【山形県知事・吉村美栄子】第3回「子育て中に考えていた思いを形に。県民総ぐるみで子育て応援団!」
2024.05.07 10:00
提供:ママスタ☆セレクト
第1回から読む。
前回からの続き。「子育て応援パスポート」や「子育てタクシー」など、山形県では県民だれもが「子育てするなら山形県」と実感できるよう、県、県民、保護者及び事業者等が連携して、県民総ぐるみで「山形みんなで子育て応援団」活動を実践しています。吉村美栄子山形県知事の子育て経験にもとづく提案が、どのように政策にむすびついたのか、詳しく伺いました。
──吉村知事は山形県出身で、結婚後には2人のお子さんの子育ても経験されました。当時、ママとして行政に期待していたことはありましたか?
吉村美栄子山形県知事(以下、吉村知事):子どもが遊べる屋内施設があったらいいのにと思っていました。山形県では、冬、雪が降ると外で遊べないこともあります。とくに乳児のころは外で遊ぶ場所も限られ、寒さや雪の影響でお出かけも慎重になります。かつて私も、子どもを乳母車に乗せて外出しましたが、行く先がなく、寒いなか近所をウロウロしていたら子どもに風邪をひかせてしまったんです。私にとってつらい思い出です。
知事になってからは、子育て中の親子が楽しい時間を過ごせる場所を増やすよう心がけています。たとえば県立図書館をリニューアルする際には、乳児も連れて行けるスペースを作りました。ミルクを作ったりおむつを替えたりすることもでき、さらに防音になっているため、静かな図書館でも安心して子どものお世話ができます。これにより、寒い季節でも親子で快適に本を楽しむことができる空間が生まれました。
──図書館以外にも変えたところはありますか?
吉村知事:子ども連れの方が外出先でも安心して授乳やおむつ替えができる施設を県が登録・周知する「赤ちゃんほっと♥ステーション」を作りました。先日、県庁にもベビーケアルームを設置しました。子育て中の方々が気軽に施設を利用できる環境を整えることで、職員との会話を通して要望なども伝えやすくなるのではないかと期待しています。
──吉村知事は、就任1期目から子育て支援施策に取り組んでいます。現在実施している「山形みんなで子育て応援団」活動について、詳しく教えてもらえますか?
吉村知事:山形県では、県と県民、保護者、事業者など、県民誰もが子育てを支援し、県民総ぐるみで「山形みんなで子育て応援団」として活動しています。この応援団の政策は主に5つの事業があります。
1つ目は「子育て応援パスポート事業」。子育て家庭に紙や電子画像でパスポートを発行し、協賛企業や店舗で商品購入額の割引やポイントが付くようなサービスを実施しています。
2つ目は「子育てタクシー」推進事業。これは保育所や学校、塾などに子どもを迎えに行けないとき、保護者にかわってタクシーで子どもたちを迎えに行くサービスです。なかでも子どもの体調不良など夜間救急病院への送迎や、荷物が多くなりがちな乳幼児を連れての外出時にこの子育てタクシーを頼むと、ベビーカーの収納や玄関先まで荷物を運ぶのを手伝ってくれます。チャイルドシートの準備もあるので、小さな子どもを連れての外出にはとても助かると思います。
3つ目は「やまがた子育て応援サイト」。子育て家庭向けに役立つ情報を発信しています。今年度は、「わくわく体験ガイド」として、山形の豊かな自然や伝統文化などを子どもと一緒に体験できる県内各地のお出かけスポットを紹介しています。
4つ目は、さきほど少しお話ししましたが「赤ちゃんほっと♥ステーション」事業。授乳やおむつ替えができる施設として県内に71施設(令和6年2月末現在)を登録しています。
5つ目は「やまがた他孫(たまご)育て支援事業」。意欲のあるシニアの方たちに子育てに必要な研修会を受講してもらい、地域の子育て支援に関わってもらうことで子育てを応援する取組みをしています。
──行政を通じて、さまざまな世代の方との交流が生まれそうですね。
吉村知事:私自身も、積極的に現場でママやパパたちとの対話を重ねながら、今後もサポートを進めていきたいと考えています。これからも「子育てホンネトーク」といった座談会の形で子育て中のパパやママと直接対話するなど、リアルな声やニーズを聞いていきます。それをもとに実効性ある施策を打ち出していくことが目標です。これからも地域全体で協力しながら、子育てを支える仕組みを築いていきます。
(編集後記)
吉村知事は、子育て経験から生まれた課題に積極的に取り組み、「山形みんなで子育て応援団」活動など地域全体でのサポートを進めています。これにより、子育てがしやすい環境が整いつつあります。今後も親御さんたちの実際のニーズに耳を傾けた、より充実した子育て支援が期待できそうですね。
※取材は2024年2月に行いました。記事の内容は取材時時点のものです。
【聞いてみたい!】バスケットボール河村勇輝選手や、お金・教育その他の専門家インタビュー
取材、文・間野由利子 編集・荻野実紀子
前回からの続き。「子育て応援パスポート」や「子育てタクシー」など、山形県では県民だれもが「子育てするなら山形県」と実感できるよう、県、県民、保護者及び事業者等が連携して、県民総ぐるみで「山形みんなで子育て応援団」活動を実践しています。吉村美栄子山形県知事の子育て経験にもとづく提案が、どのように政策にむすびついたのか、詳しく伺いました。
冬の寒い日、子どもを連れていける場所がなかった
──吉村知事は山形県出身で、結婚後には2人のお子さんの子育ても経験されました。当時、ママとして行政に期待していたことはありましたか?
