「第41回日本アカデミー賞」授賞式＜結果まとめ／写真特集＞

「第41回日本アカデミー賞」

「第41回日本アカデミー賞」は、2016年12月16日から2017年12月15日までに東京地区において有料で初公開された優秀な劇場用映画及びアニメーション作品を表彰。

優秀主演男優賞、優秀主演女優賞などを受賞したものから各最優秀賞を決定する。

司会は第37回より5年連続18度目となる俳優の西田敏行と、『湯を沸かすほどの熱い愛』で第40回最優秀主演女優賞を受賞した宮沢りえが務める。

「新人俳優賞」

新人俳優賞を受賞した中条あやみ、浜辺美波、北村匠海（DISH//）、竹内涼真の4人が登壇。

「君の膵臓をたべたい」で浜辺美波＆北村匠海がW受賞

浜辺と北村はW主演をつとめた映画『君の膵臓をたべたい』（＝キミスイ）で受賞。

「チア☆ダン」で中条あやみが受賞

中条は、広瀬すず主演の『チア☆ダン～女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話～』で受賞。

「帝一の國」で竹内涼真が受賞

竹内は、菅田将暉主演の『帝一の國』で受賞した。

「最優秀助演女優賞」

最優秀助演女優賞を『三度目の殺人』の広瀬すずが受賞。

第39回『海街diary』で新人俳優賞、第40回『ちはやふる-上の句-』で優秀主演女優賞、『怒り』で優秀助演女優賞に選ばれ、19歳にして今回3年連続の受賞となった広瀬。プレゼンターとして登場した、第40回最優秀助演男優賞（『怒り』）の妻夫木聡から名前を呼ばれると、驚きの表情を浮かべた。

受賞のスピーチでは、「本当にありがとうございます。ちょっと何をしゃべればいいか分からないですけど…」と言葉が途切れながらも、「一番込み上がってくるのは“嬉しい”です。（是枝裕和）監督にはいつも見たことのない景色をたくさん見せていただいているので、これからは少しでも恩返しできるように、参加させていただいた作品で少しでも力になれるような役者さんになれるように、これからも頑張ります」とさらなる飛躍を誓った。

なお、このほか『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の尾野真千子、『探偵はBARにいる3』の北川景子、『家族はつらいよ2』の夏川結衣、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の薬師丸ひろ子が優秀助演女優賞を受賞した。

「最優秀助演男優賞」

最優秀助演男優賞は『三度目の殺人』の役所広司が受賞。

プレゼンターを務めた第40回最優秀助演女優賞の杉咲花から笑顔でブロンズを受け取った役所は「映画の仕事を始めて随分経ちますが、このアカデミー賞の会場には日本映画を支えてきた人に会うのが楽しみで来ていました。そういう方に影響を受けて真似をして、日本映画の中で働かせてもらってきました。今回は素晴らしい賞をいただきありがとうございます」と喜びを噛み締めていた。

なお、役所は『関ヶ原』でも優秀助演男優賞を受賞し、2作品での受賞。ほか、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の西田敏行、『家族はつらいよ2』の西村雅彦、『探偵はBARにいる3』の松田龍平、『武曲 MUKOKU』の村上虹郎が同賞を受賞した。

「話題賞」

『帝一の國』で話題賞・俳優部門を受賞した菅田将暉が登壇。

菅田は「『帝一の國』という映画は、同世代の皆が集まり、それこそ高校生とかから知ってる人達で『僕ら世代の話題になるものを作ろう』と思っていたので嬉しいです」とスピーチし、「（キャスト）皆で飲みたいと思います」と語った。

作品部門は『君の膵臓をたべたい』で、企画・プロデュースの臼井央氏が登壇。スピーチでは、「原作のタイトル自体が話題で、映画としても話題賞をいただいのは嬉しく思います。インパクトのあるタイトルに最初に出会ったのは若いプロデューサーでして、そんな若いプロデューサーが絶対に映画をしたいといい始めたことからでした」と映画化までの経緯を明かた。

「最優秀主演女優賞」

最優秀主演女優賞を『彼女がその名を知らない鳥たち』の蒼井優が受賞した。

発表の瞬間、驚きの表情を見せ、白石和彌監督とハグをして喜びあった蒼井。ステージに上ると感極まった表情で頭を抑え、しばし沈黙。涙を浮かべながら「ありがとうございます。何でしょうビックリしてます、本当に…」と言葉を絞り出した。

