長谷川博己

長谷川博己、アンチな弁護士役に思う混乱と面白さ「“法が人を裁くという不条理さ”に通じればいい」

2024.04.14 08:00
提供:TVerプラス
長谷川博己

長谷川博己さんが主演する日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系、毎週日曜21:00~)が、4月14日に25分拡大SPでスタートします。


本作は、長谷川さん演じる“殺人犯をも無罪にしてしまう”アンチな弁護士を通して、「世の中で悪とされていることは、本当に悪なのか?」を問いかける前代未聞の逆転パラドックスエンターテインメント。


ヒーローとは言い難い、限りなくダークな弁護士役に臨む長谷川さんは、どのように役作りを行い、法廷シーンでの長台詞では何を意識しているのか。若手が多い現場の印象や、日々の楽しみについても語ってもらいました。


「次どうなるんだろう」と期待させるエンターテインメント作品


――日曜劇場での主演は『小さな巨人』以来7年ぶりです。初めてお話を聞いた時には、どんなお気持ちでしたか?


日曜劇場はいつも上質なドラマが作られている枠ですので、お話をいただいたことがまずは素直に嬉しかったです。さらには“何が正義で何が悪か”を題材とした重厚感のある作品に出られるということで、より嬉しく思いました。


――台本を読んでの感想をお願いします。


単純にエンターテイメントとして「どうなっていくんだろう」と、すごく気になるというか。これは放送されたら、「次どうなるんだろう、次どうなるんだろう」と期待させてくれるような作品になるのではないか、という気がしました。


――重いテーマも描かれるかと思いますが、コミカルな部分もあるのでしょうか?


そのあたりは、俳優や作り手側が意識しなければいけないなと思っているところです。 法廷で使うような堅い言葉が多いので、俳優としてはできるだけわかりやすく、無機質な言葉にどれだけ感情を乗せられるか。それをどう柔らかく、見ている人に伝えるかを考えながら作っていかないといけない、とずっと考えながらやっています。


――法廷に立つ弁護士役は初めてとのことですが、法律用語のある長台詞などはいかがですか?


僕はなぜか長台詞が多い役を演じることが多いんですよね(笑)。それは大変名誉なことで嬉しいのですが、今回は劇中の事実経緯や法律用語など含め、いろいろな説明や、「何時何分にどうだったとか、何条何項のなになに」のように数字ひとつも間違えられない緊張感があります。法廷で何度か傍聴もしたのですが、その時に「傍聴席も巻き込もうとする弁護士もいるな」とすごく感じて。法的なことなど言葉は難しくても、その人の感情の流れを見れば「なんとなくこういうことを言ってるのかな」と伝わるように作れたら、一番理想だと思っています。


――どのような役作りをされていますか?


取材をして、いろいろなタイプの弁護士さんがいることがわかりました。検察は検察、裁判官は裁判官っぽい人たちが多い中で、弁護士は比較的自由にできるなと。僕が演じる主人公は、ちょっとよくわからないような人間なんですよ。何かがあって、そういう行動をしているようにも見えるし、何かを装っているようにも見える。そのあたりが演じる僕も少し混乱するのですが、それが面白いといえば面白くて。見る人も初めは「何者なんだろう」と思うはずですし、そこが“法が人を裁くという不条理な側面”に通じればいいかな、と少し意識しながらやっています。


あとは、キャラクターの一貫性をあまり意識しすぎず、シーンごとに生まれる感情を素直に積み重ねていく、という感じですね。シーンを繋いだ時に、もしかするとすごくわかりやすいタイプのキャラクターになるかもしれないし、どうなるのかまだわからないんです。当然、見る方々をミスリードさせたり、伏線になったりするところもあるので、きちんと考えなければいけませんが、キャラクターとしてはそこに振り回されず、ワンシーンごとに演じていくというか。だから人格について、あまりはっきりとは言えない感じですよね。多重人格ではないと思いますが、僕も(映像が)できてみないとわからないので、挑戦的なところでもありますね。


――飯田和孝プロデューサーや監督から、「こう演じてほしい」というリクエストはありましたか?


『小さな巨人』の時からご一緒していますので、撮影に入る前にかなり時間を取っていただいて、何度もディスカッションをしました。ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが、キャラクターの口調や、「僕らはこういうことをしたい」というスタンスの共有をして。これを世の中に発信する意味、といったこともたくさん考えつつキャラクターを作っていきました。現場に入ってからは、大体は演じてみて「これはちょっと行き過ぎかもしれない」や「これくらいがいいと思う」などと話しながら調整しています。まだ、監督やプロデューサー、僕自身もどうなっていくのかは未知なので、すごく楽しくやっています。


北村匠海、堀田真由ら若手からもらう刺激「みんな大人になった」


――北村匠海さん、堀田真由さんとは共に8年ぶりの共演です。同じ弁護士役として再会したご感想は?


素晴らしいですよね、2人とも。現場もすごく和やかですし、歳は離れていますけど、支えてもらって助かっています。


――印象が変わったところはありますか?


初めて会った時は10代だったので、みんな大人になりました。この世界で揉まれてくると、そうなっていくんだなと感慨深かったです。堀田さんとは(当時)少ししか絡みがなかったんですが、匠海くんは生徒でしたので、なんとなく今でも先生みたいな感じになっちゃうんですけど(笑)。今回はまた全然違う関係性ですし、僕も刺激をもらっています。やっぱり若手の姿を見て得られるものもいっぱいあるな、という気がすごくしますね。


――今回は、すごく若手の方が多い現場ですよね?


いつの間にかみんな年下になっちゃいました……全然、そんな実感はないんですけどね(笑)。よく先輩に怒られて「すみません」と言っていたのに、いつの間にか変わっていることにちょっとびっくりします。


――アドバイスを求められるようなこともありますか?


そうですね。そういったことを今までやってこなかったので、もしかすると初めてかもしれないです。でも、僕なんかにアドバイスを求めなくても、彼らはみんなわかってると思いますよ。


――撮影現場で楽しみにしていることはありますか?


いろいろな人が、いろいろな差し入れをくれるんです。法廷用語をずっと言っていると、ものすごく糖分が欲しくなって、そういう時にちょっと甘いものを食べるとすごくリフレッシュになります。あとは、弁護士事務所で飼っているゴールデンレトリバーのミルと遊んだりして、癒やされています。


――最後に、ドラマの見どころとメッセージをお願いします。


共に謎を解いていくような楽しさがありますし、僕のキャラクターは人々が世に対しモヤモヤするようなところをズバッと言ってくれる時もあるので、“日曜劇場らしい”と言いますか、そんな痛快さはあると思います。お客様に楽しんでもらうために僕らは全力で頑張って、いろいろと試行錯誤をしながらやっていますので、楽しみにしていただければ。少し変化球もあるかもしれませんが、期待されているような作品が見られると思います。


――月曜日の活力にも?


はい、なると思います!


(取材・文:nakamura omame)

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