“結成15周年”ORANGE RANGEの転機「すごく悩んでいた」―RYO&NAOTOが語る『上海ハニー』ブレイクまでの葛藤 モデルプレスインタビュー
2016.08.12 20:00
結成15周年を迎えた5人組ロックバンド・ORANGE RANGE(オレンジレンジ)。YAMATO(ボーカル)、HIROKI(ボーカル)、RYO(ボーカル)、NAOTO(ギター)、YOH(ベース)の幼なじみの5人は、2001年に地元・沖縄市で結成。2003年6月、シングル『キリキリマイ』でメジャーデビューし、同年7月に発売された2ndシングル『上海ハニー』でブレイク。瞬く間にトップアーティストの仲間入りを果たした。中でも、2004年10月に発売された8thシングル『花』はロングヒットとなり、現在でも数多くのアーティストたちがカバーしている。今回モデルプレスでは、RYOとNAOTOにインタビューを行い、これまでの15年を振り返ってもらった。
結成15周年を振り返る…彼らの転機とは?
― 15周年を迎えましたが、振り返ってみていかがですか?RYO:あっという間でした。15周年ということで様々なメディアのインタビューでこれまでを振り返ってきましたが、すべてが濃厚です。僕たちは毎年ツアーに回っていて、フェスも1年だけ出演しなかった期間があったのですが、それ以外は毎年出演しています。なにかしらやっていたので、目まぐるしい15年でした。
NAOTO:あっという間でした。まだ7年くらいの感覚(笑)。ツアーも15年かけて218ヵ所で行ってきて、回数になるとわからないくらいもっともっとやっていると思います。
― そう15年を振り返ると紆余曲折したこともたくさんあったと思います。お二人にとって、転機となった楽曲はあるのでしょうか?
RYO:僕は『上海ハニー』です。その曲のおかげで、沖縄以外でライブができたり、ライブに来てくださるファンの方が増えました。九州でツアーしていたとき、ファンの方が想像以上に来てくださり「これドッキリか?」と思ったくらい自分たちも信じられなかったことがありました。『上海ハニー』は自分たちの今までの楽曲から方向転換した曲だったので、自分たちの中にどう取り入れるのか、考えながらやっていました。
「これでいいのか」と、個人的にはすごく悩んでいましたが、ライブをやっていくうちに、『上海ハニー』が段々と自分たちに馴染んできて。不思議ですよね、バンドだけで音を鳴らしていたときと違って、お客さんが一体になっているのを見ると、ライブの充実感があって。でも逆にすごく心配だったのが、アイドルっぽくなってしまうんじゃないかって。ですが、全然違った方向に向かえたので嬉しかったです。
NAOTO:『上海ハニー』ももちろん一発目の転機だと思うのですが、僕は『以心電信』かなと。ここからやるべきことが見えた曲でした。自分たちの個性を確立できた曲を作れるようになったというか、『上海ハニー』で迷っていた分、『以心電信』で決定打になったと思います。
― 逆になにか行き詰まった時期はあったのでしょうか?
RYO:『おしゃれ番長 feat.ソイソース』のとき、意味のないことを書くということがテーマだったのですが、「意味のないことってなに?」って(笑)。そういうことが、ほかのボーカル二人は得意なんですよ。大体おしゃれ番長という主人公を書くこともですが、言葉の語呂合わせみたいなことで遊ぶだけなので、そこに意味を持たせちゃいけないという。「なにを言うとるんや、こいつらは」って思って(笑)。すごく難しかったです。
だから、『おしゃれ番長 feat.ソイソース』でファンの方が盛り上がっている姿を見たときは、ちょっと混乱が起きましたね(笑)。
NAOTO:うーん、パッと出てこない…。僕はあんまりないかも!あまり考えないようにしているタイプなので。
RYO:曲は(NAOTOが)ほとんど作ってくれるんですけど、自分の中の流行りをすごく大事にしてくれて。それがまた僕たちの幅にもなったりしています。
ロングセラー『花』
― そんな様々な経験をしてきたわけですが、やっぱりロングセラーとなった『花』は、世代を越えて今でも愛され続けているORANGE RANGEのみなさんにとっての代表曲だと思います。お二人にとってはどう感じていますか?RYO:あそこまでバラード曲にしたのは初めてかなと思います。バンドのグループだから、そこまでは踏み込まないというところまで踏み込んだ曲です。それは、僕らにとっても挑戦でした。あと、主題歌となった映画『いま、会いにゆきます』と、『花』とのマッチングが良かったんですよね。こうマッチすると、ロングセラーになるんだなと実感しました。
でも当時、『花』がミリオンを達成できたことって自分たちには実感がありませんでした。『花』が収録されているアルバムリリースの翌日に「ミリオンいったよ」とスタッフさんに言われても、「あっ、そうなんだ」って、きょとんとしたことを覚えています。事の大きさに気が付いていなかったんだと思います。
NAOTO:やっぱり当時は実感がなくて。今、多くの地方を回っていて、市民会館とか小さなホールでもライブをやっていますが、年配の方が『花』を聴いて、うるっとしているところを見ると「ロングセラーなんだな」「愛されているんだな」ってやっと実感できるようになりました。
RYO:当時はほかのアーティストさんの楽曲もミリオンを突破していました。なので、ミリオンと言われても次の楽曲の制作に入っていて、そこに集中しているからわからなかったんだと思います。
― 踏み込んだバラードとおっしゃっていましたが、リリースすると決まったとき、みなさん納得がいっていたのですか?
