<光る君へ>「やってしまえばよいのです」高畑充希“定子”も…強く賢い宮中の女性たち 男性陣との対比くっきり
吉高由里子が主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)は4月28日に第17回「うつろい」が放送され、栄華を極めた藤原道隆(井浦新)の最期が描かれた。権力の所在もうつろう中、自身と自身の守るべきもののため強く賢く立ち回る女性たちが印象深く描かれた回でもあった。(以下、ネタバレがあります)
道隆の最期は「まるでホラー」
「源氏物語」を生み出した平安時代の女流作家・紫式部の人生を描く「光る君へ」。脚本家・大石静が脚本を務め、主人公・紫式部こと“まひろ”を吉高が、彼女の生涯の“ソウルメート”となっていく藤原道長を柄本佑が演じている。
関白に上り詰めた道隆が43歳にしてこの世を去った第17回。病に冒された道隆が中宮・定子(高畑充希)を訪ねて狂ったように「皇子を産め!皇子を産め!」と迫り、さらには後継者・伊周(これちか=三浦翔平)のため一条天皇(塩野瑛久)に「伊周を関白に!」と懇願するなど、権力欲におぼれた醜い姿に視聴者も「狂ってる」「まるでホラー」と衝撃。肝心の伊周も公卿たちからは嫌われ一条天皇の信頼も得られていない様子で、隆盛を極めた道隆ら中関白家に影が差す様子が印象的に描かれた。
詮子に続き、定子も…策士の顔に
そんな第17回では、一族の男たちの姿とは対照的に定子の“覚醒”っぷりも描かれた。定子は伊周に、「父上のお命のあるうちに、兄上は帝から内覧のお許しを得られませ」と、関白に準ずる“内覧”の職に就くようアドバイス。“内覧”が置かれた先例も事前に調べる周到さで「20年ぶりでもなんでも、やってしまえばよいのです」と、一条帝の前では見せない策士の顔で頷いた。
一方、定子の“姑”にあたる女院こと詮子(あきこ=吉田羊)も負けてはいない。道隆と政治的に対立してきた詮子は、「あの出過ぎ者の伊周に関白になられるのは嫌」ときっぱり。すでに宮中を出て道長の住まいである土御門殿で暮らすが、内裏の勢力図はしっかりアップデートしている様子。道兼(玉置玲央)を次の関白に推すと明言し、「大納言も中納言も参議も、公卿はみんな伊周が嫌いだから、そこは私が一押しすればうまくいくはず」と、自らは表に出ることなく政治に影響力を及ぼす構えを見せた。時局を読み切った詮子の迫力に、道兼も道長(柄本佑)も「お~…」と恐れ入るばかりだ。
「本当に嫌」切れ味鋭い清少納言に視聴者喝采
政治力に長けた一面を見せる女性たちの姿が印象的に描かれた第17回に、視聴者からも「定子様も詮子様も藤原の血を引いているんだなっていうことがよくわかる回だった」「この作品、女性が待ってるだけの存在として描かれてないのがいい!」「男性よりも権謀術数に長けた女性たち。面白くなってきた!」「宮中で生き抜くにはしたたかさが必要」といった声が上がった。
そして宮中といえば、定子のもとでで女房づとめをする清少納言(ファーストサマーウイカ)が斉信(ただのぶ=金田哲)を冷たくあしらうシーンも登場した。「なぜ返歌をくれぬのだ」と胸元に手を差し入れる斉信に対し、清少納言は「“深い仲”になったからといって自分の女みたいに言わないで」「そういうことネチネチ聞くあなたは本当に嫌」と取りつく島もない。このシーンには「斉信を袖にするウイカ清少納言様、かっこよすぎる」「勝気なウイカ様たまんないな!」と喝采の声が上がった。
しっかりと自分の意思を持ち、その意思に従って行動する自立した女性たちの姿が印象的だった第17回は、Xでも「#光る君へ」がトレンド1位に浮上する反響ぶり。まひろも<何を書きたいのかはわからない。けれど、筆をとらずにはいられない>と、書くことに一歩前進した。続く5月5日(日)放送の第18回「岐路」では道兼、そして、その次へ…関白の座のゆくえが描かれる。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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