映画館に来てもらうか、というところが1番の課題だと思っています。
― そのように捉えていらっしゃるんですね。その一方で、マーベル作品のキャラクターがデザインされたアイテムをファッションに取り入れる“女子マーベル”という言葉が日本でも広まりつつあります。その現象については、いかがですか?
ケヴィン:もちろん“女子マーベル”という言葉は聞いたことありますし、日本だけでなく世界各地に浸透しつつある現象の1つとして、すごく喜ばしく思っています。私は個人的に「Comic−Con」に何年も通い続けていますが、毎年毎年男女の比率が逆転しつつあると感じています。女性のコミックファンがコスプレをして参加している。非常に素晴らしいことです。ファッション的な部分をかっこいい、クールだなと思ってくれる人が増え、そこを入り口にして映画にも興味を持ってくれれば嬉しいですね。
今後の展望は?
― 今後、マーベルの市場をさらに広げていくためにチャレンジしたいこと、または構想は?ケヴィン:とにかく常に新鮮に感じられる作品を作り続けていくことがモットーです。今回の「アントマン」に関してもマーベル・シネマティック・ユニバースという大きなくくりの中で、ほかの作品のキャラクターが登場するなど、様々な形で繋がっています。そうやって絡み合いながらも、単独の作品として観たときに今までにないユニークな作品に仕上がってる。今回は特に、アクションと視覚効果、ヴィジュアルエフェクトの部分に関して今までなかった試みをしているんです。新しい体験を観客にしてもらえると思っています。1本1本の作品が、前作とは全く違った今までに観たことがないようなタイプの映画で、新しいテーマ、新しい見た目、新しい内容にすることを大事にしたい。1本1本新しいなと思ってもらえることで、新しい観客を引き込むというような努力をしています。
― 「アントマン」はもちろん、次回作もますます楽しみですね。では、最後になりますが、日本のファンへ向けてメッセージをお願いします。
ケヴィン:なかなか日本に行くことができず、ごめんなさい。日本のファンのみなさん、「アントマン」は体感型の映画です。どっぷり浸かって楽しめる映画になっているので、ぜひ楽しんでください。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
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