マイヨー・スプルースほか、ヴィンテージスウェットの勢いが止まらない!──ベルベルジン・ディレクター、藤原裕「ヴィンテージ百景」

スウェット人気、とどまるところ知らず! 藤原裕の私物を紹介する。
マイヨー・スプルースほか、ヴィンテージスウェットの勢いが止まらない!──ベルベルジン・ディレクター、藤原裕「ヴィンテージ百景」
【はじめに】

ヴィンテージデニムから時計、ゴローズまで。原宿にある古着屋ベルベルジン」のディレクター、藤原裕の周りには古くて新しいモノが揃っている。今、彼が注目しているヴィンテージウェアをはじめ、藤原裕の周囲で熱い“今”を発信する!

スプルースが高騰中

こんにちは、藤原裕です。まだまだチャンピオンのリバースウィーブ人気が続きますね。以前、この連載でも取り上げましたが、今回はそれ以外で注目のヴィンテージスウェットを紹介します! とりわけ注目は60年代のメイヨー・スプルース(通称:スプルース)のもの。50年代にアメリカで創業したニットブランドで、スポーツウェアやアンダーウェアなど、大衆向けのスウェットやカットソーで知られています。アメリカ古着好きの間では、スヌーピーの絵柄や作曲家の肖像画をプリントしたスウェットでお馴染みですね。で、そのふたつの絵柄が今、ものすごい勢いで価格が高騰しています。今回紹介するぼくが所有するスウェット、もしほかの古着ショップで見かけたら即買いをおすすめします!

60年代スプルース製スウェット

20年ほど前に、ほぼデッドストック状態で購入したもの。「相当着込んだのでいい感じでボロくなっています。パープルの染み込みプリントからもわかる通り、アメリカの学生フットボールでお馴染み、ロウズボール関連のスウェットです。白地にパープルという色味に加え、4段プリントもお気に入りです」

60年代スプルース製“作曲家シリーズ”スウェット

ここ数年の間に、市場価値が急激に高まっている通称“作曲家シリーズ”。「一度手放してしまい、3年前に買い直したのですが、その頃はまだ2万9800円。いまでは信じられないくらい安価でした……(笑)。私が所有しているのはこの1枚のみ。そのほか、スプルース製のボディの作曲家シリーズのプリントはベートーベンとシューベルト、バッハの3種類があります。あと2種類、頑張って集めます! いけるかなあ……」

60年代ピルグリム製カスタムパーカ

最近のマイブームであるというイエローのジップパーカ。「じつはこれ、もともとプルオーバーだったものを、当時の所有者がカスタムしてジップフライにしたんです。ジップが下まで足りてないですが、裾のリブを折り返して縫って、リブ幅を縮めて変わったサイズ感になっているところも気に入っています。「XL」も非常にレアです」

60年代スプルース製“星座シリーズ”スウェット

メイヨー・スプルースのスウェットといえば、スヌーピーシリーズが一番人気だ。最近、急速に値段が高騰しているのがこの“星座シリーズ”のもの。「スヌーピーシリーズと比べ、数が少なく希少性が高いんです。すべてを見たことはありませんが、おそらく絵柄は12星座あり、ピンクや緑、黄色、赤、オレンジなど様々なカラーパレットで展開していたようです。全種類制覇したいですね!」

60年代製なので、染み込みプリントになっている。星座ごとにバックプリントのメッセージも異なり、こちらはしし座のもの。サイズは貴重な「L」。

60年代スウェット

当時としては珍しいブラックボディ。「ヴィンテージ業界では黒ボディのスウェットが人気で、この個体はラバープリントを両面に施した希少なものです。タグは欠損していて確認できませんが、サイズはおそらく「XL」ですね。ブラックのスウェットでここまで質の高いコンディション&デザイン、そしてサイズ感はほぼ見かけないので、大事に着ています」

ビールのバックプリントに加え、表部分のロゴから、ビールパーティを開催した際に作られたものと思われる。

PROFILE

藤原裕(ふじはら・ゆたか)

ベルベルジン・ディレクター

原宿のヴィンテージショップ「ベルベルジン」顔役。ヴィンテージデニムマイスターとしても認知されている一方、多くのブランドでデニムをプロデュースするなど、現在のデニム人気を担っている。先日オープンした、ベルベルジンの系列店初となる飲食店、大分名物ひたやきそば屋「来々軒」にはオープン前夜から貫徹で並び、毎日すすりまくっている。ジーンズについたオイル風のアジは、クルマの油汚れではなく、来々軒のソースの染み。こぼしちゃイヤよ!

毎日更新! YouTube「ベルベルジンチャンネル」はこちら

ギャラリー:マイヨー・スプルースほか、ヴィンテージスウェットの勢いが止まらない!──ベルベルジン・ディレクター、藤原裕「ヴィンテージ百景」
Gallery7 Photos
View Gallery

文・オオサワ系 写真と編集・岩田桂視(GQ)