「ホースビット ローファ ー」といえば、グッチを象徴するアイテムのひとつだ。1953年、創設者グッチオ・グッチの三男であるアルド・グッチが、馬具のくつわの一種である「ハミ」に着想を得た金具をカジュアルな印象のローファ ーに飾り、ラグジュアリーなアイテムに昇華したのが歴史のはじまり。発売当初からセレブリティがこぞって愛用し、フランシス・フォード・コッポラやフレッド・アステアなどのカルチャーアイコンの足元を彩ってきた。また、ビジネスにも取り入れられるデザインは1970年代のアメリカでブームとなり、「ウォールストリートのユニフォーム」と称されるほどの人気を博した。
これまでに多種多様なデザインの「ホースビット ローファー」が発表されてきたが、2015-16年秋冬コレクションでは、ファーのライニングを付けてスリッパにアレンジした「プリンスタウン」が登場。瞬く間に世界中のファッショニスタのイットシューズになったのは記憶に新しい。
誕生70周年を祝う今年は、コ ーデュロイ素材やタッセル付きなど、さまざまなデザインの新作がラインナップ。アニバーサリーイヤーのこの機会に、自分らしい「ホースビット ローファー」を秋 の買い物リストに加えよう。
PHOTOGRAPH BY KAZUHIRO FUJITA
WORDS BY KENTARO TAKASUGI @ GQ