小林麻央さん死去　闘病中のブログに込めた思い　最後の更新は…

2016年9月1日：ブログ開設「なりたい自分になる」

ブログ開設後初のエントリーは2016年9月1日、タイトルは「なりたい自分になる」。

乳がんが明らかになってからの心境を「病気の陰に隠れようとして心や生活をさらに小さく狭いものにしてしまいました」と吐露し、「ブログという手段で陰に隠れているそんな自分とお別れしようと決めました」と、ブログ開設の理由は“なりたい自分になるため”と強い気持ちをつづっていた。

長女・麗禾（れいか）ちゃん、長男・勸玄（かんげん）くんへの思いを込めながら、「子供に、『いつも一緒にいられなくてごめんね。何にもしてあげられなくてごめんね。』と胸を痛めてるママがいたら、あなただけでなく、私も同じですと伝えたいです」と病と闘う人に寄り添った。

9月5日：「私の幸運のひとつは、姉の妹に生まれたこと」

姉でフリーアナウンサーの小林麻耶への思いを「私の幸運のひとつは、姉の妹に生まれたことだと思っている」と断言し、「これまで、『頼りになる姉』であろうと、精一杯がんばってくれた！でも、最近、『頼りになる』に無理してこだわらず、ありのままを心がけているようだ」と麻耶の近況をつづった。

「『本人が一番つらいのだから』というのは単純だけれど、まわりもつらいのは一緒。究極、人の不安、苦しみ、悲しみは上も下もなく、推し量れないと思う。やっぱり、その人自身のものだから」と思い直し、「でも、それを分かりたいと思ってくれる分かろうとしてくれる存在は、本当にかけがえのない愛そのもの」と姉の強い愛をしみじみと実感し、受け止めた。

9月20日：がん発覚時の思い「心の準備は意外とできており」

この日は、生検の結果を告知された2014年10月当時について「診察室に入った時の先生の表情で、『陽性だったんだな、癌なんだな』と分かった」と振り返った。

「心の準備は意外とできており、冷静に先生のお話を伺った」という小林だが、「この時点では、まだ脇のリンパ節転移のみだった（その後、現在肺や骨などに転移あり）」と現在の病状を告白。小林が結婚した頃に、母が同じく乳がんを患っていたため、「治療に関する知識はある程度あった」という。

10月1日：手術を受けていた「奇跡はまだ先にある」

「病院の先生方の勇断により、先日、手術を受けることができました」と局所コントロール、QOL（Quality Of Life＝生活の質）のための手術を受けたと報告。「一時は、胸や脇の状況が深刻になってしまったため、手術さえも選択にありませんでした」と明かし、「先生方が大きな手術にチャレンジして下さったことは、大いに大いに喜んで、心からの感謝をしています。まわりの皆は、ここまでこられたことが奇跡だと言ってくれますが、奇跡をここでは使いたくないです。奇跡はまだ先にあると信じています」と前向きにつづった。

10月3日：ステージ4のがんを告白「先生、私は治したいんです」

手術までに何度も転院したという麻央さんは、「『先生、私は治したいんです。奇跡を起こしたいんです！！』と言いました」と医師とのやりとりを紹介。「大きく思える夢や目標も抱くことはできる」と力強く語り、「私はステージ4だって治したいです！！！」と病状について告白した。

10月9日：子どもと久々の外出　海老蔵「最近の中で一番幸せな日です」

麗禾ちゃんと勸玄くんと久々に外出。「久しぶりにお化粧をして出かけました。子供達と一緒です」と2人を抱いて笑顔を見せるショットを公開。海老蔵も麻央さんのブログを受け、リブログし「よかった。嬉しい」とコメント。

3人の様子を「麗禾の顔が史上最高に晴れやか、、泣けるよ。麻央の顔もイキイキ」とつづり、「最近の中で一番幸せな日です」と感無量の心境を打ち明けている。

11月23日：日本人で初「女性100人」に選出「人生をより色どり豊かなものに」

イギリスの公共放送BCCによる今年の「女性100人」に選出され、BCCはホームページに「私の人生は、夢を叶え、時に苦しみもがき、愛する人に出会い、2人の宝物を授かり、家族に愛され、愛した、色どり豊かな人生」「与えられた時間を、病気の色だけに支配されることは、やめました。なりたい自分になる。人生をより色どり豊かなものにするために。だって、人生は一度きりだから」と麻央の手記を掲載。

この日のブログで麻央さんは「人間なので、いつでもこんな気持ちでいられるわけではありませんが、私なりの葛藤の先にたどり着いた思いです」と説明した。

12月20日：再入院「気力で復活させようとしてきた」

「本当は自宅にいたかったので、気力で復活させようとしてきた」としつつ、主治医のすすめもあり再入院となったことを明かした麻央さん。「入院しようと何度か言われても『負けてたまるかー』と謎のひとり勝負を続け、そして今になり、あっけなく入院。またやってしまいました。頑固。自分を思い知らされることばかりです」と反省の弁をつづっていた。

