成田凌、大倉忠義のぬいぐるみと登壇 行定監督が大倉からの連絡明かす＜窮鼠はチーズの夢を見る＞

人を好きになることの喜びや痛みをどこまでも純粋に描き、圧倒的な共感を呼ぶ心理描写から、多くの女性から支持を得た水城せとな氏の傑作コミック「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」を実写映画化した本作。主人公・大伴恭一を演じるのは、単独主演を務める大倉忠義（ジャニ∞）。そして恭一への想いを募らせ葛藤する姿に誰もが共感せずにはいられない今ヶ瀬渉を成田が務める。

行定監督とともにステージに登壇した成田は「こんにちは、成田凌です。と、（ぬいぐるみの）大倉忠義です。“大ヒット舞台挨拶”ということが行われていることがすごく嬉しいですね」としみじみと語り、「久々にお客さんを前にして舞台挨拶ができる環境に感謝したいと思います。ありがとうございます」と目を輝かせた。

成田凌、大倉忠義への思いとぬいぐるみを抱き舞台挨拶に登壇

登場時から大倉のぬいぐるみを抱きかかえていた成田は、その点に触れられると「雑には扱えないから（笑）。あと1つ気になっているのが、靴ヒモが解けていること」とぶっちゃけ、靴ヒモを結びながら「今日は大倉くんの色の緑のコンバース」と紹介。続けて、「そして、さっきこれ（ぬいぐるみ）を渡されたので、ずっとポスターのポーズをしてる」と明かし、行定監督からぬいぐるみを渡された際に、シャツのズボンの中を確認していたことを暴露され「今ヶ瀬っぽいなあ」と声をかけられると、成田は「みんな確認しますよ！『着替えたんです』ってスタッフさんが言っていたので、“ということは”ってなりますよ」と必死に言い訳。その後、ぬいぐるみのズボンが下がり、お尻が丸出しになっていることを行定監督から指摘されると、成田は「あっ、ごめん…！」と焦りながらズボンを上げていた。

行定監督は、新型コロナウイルス感染のため、この日不在だった大倉から「すいません。行きたかった。だから自分が落ち着いたらなんかやりたいですね。面白いこと考えてください」とメールが来たことを明かし、「そのためにもロングランしていくと嬉しいなという気持ちでいます」と観客に訴え。これに成田も登壇時に「何か（面白いことの）いい案があったら教えてください」と観客に呼びかけた。

成田凌、母親の反応明かす「唯一感想を行ってこなかった」

また、客席にいた高校生を見つけた成田は「高校生だよね？高校生にこの作品を見ていただけるのは本当に嬉しいです」と声をかけ、行定監督が「本当に嬉しいですね。この間も高校生が『なんでR15なんですか？』って聞いてきて、『14歳までは見ちゃダメって言われているのに、15歳の私が見られるの超ヤバいねって』言っていて、（見終わったあとに）『14歳には見せられないなあ。15歳だから私はこれを受け入れられました』って15歳の言葉」とエピソードを打ち明けると、成田は「この作品を見て自分は大人になったんだって実感したってことですよね」と感慨深げに語り、「（自身が15歳のときは）サッカーしか頭になかったですねえ…」と遠くを見つめた。

さらに、成田自身にとって本作はどんな作品になったか尋ねられると「まず友だちがダントツで見てくれている作品で、興味を持ってもらっているんだなってことがあって、とっても嬉しかったですね」と吐露し、「ゲイの方からの評判がものすごくいいです。『泣いた』とか『もう一回見てくる』とか言ってくれるので、これをリアルに感じてくれたというのが本当に嬉しいです」とニッコリ。加えて「あと母親が唯一感想を言ってこなかった作品ですかね」といい、「『今から友だちと見てくるよ』って看板ズラッとした写真を撮って『楽しみ！』…、音信不通っていう（笑）。俺たち親子にとっても1個スタンプを押されたような作品ですね」と語った。

観客の多くが、成田演じる今ヶ瀬に感情移入して見ているそうで、今ヶ瀬をどんな人物と捉えていたか質問された成田は「今ヶ瀬は心が強いですからね。挫けないというか、当たって砕けないというか、当たったままみたいな感じなので、それはそう簡単にできないし、当たったらはね返されちゃうし、砕けちゃうので、羨ましさもありますね。僕は今ヶ瀬のようにはなれないなとは思いましたね」と答えた。

また、大倉演じる大伴と今ヶ瀬の力関係を、演じながら感じていたのか聞かれた成田は「その瞬間にならないちわからないことがたくさんあって、そういう気持ちじゃないといけないというか…、ちょっとわからないなあ」と話し、「直前までメイクさんと話したりしていて、『ヨーイ、ハイ！』で芝居をする感じで、なるべくその瞬間以外は忘れていないとできないんですよ。集中しちゃうと逆にほかの音とか、“照明部の子が寝てる…”みたいなのがたまにあるんですよ。（集中していると）そういうのがすっごい気になっちゃうので、ギリギリまで“なるようになれ”って気持ちでいました」と語った。

なお、8月18日～31日に開催される予定だった香港国際映画祭自体はコロナの影響で直前に中止になってしまったものの、この度、10月末～11月の間で実施される香港国際映画祭上映企画のクロージング作品として、本作が上映されることが決定したこと、台湾と韓国での上映が決定したことも発表された。（modelpress編集部）