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フランシス・フォード・コッポラの妻、エレノア・コッポラが87歳で死去

ソフィア・コッポラの母としても知られるエレノア・コッポラが死去した。
Photo: Kevin Mazur/WireImage

ドキュメンタリー『ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録』でエミー賞を獲得した映画監督のエレノア・コッポラが4月12日(現地時間)、カリフォルニア州ラザフォードの自宅で亡くなった。87歳だった。

フランシス・フォード・コッポラの妻で、彼の長きにわたるクリエイティブパートナーとしても知られる彼女は1936年、ロサンゼルスで誕生。カリフォルニア大学ロサンゼルス校を卒業後、アシスタントアートディレクターを務めた『ディメンシャ13』(1963)で、本作で劇場映画監督デビューを飾ったフランシスと出会い、1963年に結婚。娘のソフィアは映画監督、息子のローマンは脚本家・プロデューサーとして活躍している。

夫フランシスや子どもたちの映画製作を記録した短編ドキュメンタリーを数々を手がけたほか、映画監督としてダイアン・レインとアレック・ボールドウィン、アルノー・ヴィアール出演のロマンス映画『ボンジュール、アン』(2016)や『Love Is Love Is Love(原題)』(2020)を世に送り出している。『地獄の黙示録』の公開から12年後の1991年に発表した『ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録』では、フィリピンでの撮影中台風に見舞われ、ハーヴェイ・カイテルの降板、代打で出演したマーティン・シーンの心臓発作など、困難を極めた撮影舞台裏を、彼女が収めた映像を中心に関係者の証言、カットシーンなどを盛り込んで綴り、第44回カンヌ国際映画祭である視点部門に選出。エミー賞を受賞したほか、全米監督協会賞にもノミネートされた。

同作については、1995年の著書『Notes on the Making of Apocalypse Now(原題)』と2008年の回顧録『Notes on a Life(原題)』でも振り返っている彼女だが、自身のドキュメンタリーについて、2017年に『デッドライン』のインタビューでこう語っていた。「当初はただ、『地獄の黙示録』を記録に収めようとだけ思っていました。70年代初期にはアートフィルムを撮影していましたが、まさかこれを映画にするとは考えてもいませんでした。ですがフィリピンでカメラを構えたとき、ただただ魅了されたのです。これに応えるようにドキュメンタリー映画を作りました。撮影を愛していましたから」

Text: Tae Terai