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ビリー・アイリッシュら、200名以上のアーティストが音楽生成AIによる権利侵害を訴える

ビリー・アイリッシュをはじめとする200名以上のアーティストたちが、音楽生成AIの開発制限を求めて公開書簡にサインした。
Photo: Axelle/Bauer-Griffin/FilmMagic

ビリー・アイリッシュケイティ・ペリーニッキー・ミナージュらアメリカで活躍すアーティストたちが、音楽生成AIの開発制限を求めて公開書簡に署名した。アーティスト・ライツ・アライアンスは4月1日(現地時間)に出した声明で、「ここに名を連ねたアーティスト&音楽制作コミュニティのメンバーは、AI開発企業やテック企業、デジタル音楽プラットフォームやその他サービス企業に対し、人工知能を用いて人間のアーティストの権利を侵害し、価値を貶める行為を止めるよう求めます」と綴る。

責任ある形で用いれば、AIは人間の創造性を発展させる可能性があるとしたうえで、「残念なことに創造活動に対する破壊行為、アーティストやソングライター、ミュージシャン、著作者を弱体化させている開発者やプラットフォームが存在する」と指摘。企業に対し、AIによる音楽制作技術の開発を行わないよう誓約を求めた。この書簡には、ほかにビリー・ポーターカミラ・カベロフィニアス・オコネルジョナス・ブラザーズ、ジョン・ボン・ジョヴィ、ケイト・ハドソン、ノラ・ジョーンズ、パール・ジャム、シェリル・クロウスティーヴィー・ワンダーゼイン・マリクら200名以上の著名アーティストとグループが署名している。

AIを巡っては、昨年の長期にわたるストライキを行った全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)交渉でも重要課題として扱われ、音楽業界でも問題視されていた。昨年4月には、生成AIで作られたとみられるドレイクザ・ウィークエンドの偽の新曲や、バッド・バニーリアーナの偽の新曲がインターネットで公開された。これを受け、昨年11月にバッド・バニーがX(旧ツイッター)で「TikTokでバズってるクソみたいな曲が好きなら、このチャットグループからすぐに去ってくれ。俺の友人でいる資格もない」と怒りをあらわに。また、クイーンのブライアン・メイも、同年9月の『ギター・プレイヤー』誌のインタビューでAIに対する警鐘を鳴らしていた。

Text: Tae Terai