ド迫力のコクーンシルエット
クリエイティブ・ディレクター、デムナ自身の幼少期からインスピレーションを受けた今季は、彼のプリミティブな服作りへの思いが詰まったコレクションとなった。ブルゾン、ジャケットともに、デムナらしいビッグシルエットで迫力のある仕立てで魅了する。ブルゾンはバイカージャケットやGジャンなど、見慣れたアイテムをベースにショート丈で軽快に表現。テーラードジャケットは身頃を重ね、アシンメトリーにデザインされている。
シングルブレストのジャケットの上から、ダブルのジャケットを片側だけ重ねたようなデザインを採用。重ねた方の丈は、袖も裾も長くなっており、アシンメトリーなヒネリを加えた。アームホールで繋がるように仕立ててあり、まるでクチュールを彷彿とさせる仕立ての技で魅了する。
いわゆるトラッカータイプのGジャンもバレンシアガらしく、迫力のビッグシルエットで表現。ネオンプレンの芯地が用いられ、着心地はいたって軽やか。コクーンのような丸みを帯びた仕立てが特徴で、体を包み込むようなフォルムを形成。色落ちしたデニムとダメージ加工がこなれた印象に導く。
ネオンプレンの芯地を用い、クロップドで表現したジップアップフーディ。大きくカーブを描くショルダーラインと、巨大ともいえるアームホールが特徴だ。胸にあしらった”HUMAN BEING”の刺繍ロゴも、好アクセントに。インナーに大きめのシルエットのアイテムを着込んでも余裕があり、レイヤードを楽しむ際も重宝する。
ソフトな芯材を入れて、ボリュームのあるコクーンシルエットで仕立てたバイカージャケット。別素材のレザーを縫いつけて、多様なブランドロゴを表現。ボディ、アームホールともに大きく、迫力も十分。重厚な存在感があり、一着でインパクトのある装いに仕上げることができる。

写真・高橋絵里奈 文・オオサワ系、森下隆太 スタイリング・安倍拓志 編集・岩田桂視(GQ)