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ケヴィン・スペイシー、「ハウス・オブ・カード 野望の階段」制作会社に100万ドル支払いで合意

ケヴィン・スペイシーが、スキャンダルで降板したドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」の制作会社に100万ドル(約1.5億円)を支払うことで合意した。
Photo: Chris J Ratcliffe/Getty Images

性的暴行やセクハラで訴えられ、表舞台から遠ざかっているケヴィン・スペイシー。主演ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」を制作したMRCから、スキャンダルにより彼が降板したことで多大な損失を被ったとして訴訟を起こされ、3100万ドル(約46.8億円)の支払いを命じられていたが、100万ドル(約1.5億円)を支払うことで合意したようだ。「ヴァラエティ」によると、スペイシーは分割で税引き後収入の10%を数年かけて支払うというが、支払い額が大幅に引き下げられた背景には別の裁判が影響しているようだ。

スペイシーは自ら製作総指揮を務めた「ハウス・オブ・カード 野望の階段」で、エミー賞を受賞するなど高評価を得たが、スキャンダルを受けて製作陣に解雇された。ファイナルとなったシーズン6は、脚本を書き直して妻役のロビン・ライトを主役にするなど、対応を迫られた。MRCはこの損失を回収するためにケヴィン本人だけでなく、保険会社のロイズとファイアマンズ・ファンドに対しても訴えを起こしている。

MRCは、俳優が病気で出演できない時に備え、保険を掛けていたが、スペイシーはスキャンダル発覚後にリハビリ施設でセックス依存の治療を受けており、これが病気にあたるとして保険でカバーできるはずだと提訴。裁判所は2度にわたり訴えを退けたが、ファイアマンズ・ファンドに対して再度訴える余地を残したそうだ。

「ハウス・オブ・カード 野望の階段」シーズン5より。

Photo: David Giesbrecht / ©Netflix / courtesy Everett Collection

保険会社との裁判では、スペイシー側が調査への協力を拒み、医療記録を提出することを拒否したために障壁となったと伝えられている。MRCは、保険会社との裁判のため、スペイシーの証言と被告原告両サイドの医師からの診断を受けることを条件に、支払い金額を引き下げることで合意したとみられる。これを受け、スペイシーは不安とうつ症状のため撮影に参加できなかったとし、MRCは改めてファイアマンズ・ファンドに対して保険の適用を訴えたそうだ。ファイアマンズ・ファンドでは、MRCがスペイシーに対して起こした裁判と180度態度を変えたと反発している。

Text: Tae Terai