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カート・コバーン没後30年。娘のフランシス・ビーン・コバーンが追悼メッセージ

フランシス・ビーン・コバーンが没後30年を迎えた父カート・コバーンを偲び、SNSに長文メッセージを寄せた。
Photo: Kevin Mazur/WireImage

フランシス・ビーン・コバーンが4月5日(現地時間)、没後30年を迎えた父カート・コバーンを偲んで長文メッセージをインスタグラムに寄せた。自身の代父でカートと親しかったR.E.M.のマイケル・スタイプが撮影したものや父娘スナップ、カートの子どもの頃の写真などを投稿し、こう綴っている。

「30年前、父の命が終わりを迎えました。2枚目と3枚目の写真は存命中、最後の私たちを捉えたものです。祖母のウェンディはよく私の手を頬に当て、安らかな悲しみとともに『息子の手と同じ』と口にしていました。まるで止まった時の中で、唯一彼を近く感じられるチャンスとでもいうように、少しも逃すまいと愛しんでいました。今、祖母が父の手を取っていることを願います」

「この30年間、喪失に関する私の考えは変容を遂げてきました。長く哀悼してきた中で学んだいちばん大きな教訓は、目的にかなうということです。生と死、痛みと喜び、陰と陽など、すべては相対的であり、お互いの存在なしには成り立たない。世界のすべてには意味があるのです。人間の存在は無常であり、それこそ真に人生における深遠へと導いてくれるものです。つまり、すべてのものごとには終わりがあると知ることこそ、愛を認識するための最大の動機付けとなるのです」

「父のことを知ることができていたらと願います。声の抑揚やコーヒーをどれほど好きだったか、また本を読んでもらってから眠りにつく気持ちはどんなだったろうと思います。蒸し暑いワシントンの夏には、オタマジャクシを一緒に獲っただろうか、(好きだったと聞いている)キャメルライトやストロベリー味のネスクイックの香りがしたのかと思いを巡らせています」

「しかし、人生がいかに尊いものか理解する近道といえる深い知恵を得たことも確かです。彼は死をもって、誰かを失うという生きた経験を通じてのみ得られる教訓を私に与えてくれました。思いやりや感謝とともに、心を開いて自分自身と周囲を愛することで、私たちの時間はより意味深く本質的になると教えてくれました。思いやりと優しさをもって、心を開いて自分自身と周囲の人々を愛するとき、私たちのこの時間はより意義深いものになると教えてくれたことは恩恵でした」

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また、彼女が生まれる前にカートがしたためた「君がどこへ行こうとも、僕がどこへ行こうとも、僕は常に君と一緒にいる」という手紙に言及。「父はこの約束を守ってくれました。さまざまな形で彼の存在を感じていました。彼の歌声を耳にした瞬間、受け継いだ手、何であれ、私はその瞬間を父とともに過ごし、超越したものを感じています」。そして、自身と同じように身近な人を失った経験を持つ人に対し、「亡くした人たちとともに生きるのはどんな感じだろうと疑問を持つ皆さんへ、今日は皆さんのことを想っています。私たちの悲しみが持つ意味合いは同じです」

この投稿に加え、フランシスはインスタグラム・ストーリーで赤ちゃんの自分が父の抱かれるホームビデオをシェアし、母コートニー・ラブとともに幸せそうなやり取りをする姿を公開した。アーティストとして活動するフランシスは昨年10月、プロスケートボーダーのライリー・ホークと結婚。式は代父のマイケル・スタイプが執り行ったそうだ。

Text: Tae Terai