RYO:そうですね。そのときは「どんな曲でもやる」という乾いたスポンジみたいでした(笑)。全部自分たちのものになるという感覚がありました。なにをやってもORANGE RANGEなんだって。なので、自分たちのできないところまで踏み込んでやるきっかけにもなったので、この曲にはすごく感謝しています。
コラボベストアルバム『縁盤』をリリース
そんな彼らは、コラボベストアルバム『縁盤』をリリース。これまでに培ってきた数々の“縁”、これから作り上げていく新たな“縁”をテーマに、数ある楽曲の中からメンバーが選りすぐった15 曲を“縁”のある人々とともに作り上げたコラボベストアルバム。タイトルにはその縁(えん/ゆかり)によって強く結ばれてきた絆(きずな/ばん)という意味も込められており、支えてきてくれた人たちへの感謝の気持ちが詰まった作品となっている。― 今回アルバム『縁盤』がリリースされます。なぜ、15周年というタイミングでコラボアルバムにしようと思ったのでしょうか?
RYO:僕たちが主催している「縁舞」のイベント後、打ち上げをやりながらライブに参加していただいた方たちとお話していると「こういう考え方とか、価値観は自分になかったものだな」など、どんどん自分らが受け入れることによって、繋がりがすごく大事なんだなと思うようになりました。「縁舞」のテーマは“縁”なんですけど、それがなんとなく自分たちの中で出来上がっていて、それで今回コラボアルバムにしようと。元々15周年でアルバムはリリースしようと思っていたので、今回の「縁舞」の話が出てきたとき、「じゃあコラボで再録をやったら面白いんじゃないのかな」となりました。
― これまで数多くの楽曲をリリースしてきた中でなぜこの15周年という区切りのいい年にも関わらず、ORANGE RANGEがブレイクのきっかけとなかった『上海ハニー』は収録されていないのでしょうか?
NAOTO:それぞれの“縁”を大切にしたい曲がたくさんあったので、今回は音源としては収録していませんが、完全生産限定盤のDVDではLIVE映像として『上海ハニー』をセレクトしています。
― 逆にロングセラーとなった『花』は入れようと?
RYO:ここ近年、アコースティックバージョンでやることが増えてきて、「この形でやったら面白いかな」と思いました。シンプルですが、ちょっと違った『花』になるのかなって。アコースティックなのでテンポを落としたので、歌う方はちょっと難しかったですね。
― では、今回のアルバムのポイントを教えてください。
RYO:音数を少なくしてすごくシンプルにしているので、このアルバムを近くに感じてほしいです。派手にするのもかっこいいのですが、今回は僕たちの中にある人間らしさのような温かさを感じてほしいです。
NAOTO:僕は曲順が気に入っています。1番から2番のつなぎとか、2番から3番とか、15曲の曲順を1~15番まで聞くと「いい流れができているな」と思えると思います。
今後のORANGE RANGEと夢を叶える秘訣を語る
― 今回のアルバムは“縁”を大切にしていますが、ORANGE RANGEのみなさんが今後16年目に突入するにあたり、大切にしたいことはありますか?RYO:これからも“縁”は広がっていくと思います。だから、それを自分たちの中に入れる懐をどんどん大きくしていきたい。今回参加してくださった方以外からも、エネルギーをすごくいっぱいもらったので、これからも継続していきたいです。そして、アンテナをずっと張り続けたいです。
NAOTO:僕らのバンドってRYOとHIROKIが社交的なんですよ。だから僕も見習わないといけないなって思って(笑)。やっぱり楽しそうにしているし、友達は多い方がいいから、20周年までには10人くらい増やしたいです(笑)。
― 最後に夢を追いかけているモデルプレス読者に向けて夢を叶える秘訣を教えてください。
RYO:チャンスというか、きっかけはいきなり到来します。「来い!来い!」と思ってもやって来ないときもあるし、来るときもあるので、常に準備をしておくこと。来たときにすぐ動けるようにすることが大事なのかなと。準備をすることはすごく大変ですが、気持ちがそれに勝てれば出来るようになります。それが今、出来ることだと思うので、準備をしておいてください。
