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クエンティン・タランティーノ、引退作となる監督10作目の制作を打ち切る

クエンティン・タランティーノ監督の引退が、少し先延ばしになったようだ。
Photo: Laurent KOFFEL/Getty Images

クエンティン・タランティーノ監督が、監督10作品目にして引退作となる『The Movie Critic(原題)』の制作を打ち切った。『パルプ・フィクション』(1994)や『キル・ビル』(2003)などを世に送り出してきたタランティーノは、ずいぶん前から60歳になるまでに劇場作品を10本撮影したら映画界から引退する意向であることを公言してきた。『キル・ビル』と続編『キル・ビル Vol.2』(2004)を1つの映画と見なしているため、『The Movie Critic(原題)』が10本目となり、最後の監督作になるとみられていた。タランティーノはこの先、『The Movie Critic』の脚本を書き直す予定も、企画に再度着手する予定もなく、新しい企画に向けて動き出したそうだ。

ブラッド・ピットが主演予定だった『The Movie Critic(原題)』は、1977年を舞台にポルノ誌で映画評を書いている三流映画評論家を描くと報じられていた。昨年のカンヌ国際映画祭でタランティーノは、「皆さんには完成するまで何も話すことができません。登場キャラクターのモノローグを披露したくなりますが、止めておきます。カメラがないときにでもぜひ。楽しみにお待ちください」と自らコメント。すでに撮影に向けて準備が行われており、カリフォルニア州からは2000万ドル(約30.8億円)もの租税補助金を獲得していたという。

Text: Tae Terai