吉村美栄子山形県知事(以下、吉村知事):子どもが遊べる屋内施設があったらいいのにと思っていました。山形県では、冬、雪が降ると外で遊べないこともあります。とくに乳児のころは外で遊ぶ場所も限られ、寒さや雪の影響でお出かけも慎重になります。かつて私も、子どもを乳母車に乗せて外出しましたが、行く先がなく、寒いなか近所をウロウロしていたら子どもに風邪をひかせてしまったんです。私にとってつらい思い出です。
知事になってからは、子育て中の親子が楽しい時間を過ごせる場所を増やすよう心がけています。たとえば県立図書館をリニューアルする際には、乳児も連れて行けるスペースを作りました。ミルクを作ったりおむつを替えたりすることもでき、さらに防音になっているため、静かな図書館でも安心して子どものお世話ができます。これにより、寒い季節でも親子で快適に本を楽しむことができる空間が生まれました。
乳幼児連れの親たちが集まりやすい空間づくり
──図書館以外にも変えたところはありますか?
吉村知事:子ども連れの方が外出先でも安心して授乳やおむつ替えができる施設を県が登録・周知する「赤ちゃんほっと♥ステーション」を作りました。先日、県庁にもベビーケアルームを設置しました。子育て中の方々が気軽に施設を利用できる環境を整えることで、職員との会話を通して要望なども伝えやすくなるのではないかと期待しています。
県民総ぐるみで「山形みんなで子育て応援団」活動
──吉村知事は、就任1期目から子育て支援施策に取り組んでいます。現在実施している「山形みんなで子育て応援団」活動について、詳しく教えてもらえますか?
吉村知事:山形県では、県と県民、保護者、事業者など、県民誰もが子育てを支援し、県民総ぐるみで「山形みんなで子育て応援団」として活動しています。この応援団の政策は主に5つの事業があります。
1つ目は「子育て応援パスポート事業」。子育て家庭に紙や電子画像でパスポートを発行し、協賛企業や店舗で商品購入額の割引やポイントが付くようなサービスを実施しています。
2つ目は「子育てタクシー」推進事業。これは保育所や学校、塾などに子どもを迎えに行けないとき、保護者にかわってタクシーで子どもたちを迎えに行くサービスです。なかでも子どもの体調不良など夜間救急病院への送迎や、荷物が多くなりがちな乳幼児を連れての外出時にこの子育てタクシーを頼むと、ベビーカーの収納や玄関先まで荷物を運ぶのを手伝ってくれます。チャイルドシートの準備もあるので、小さな子どもを連れての外出にはとても助かると思います。
3つ目は「やまがた子育て応援サイト」。子育て家庭向けに役立つ情報を発信しています。今年度は、「わくわく体験ガイド」として、山形の豊かな自然や伝統文化などを子どもと一緒に体験できる県内各地のお出かけスポットを紹介しています。
4つ目は、さきほど少しお話ししましたが「赤ちゃんほっと♥ステーション」事業。授乳やおむつ替えができる施設として県内に71施設(令和6年2月末現在)を登録しています。
5つ目は「やまがた他孫(たまご)育て支援事業」。意欲のあるシニアの方たちに子育てに必要な研修会を受講してもらい、地域の子育て支援に関わってもらうことで子育てを応援する取組みをしています。
リアルな声やニーズを把握し政策に反映
──行政を通じて、さまざまな世代の方との交流が生まれそうですね。
吉村知事:私自身も、積極的に現場でママやパパたちとの対話を重ねながら、今後もサポートを進めていきたいと考えています。これからも「子育てホンネトーク」といった座談会の形で子育て中のパパやママと直接対話するなど、リアルな声やニーズを聞いていきます。それをもとに実効性ある施策を打ち出していくことが目標です。これからも地域全体で協力しながら、子育てを支える仕組みを築いていきます。
(編集後記)
吉村知事は、子育て経験から生まれた課題に積極的に取り組み、「山形みんなで子育て応援団」活動など地域全体でのサポートを進めています。これにより、子育てがしやすい環境が整いつつあります。今後も親御さんたちの実際のニーズに耳を傾けた、より充実した子育て支援が期待できそうですね。
※取材は2024年2月に行いました。記事の内容は取材時時点のものです。
【聞いてみたい!】バスケットボール河村勇輝選手や、お金・教育その他の専門家インタビュー
取材、文・間野由利子 編集・荻野実紀子
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