NAOTO:やりたいことがあったら、なにも考えずにそれだけをやる。途中でほかの意見を言われてしまうこともあるかもしれませんが、やれることをとにかくやってみる。成功するかはわからないけど、僕たちがいい例です。そしたら、出会いも広がっていきます。いっぱいやって、いっぱい人と繋がると、どこかで夢を叶えるチャンスを掴めるようになると思います。
― ありがとうございました。
47都道府県ツアー「au presents ORANGE RANGE LIVE TOUR 016-017 ~おかげさまで15周年!47都道府県 DE カーニバル~」開催
そんなORANGE RANGEは9月から初めて47都道府県ツアー「au presents ORANGE RANGE LIVE TOUR 016-017 ~おかげさまで15周年!47都道府県 DE カーニバル~」を開催。その旗印として、2008年以来8年2か月ぶりとなる日本武道館公演を行い、最終公演は地元沖縄で開催される。まだまだ明かせないというが、見どころを少しだけ聞いてみた。「15周年らしく、新しい曲だけでなく、過去の曲もたくさんやります。この15年間を約2時間のライブで表現します!」(RYO)、「『上海ハニー』も『花』も歌うし、『おしゃれ番長 feat.ソイソース』みたいな楽曲もあるから、『こいつらなんなんだ』って思うかも(笑)。そんな楽しい雰囲気を届けられたらと思います」(NAOTO)とそれぞれ語ってくれた。
結成15周年も経つけれど、まだまだ勢いの止まらないORANGE RANGE。彼らは、全国ファンのために今日も走り続けるのだ。(modelpress編集部)
ORANGE RANGE15周年企画コラボベストアルバム『縁盤(えんばん)』
7月20日発売<CD>
01.キリキリマイ/ORANGE RANGE × ORANGE RANGE
02.以心電信/ORANGE RANGE × MONGOL800
03.キズナ/ORANGE RANGE × 来生たかお
04.Walk on/ORANGE RANGE × よなは徹 with リュウグウノツカイ
05.GOD69/ORANGE RANGE × 岡峰光舟(THE BACK HORN), 有松益男(BACK DROP BOMB), 男鹿 なまはげ太鼓
06.ウトゥルサヌ/ORANGE RANGE × 高橋幸宏 with リュウグウノツカイ
07.SUSHI 食べたい feat.ソイソース/ORANGE RANGE × Sugar's Campaign
08.鬼ゴロシ/ORANGE RANGE × SASSY(INKT)
09.チャンピオーネ/ORANGE RANGE × 山内中学校吹奏楽部
10.Иatural Pop/ORANGE RANGE × Kuboty(TOTALFAT) with リュウグウノツカイ
11.花/ORANGE RANGE × K
12.one/ORANGE RANGE × 山元タイム, ふじ幼稚園
13.SP Thanx/ORANGE RANGE × You with 安次嶺希和子
14.Silent Night/ORANGE RANGE × 琉球國祭り太鼓, ARIA with 安次嶺希和子
15.ここにいるよ/ORANGE RANGE × シライシ紗トリ ※新曲
ORANGE RANGE(オレンジレンジ)プロフィール
YAMATO(ボーカル)/HIROKI(ボーカル)/RYO(ボーカル)/NAOTO(ギター)/YOH(ベース)。沖縄市・コザに在住する5人組ロックバンド。2001年に結成し、2002年2月22日アルバム『オレンジボール』でインディーズデビュー。2003年『キリキリマイ』でメジャーデビュー。ジャンルにとらわれない自由かつ高い音楽性と、卓越したポピュラリティが話題となり、数々の名曲を送り出し続けている。2016年、バンド結成15周年を掲げたアニバーサリーイヤーを展開。7月20日に15周年記念コラボベストアルバム『縁盤』をリリース。9月から翌年にかけて「ORANGE RANGE LIVE TOUR 016-017 ~おかげさまで15周年!47都道府県 DE カーニバル~」と銘打った、お祭りモード全開の全県ツアーを開催。
[PR]提供元:ビクターエンタテインメント
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