【New Balanceや人気革靴ブランドetc.】お得に入手できる方法とは
2024.04.10 17:10
代官山駅の目の前にある商業施設・フォレストゲート代官山の「TENOHA 代官山/CIRTY(サーティー)」で初めて開催されたイベント「Re:LIKE(リ・ライク)」。人気のシューズブランドによる公式リユースのスニーカーや革靴などが販売されたマーケットです。大切に作られた製品が人から人へ受け継がれる、新しい買い物体験の場をレポートします。
日本初・ブランドの公式リユースアイテムが並んだマーケット
代官山駅前から徒歩1分の場所にある「フォレストゲート代官山」は、東急不動産による環境に配慮した複合施設。その中でも、カフェやイベントスペースがある「TENOHA 代官山」は、地産地消や店産店消など「サーキュラー(循環)」を体感できるスポットです。 そんなTENOHA 代官山で、まさにサーキュラーな買い物ができるイベント「Re:LIKE(リ・ライク)」の第一弾が、3月15日(金)~17日(日)に開催されました。各スポーツブランドやシューズブランドによる公式のリユースアイテムが販売された、日本初のリユースマーケットです。初日の様子をレポートします。名だたるシューズブランドのリユースアイテムが集合
今回参加したのは、スニーカーや革靴、サンダルを中心に扱う全9ブランド。スポーツブランド「New Balance」や「PUMA」のほか、アメリカンクラシックの代表格のローファー「G.H.BASS」、イタリアの職人技とモダンなデザインが融合したシューズ「FABIO RUSCONI」、ハワイ発のサンダルブランド「ISLAND SLIPPER」など、いずれも世界中で愛される人気ブランドです。ブランド公式の検品とケアで、新品のようなアイテムばかり 並んでいたのは、通常は廃棄されてしまうものを回収してクリーニングを施した約500足の靴。メンズ・レディースが半分ずつの割合です。これらは、直営店舗で店頭ディスプレイに使用されていたものや、店舗スタッフが着用していたもの、ユーザーが履かなくなったものなど様々。ほとんどがリペアが不要な水準とされた質のよい状態のもので、少し擦れがある程度で、間近で見ても新品のよう。リサイクルショップや古着屋に並ぶ製品とは異なり、すべてクリーニングを施してあることも特徴です。
一部リペアされたのは創業100年を超えるフランスのレザーシューズブランド「Paraboot」の革靴。それも、日本の自社工房がリペアを手がけたものです。これらは「Paraboot ARCHIVES」としてリユース品販売専用のロゴを刻印したインソールをつけて販売。Paraboot ARCHIVESは、これまでにも一つひとつ状態が異なる”1点モノ”が手に入るとブランドの愛用者から大好評だったコレクションです。リユースの魅力を存分に感じられる空間 大きな窓が開け放たれた空間に、いくつもの靴がずらり。特別な什器ではなく、商品の保管や運搬に繰り返し使用できる段ボールや箱が棚として使われ、空間まるごとサステナブルになっていました。店内のグリーンと溶け込むようなディスプレイが新鮮です。 今回の販売価格は、正規品の4~6割ほど。普段は少し手が届かない値段のものでも購入しやすくなっているのも魅力です。
各ブランドのファンだけでなく、偶然通りかかった人も誘いこまれていたようでした。ベビーカーを引いた家族連れから外国の方まで、客層は様々。誰かが使わなくなっても、捨てることなくブランドへと託し、大切にリペアされて巡ってきたアイテムと出会える。そんな「公式リユースショップ」に興味を抱いた方も多い様子でした。
ブランドのリユース販売をサポートするサービス「Retailor」
本イベントを主催したのは、Free Standard(フリースタンダード)。このように、ブランドが公式のリユース製品を次のユーザーへとスムーズに届ける仕組みを作り、「Retailor(リテーラー)」というサービスとして提供しています。このサービスを提供するFree Standardの取締役・野村さんに、Retailorについてお話を伺いました。
循環型経済を支える仕組みづくりを裏側で支援 Retailorは、ブランドが下取りした製品を管理し、販売するまでの流れをサポートするサービス。製品が長く使い続けられるようにすることで、循環型経済を支えようとしています。
「ブランドが一度世に出したものを自らブランドの元に戻して、しっかりクリーニングやメンテナンスなどを施して次のオーナー様に届けていく。アイテムを循環させ、廃棄を減らすたこの商流を作っていくことを考えています」(野村さん。以下同)
具体的には、下取りする際の擦れや傷などの基準決定や、受け取った製品の保管やクリーニングをし、販売後に発送する作業なども行います。
「特にファッション業界は、廃棄が多いと厳しい視線が向けられています。その中でリユースに興味はあるけれど、なかなか手が回らないブランドさんたちを裏側でサポートしています」
ブランドにも、そのファンにもプラスになるリユースFree Standardがこの事業を始めて3年ほど。普段はEC販売や直営店の中での販売を支援している同社。ブランドやそのユーザーから、喜びの声が多く届いているそうです。
「ファンの方は、毎シーズン新商品が欲しいけれど、すでにクローゼットがいっぱいなのに増やすことに葛藤もある。増してや捨てるのは心苦しい。そんなとき、持っていたものをブランドに引き取ってもらえ、買い物に使えるクーポンももらえるのがありがたいと。そうした声を実際に聞いているブランドスタッフの方も、とても喜んでくださっています。」
その中で多く寄せられたのが「ブランド公式リユースが集まったショップに行きたい」という要望。それに応えながら、まだ一般的になっているとは言えない「ブランド公式リユース」に実際に触れてもらえる機会を作ろうと、今回初のリアルイベント開催に至りました。
「リユースを世の中の当たり前にしたい」。今後はより広い分野に環境を守ることができて、ブランドにもファンにもプラスになるRetailor。現在はアパレル・スポーツ・アウトドアを中心に行っていますが、今後これをより定着させ、様々なジャンルに広げていきたいと野村さんは語ります。
「リユースを世の中の当たり前にしていきたいです。今回のイベントのように知名度の高いブランドさんと取り組んでいくことはその第一歩です。僕らが多くの成功事例を出すことができれば、リユース販売にまだ踏み切れていないブランドさんたちにも広がっていくと思います。」
ひとつの製品が長く受け継がれる。新しい買い物のかたち
Retailorから生まれたイベントRe:LIKE。次回の日程は未定ですが、「キッズ」アイテムでの準備が進行中。その後もスポーツやメンズ・レディースなど、テーマを変えて継続していきたいと考えているそうです。誰かが使わなくなっても捨てることなくブランドへと託してくれ、メンテナンスされたアイテム。そんなふうにたくさんの人の手を介して巡ってきたものの中にお気に入りが見つけられたら、普段の買い物以上に不思議な縁を感じられ、大切にしたくなりそう。みなさんもそんな特別な出合いのある買い物の場を楽しんでみませんか。writer / Sheage編集部 photo / 林ひろし
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