大きく息をついてから、「この映画を撮っている時に、私本当に映画界に入れてよかったなって思ったんです。なのにこんな大きな賞を頂いてしまって恐縮してます」と喜びを実感するように語り、「これから新学期が始まりますけど、もし学校が辛い方、新しい生活をどうしようと考えている方、ぜひ映画界に来ていただきたい。映画界って良くないですか？私好きなんです」と映画界に生きる喜びを力強くスピーチ。「優秀賞を獲られたみなさん、尊敬しています。みなさんといっしょに映画を盛り上げていきたい。白井監督ありがとございます」と感謝を伝えると、会場から大きな拍手が起こった。

なお優秀主演女優賞は蒼井のほか、『ミックス。』の新垣結衣、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の土屋太鳳、『散歩する侵略者』の長澤まさみ、『ユリゴコロ』の吉高由里子が受賞した。

「最優秀主演男優賞」

最優秀主演男優賞を『あゝ、荒野 前篇』の菅田将暉が受賞。

「報知映画賞」主演男優賞、「日刊スポーツ映画大賞」主演男優賞、「キネマ旬報ベストテン」主演男優賞、「毎日映画コンクール」男優主演賞、「おおさかシネマフェスティバル」主演男優賞など各賞を受賞する中、今回、初の「日本アカデミー賞」最優秀主演男優賞を受賞。

スピーチでは「本当にありがとうございます。こんなに信じられないことはあまりないと言いますか、そうですね…」と驚きながらも、「ほかにも賞をいただいたりしましたし、だんだん自分がどこにいるのか、今人格的に何なのか、何を大事にしているのか、実感する機会って自分で作らないとないんですけど、今日はちゃんと菅田将暉としてすごく嬉しいです」とコメント。「月並みですが、『あゝ、荒野』に関わった皆様、映画が大好きな皆様、本当にありがとうございました」と感謝を語った。

なお、このほか優秀主演男優賞は『探偵はBARにいる3』の大泉洋、『関ヶ原』の岡田准一、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の佐藤健、『22年目の告白 -私が殺人犯です-』の藤原竜也が受賞した。

「最優秀作品賞」

最優秀作品賞を是枝裕和監督の『三度目の殺人』が受賞。

同作からは、最優秀助演男優賞の役所広司、最優秀助演女優賞の広瀬すずなど、今アワード最多となる6部門が最優秀賞に選ばれた。（modelpress編集部）

「第41回日本アカデミー賞」主な受賞者・作品一覧（五十音順）

優秀作品賞：『君の膵臓をたべたい』『三度目の殺人』『関ヶ原』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『花戦さ』

優秀脚本賞：是枝裕和『三度目の殺人』、斉藤ひろし『ナミヤ雑貨店の奇蹟』、森下佳子『花戦さ』、山田洋次／平松恵美子『家族はつらいよ2』、吉田智子『君の膵臓をたべたい』

優秀主演男優賞：大泉洋『探偵はBARにいる3』、岡田准一『関ヶ原』、佐藤健『8年越しの花嫁 奇跡の実話』、菅田将暉『あゝ、荒野 前篇』、藤原竜也『22年目の告白 -私が殺人犯です-』

優秀主演女優賞：蒼井優『彼女がその名を知らない鳥たち』、新垣結衣『ミックス。』、土屋太鳳『8年越しの花嫁 奇跡の実話』、長澤まさみ『散歩する侵略者』、吉高由里子『ユリゴコロ』

優秀助演男優賞：西田敏行『ナミヤ雑貨店の奇蹟』、西村雅彦『家族はつらいよ2』、松田龍平『探偵はBARにいる3』、村上虹郎『武曲 MUKOKU』、役所広司『関ヶ原』、役所広司『三度目の殺人』

優秀助演女優賞：尾野真千子『ナミヤ雑貨店の奇蹟』、北川景子『探偵はBARにいる3』、夏川結衣『家族はつらいよ2』、広瀬すず『三度目の殺人』、薬師丸ひろ子『8年越しの花嫁 奇跡の実話』

新人俳優賞：中条あやみ『チア☆ダン女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話』、浜辺美波『君の膵臓をたべたい』、北村匠海『君の膵臓をたべたい』、竹内涼真『帝一の國』

優秀監督賞：黒沢清監督『散歩する侵略者』、是枝裕和監督『三度目の殺人』、篠原哲雄監督『花戦さ』、原田眞人監督『関ヶ原』、廣木隆一監督『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

優秀アニメーション作品賞：『打ち上げ花火、下から見るか？横から見るか？』『ひるね姫 ～知らないワタシの物語～』『メアリと魔女の花』『名探偵コナン から紅の恋歌』『夜は短し歩けよ乙女』

優秀外国作品賞：『ダンケルク』『ドリーム』『美女と野獣』『女神の見えざる手』『ラ・ラ・ランド』