映画「海辺の生と死」で主演をつとめる満島ひかり(C)2017島尾ミホ/島尾敏雄/株式会社ユマニテ

満島ひかり、4年ぶり主演映画は「一生抱えていかなきゃいけない作品」究極の愛の物語に挑む

2017.02.01 20:00

女優の満島ひかりが映画「海辺の生と死」(2017年7月公開)で、「夏の終わり」(13)以来、4年ぶりに映画単独主演をつとめる。

今作は、「私小説の極北」と評され戦後文学の傑作として現在も多くの読者を惹きつけている長編小説「死の棘」で知られる島尾敏雄と、自身も作家である妻島尾ミホが、それぞれ出会いのエピソードを綴った小説「島の果て」と「海辺の生と死」の2作品を原作に、二人が出会い永遠に解くことのできない赤い糸で結ばれるまでの時間を描いた、「死の棘」へと続く美しい愛の物語。

映画の舞台となるのは、透き通った青い海に囲まれ、緑濃い葉が生い茂げり、圧倒的な生命力に満ち溢れ、その美しさから“神の住む島”とも呼ばれる奄美群島内の加計呂間島(かけろまじま)。

1945年、太平洋戦争末期のある日、新たに駐屯してきた海軍特攻艇の部隊を率いる朔隊長と、国民学校教師のトエの愛の物語を描く。

体の中に宿った狂おしいほどの愛に戸惑うトエと、いつまでも下されない出撃命令を待ち、無為に日々を過ごす朔。敵からも見離されたような静かな島はゆっくりと終戦を迎えようとしていた。

満島ひかりの意気込み 島唄歌唱にも挑戦

主人公・トエを演じるにあたって、満島は「この脚本と共に、私自身の本性を自らあばいてやろうと思いました。なんにせよ、一生抱えていかなきゃいけない作品になったと思います」と並々なる気概を持って今作に挑んでいる。

「私のルーツは奄美大島にあります」と話し、今作では島唄(奄美民謡)の歌唱にも挑戦。撮影を「楽しめたことも、できなくて悔しかったこともいっぱいあったけど、奄美のすごさを感じる日々でした」と振り返った。

劇中、満島が披露する島唄は、UAとの共作でも知られる奄美島唄の第一人者、朝崎郁恵が歌唱指導に当たった。満島の繊細な歌声が奄美の美しい自然と共鳴し、観る者の心を揺さぶる。

「海辺の生と死」ビジュアル(C)2017島尾ミホ/島尾敏雄/株式会社ユマニテ
「海辺の生と死」ビジュアル(C)2017島尾ミホ/島尾敏雄/株式会社ユマニテ

監督が満島ひかりを絶賛

2017年の今年は、島尾ミホの没後10年、島尾敏雄の生誕100年にあたる。関連書物から浮き彫りになる島尾夫婦がたどった一生は、著名な評論家や作家により、「究極の夫婦愛」を描いたものと評され、ミホは「純粋無垢ゆえに狂気に至った聖女」であると位置づけられるようになり、神格化されていった。

メガホンを執った越川道夫監督は「満島さんは、島尾ミホさんをモデルにしたトエを演じ、彼女の戦時中の恋とその時代を、激しく狂おしいまでに駆け抜けていきました。ぼくたちは、島の人々を、島にしげる木々を、島の歌を、海を、満島さんが歌えばその歌声と呼び交すように鳴き始める鳥たちを愛し、彼らとともにこの映画を作りました」とコメントしている。(modelpress編集部)

満島ひかり コメント

撮影中、楽しめたことも、できなくて悔しかったこともいっぱいあったけど、奄美のすごさを感じる日々でした。私のルーツは奄美大島にあります。おばあちゃんから聞いていた海や空や生き物たちの話、アダンの木の下でのロマンの話、戦争中に「あにーあにー」と叫びながら飛行機を追いかけた話。おとぎ話のような本当のことが、この「海辺の生と死」には狂おしいほど描かれていました。この脚本と共に、私自身の本性を自らあばいてやろうと思いました。なんにせよ、一生抱えていかなきゃいけない作品になったと思います。

越川道夫監督 コメント

若い頃から大切に読んできた島尾ミホさんと島尾敏雄さんの作品を、まさか自分で映画にする日がくることになるとは思ってもみませんでした。奄美群島で撮影されるこの映画の主演に満島ひかりさんを迎えることができたのも、とても幸福なことでした。満島さんは、島尾ミホさんをモデルにしたトエを演じ、彼女の戦時中の恋とその時代を、激しく狂おしいまでに駆け抜けていきました。ぼくたちは、島の人々を、島に繋がる木々を、島の歌を、海を、満島さんが歌えばその歌声と呼び交すように鳴き始める鳥たちを愛し、彼らと共にこの映画を作りました。それをこの映画から感じていただけたならば、こんなに嬉しいことはありません。
【Not Sponsored 記事】

