絶対出すと思ってた
New Manualは「ベルベルジン」でディレクターを務める藤原裕によって、2022年にスタートしたブランドだ。「現在の物差しで、よき時代のものを捉え直し、新しい“マニュアル”をつくること」というコンセプトのもと、藤原が所有するヴィンテージコレクションをベースに新たなアイテムを世に送り出している。ポップアップストアを出せば、初日で完売するなど、名実ともに人気ブランドに成長したNew Manualと「GQ SHOP」が今回、タッグを組み、初の別注アイテムをリリースする。
ことの発端は、昨年夏ごろの『GQ Web』での連載「ヴィンテージ百景」の取材にさかのぼる。この連載の取材は雑談と飲酒が主で、仕事っぽいインタビューは数分あればいいほう。藤原とライター・オオサワ系は蒸留酒担当で、担当編集は醸造酒担当でややアウェイだ。それはどうでもいいが、とにかく3人だけで集まるのがこの取材のフォーマット。以下、当時のやりとりを回想する。
岩田桂視（以下、GQ岩田） 『GQ JAPAN』で今、「GQ SHOP」というEコーマスサービスを展開しているんですよ。彼らからお願いされて、藤原さんにデニムを切り口になにかできないかなって。
オオサワ系（以下、オオサワ） （藤原）ユタカくんのフリーマーケットはどう？ 会費制にしてものすごいお宝だらけを並べる、とか。
GQ岩田 それは無理よ。オンライン上でまずはやらないとだから。ちなみにNew Manualを取り扱う条件ってなんですか？
藤原裕（以下藤原） いろいろとチームで相談して……から決めますね。
GQ岩田 「GQ SHOP」で扱うってのは現実的なんですかね？
藤原 New Manualはオンラインが販売の主なので、扱ってもらうなら、実店舗が基本なんです。でも別注なら、いけると思いますよ。
オオサワ え？ 別注のほうがエクスクルーシブだと思うけど？
GQ岩田 いや、びっくりした！ ぜひお願いしたいですね！ そうと決まればアイテムだな。リジッドのブラックデニムを使ったジャイアントサイズのデニムジャケットはどうですか？
オオサワ それ、自分が欲しいだけだし、New Manualらしい加工の凄さや世界観を度外視してない？（笑）
GQ岩田 着たい服がないから自分で作ったって、いろんなデザイナーの人も言ってるよ？
藤原 岩田さんが着たい服の話は別の機会で……。さて、せっかく「GQ SHOP」でリリースするならアーカイブで別注されていないモデルからピックしましょう。さらに、これまでのNew Manualでは使っていないスペシャルな加工を施すのはどうですか？ GQ SHOPでしか買えない究極の加工で！
オオサワ そう、そういうの！ ユタカくんはわかってるなー！
GQ岩田 いいですね！ あとTシャツも加えたいなぁ。
藤原 Tシャツよりも、デニムアイテムを使ったのと同じ生地で小さいバッグはどうでしょう。実は古着の世界であるネタで、これがこーなってこうしてこうで……ゴニョゴニョ。
──紆余曲折を経て、最終的に別注アイテムになったモデルとは？ 別注アイテムの製造＆品質チェックのために岡山のデニム工場へ訪れた藤原に密着取材はギャラリーをチェックしよう。GQ SHOPでしか買えないスペシャルデニムの全貌は3月28日に公開される。乞うご期待！
文・オオサワ系 写真と編集・岩田桂視（GQ）