2017年1月9日：がん公表後初のテレビ出演「市川海老蔵をパートナーとして支えられるチャンスを、神様下さい」

日本テレビの市川海老蔵密着ドキュメンタリー特番「市川海老蔵に、ござりまする。」（よる10：00～）に、出演。がん公表以来、テレビ出演は初めて。

黒髪ショートヘアのウィッグ姿の麻央さんが、入院している病室で海老蔵への思いなどを語った。病気という試練を乗り越えた時に、病気をする前より「（海老蔵の）いいパートナーになれるかもしれない」と語った麻央さんは「『役者・市川海老蔵をパートナーとして支えられるチャンスを、神様下さいっていつも思う」と話しながら大粒の涙を流した。

11日付のブログでは「今は今しかないので、記録として残すことができてよかった、と後悔なく放送をみることができました」とテレビ出演を回顧。

1月30日：退院で変化「子供達が見える世界は楽しい」

29日に退院した麻央さんは30日付の更新で、「子供達が『ママ、帰ってきてくれてありがとう』と言ってくれました」と2人の言葉を紹介。「ほぼ動けずに 座ったり寝たりしているだけですが、子供達の姿が見える世界は楽しいです。朝、寝ている私のおでこにキスをして、幼稚園へ行きました！！」と自宅で家族と過ごす生活に嬉しさをにじませた。

3月29日：検査結果「思っていたより悪かった」

血液検査を受け「思っていたより悪かった」と結果を報告。自身を励ますように「がびちょーーーーんっ！！気が明るくなった。有難い言葉だ」と気丈につづった。

4月19日：久々のブログ更新「一緒に泣いてくれてありがとう」

この日は5日ぶりの更新。「ここずっと 一日中横になっている毎日でした。息苦しさと 変な発汗と 痛みと」と体調を説明し、「10日前まで普通に歩けたのに、10歩歩くのもやっとになってしまうのだから」と変化をつづった。

母とともに涙したことも明かし、「一緒に泣いたあと残るのは、不思議と 安堵感です。苦しくても ひとりぼっちにはならない。お母さん、一緒に泣いてくれてありがとう」と感謝した。

5月13日：「できることが少なくなっていく自分が怖くなって」

退院に向けて準備中の麻央さんは「できることが少なくなっていく自分が怖くなってしまい」と吐露。姉の麻耶や子どもたちの献身的なサポートに「本当に まわりのみんなみんなのおかげです」と改めて感謝した。

5月29日：在宅治療に切り替え「やはりわが家は最高」

「退院致しました。皆様、たくさん祈って下さり、ありがとうございました」と1ヶ月ぶりの退院。「一ヶ月ぶりの 我が家の香り。人参ジュースでお祝いです」と家族で退院を祝ったようで「やはりわが家は最高の場所です」とコメント。在宅医療に切り替え、自宅で点滴などを続けることを明かした。

6月20日：最後の更新に…「皆様にも、今日笑顔になれることがありますように」

「オレンジジュース」のタイトルで更新。「おはようございます。ここ数日、絞ったオレンジジュースを毎朝飲んでいます。正確には、自分では絞る力がないので、母が起きてきて、絞ってくれるのを心待ちにしています。今、口内炎の痛さより、オレンジの甘酸っぱさが勝る最高な美味しさ！朝から 笑顔になれます。皆様にも、今日 笑顔になれることがありますように」。

ブログはこれが最後の更新となった。

麻央さんのブログにコメント殺到

23日早朝には海老蔵が自身のブログにて「人生で一番泣いた日です」と心境を吐露。

麻央さんのブログには23日正午までにファンから5000件を超えるコメントが殺到していた。

麻央さん最期の言葉は　海老蔵が涙の会見

23日の緊急会見で海老蔵は「昨日夜に、妻、麻央が旅立ちました」と報告。麻央さんの最期の様子について「わたしは昨日も舞台でして、それまで麻耶とお母さんとで看病していました。私は別の撮影がありまして、稽古もありまして、1時間ほど遅れて見た内容が『具合が悪くて家族を呼んだほうが良い』と言われて、慌てて家に帰りました。一昨日までは喋れたのですが、昨日はもう喋れなくて、息を引き取る瞬間は私は見ていました」とつぶさに明かす。

涙をこぼしながら続けた海老蔵は「これは本当に不思議なんですけど、最後に『愛してる』と言って、本当にそのまま旅だちました」と言い「『愛してる』の『る』は聴こえなかったかもしれないんですけど、『愛してる』と言って旅立ったのが、愛されていたのはわかっていたんですけども、最後の最後まで愛していてくれたことに…なんともいえませんね」とその様子を明かした。

（modelpress編集部）

情報：小林麻央さん、市川海老蔵