関連記事

  1. 「カルテット」満島ひかり“すずめちゃん”の無造作お団子ヘアが可愛い 「真似したい」「ツボすぎる」の声続出
    「カルテット」満島ひかり“すずめちゃん”の無造作お団子ヘアが可愛い 「真似したい」「ツボすぎる」の声続出
    モデルプレス
  2. カルテット第3話に登場した“謎の少年”が話題「成長にびっくり」「大きくなったね」
    カルテット第3話に登場した“謎の少年”が話題「成長にびっくり」「大きくなったね」
    モデルプレス
  3. すずめ(満島ひかり)の過去が明らかに 今までひた隠しにしていた“トラウマ”とは「カルテット」<第3話あらすじ>
    すずめ(満島ひかり)の過去が明らかに 今までひた隠しにしていた“トラウマ”とは「カルテット」<第3話あらすじ>
    モデルプレス
  4. 「愛のむきだし」“ドラマ化”で話題再燃 一瞬で過ぎる4時間、AAA西島隆弘&満島ひかりの体当たり演技…いつ見てもすごい衝撃作
    「愛のむきだし」“ドラマ化”で話題再燃 一瞬で過ぎる4時間、AAA西島隆弘&満島ひかりの体当たり演技…いつ見てもすごい衝撃作
    モデルプレス
  5. AAA西島隆弘&満島ひかり「愛のむきだし」“ドラマ化”で生まれ変わる 
    AAA西島隆弘&満島ひかり「愛のむきだし」“ドラマ化”で生まれ変わる 
    モデルプレス
  6. すずめ(満島ひかり)が真紀(松たか子)を監視…新たな仕事の依頼も 「カルテット」<第2話あらすじ>
    すずめ(満島ひかり)が真紀(松たか子)を監視…新たな仕事の依頼も 「カルテット」<第2話あらすじ>
    モデルプレス

「映画」カテゴリーの最新記事

  1. 杉咲花“自信があること”発表 萩原利久は回答を即変更【朽ちないサクラ】
    杉咲花“自信があること”発表 萩原利久は回答を即変更【朽ちないサクラ】
    モデルプレス
  2. 吉永小百合の“恋するおばあちゃん”がキュート 山田洋次監督が描く“令和の人情物語”「こんにちは、母さん」の見どころ
    吉永小百合の“恋するおばあちゃん”がキュート 山田洋次監督が描く“令和の人情物語”「こんにちは、母さん」の見どころ
    WEBザテレビジョン
  3. 岩下志麻主演作含む「極道の妻(おんな)たち」劇場シリーズ全10作品を一挙放送、岩下からのコメントも到着
    岩下志麻主演作含む「極道の妻(おんな)たち」劇場シリーズ全10作品を一挙放送、岩下からのコメントも到着
    WEBザテレビジョン
  4. 初来日のケイリー・フレミング、“日本版声優”宮田俊哉&稲垣来泉の演技を絶賛「素晴らしかったです!」
    初来日のケイリー・フレミング、“日本版声優”宮田俊哉&稲垣来泉の演技を絶賛「素晴らしかったです!」
    WEBザテレビジョン
  5. 赤澤遼太郎&高橋健介、“アキハル”と似ている一面や「うんま!」とテンションが上がったプライベートエピソードを告白
    赤澤遼太郎&高橋健介、“アキハル”と似ている一面や「うんま!」とテンションが上がったプライベートエピソードを告白
    WEBザテレビジョン
  6. 「俳優・河合優実 特別番組」日本映画専門チャンネルにて6月に放送 「女子高生に殺されたい」ほか出演映画の特集放送も
    「俳優・河合優実 特別番組」日本映画専門チャンネルにて6月に放送 「女子高生に殺されたい」ほか出演映画の特集放送も
    WEBザテレビジョン
  7. 松下奈緒、難題に果敢に挑戦「心に残る作品になりました」 監督も脱帽【風の奏の君へ】
    松下奈緒、難題に果敢に挑戦「心に残る作品になりました」 監督も脱帽【風の奏の君へ】
    モデルプレス
  8. 新垣結衣、映画撮影中に欠かさずにしていたこと「本番の直前に…」【違国日記】
    新垣結衣、映画撮影中に欠かさずにしていたこと「本番の直前に…」【違国日記】
    モデルプレス
  9. キスマイ宮田俊哉、初レッドカーペットに歓喜「幸せが詰まっている」【ブルー きみは大丈夫】
    キスマイ宮田俊哉、初レッドカーペットに歓喜「幸せが詰まっている」【ブルー きみは大丈夫】
    モデルプレス

あなたにおすすめの記事