催眠術って本当に効くの？ドクターに聞きました

飛行機恐怖症や過食やどもりなど心理的障害と結びついた症状では催眠療法が効果的な場合がある。実際の場で、目の前で振り子を揺らしてといった方法は取られないという。

■催眠術が働く仕組みについてドクターが解説

シュネルさんはミュンヘンの催眠療法センターの理事長で、催眠療法セラピスト。彼に催眠術とは何なのか聞いてみました。

質問：患者の目のまで振り子を揺らして、本当は言いたくない秘密も言わせてしまうというのは本当ですか。

シュネル：振り子も使わなければ、麻酔も使いません。人がちょうど疲れていて眠いリラックスした状態に持っていきます。これは誰もが経験している状態で“白日夢” のような状態です。

質問：そのトランス状態にはどうしてもっていくのですか？

シュネル：例えば、階段の段数を数えながら下りることを想像してもらいます。段を数えることはリラックス効果を生みます。さらに、呼吸法が大事です。息を吐き出す過程で人は非常にリラックスできるのです。こう言った行為はすべて注意を外界からそらし、心の内に向けるために行われます。この準備に20分から25分かけます。

質問：人によっては心からリラックスすることが難しい人もいるのでは？

シュネル：クライアントは催眠療法を受け入れることが必要です。そのために、信頼を築くためにその前に長い時間カウンセリングに費やします。もし、クライアントが「本当に催眠にかけられるか見てやろう」といった態度でいる場合は、意味が無いのでカウンセリングは中断されます。

質問：どのように催眠術が行われるのですか？

シュネル：催眠療法では、いわゆる“意識”を取り除き、潜在意識に働きかけます。催眠トランスの状態では、話は聞こえているものの、質問に対し批判的な返答できないため、潜在意識に近づきやすくなるのです。　例えば、恐怖を安心に置き換えるといった方法をとります。そのため、私たちは絵のメタファー（暗喩）を用います。

質問：具体的にメタファーはどう使われるのですか？

シュネル：例えば、クライアントにライオンを頭に描いてもらい、そのライオンの気持ちを想像してもらうんです。そこへ催眠暗示を送り込みます。

例えば、次のような感じです。

想像してもらったライオン。ライオンがサボテンを通り過ぎる時、その毛皮に何かが引っ付いてしまいます。それはトゲトゲしていて、べとべとして気持ち悪く、かゆくなります。ライオンは毛をきれいにするのに何日もかかり、いまだにその傷がかゆくなります。

これは過去に負った心の傷を表す比喩です。

その時、「ライオンのそのカユミはもう大したことではないことを伝え、もう気にもしなくなる」と催眠暗示を送ることで心の傷を取り除きます。

質問：他にはどんな問題で来る人がいますか？

シュネル：禁煙したい人、ダイエットしたい人が来ます。ツメをかじるとか髪をかきむしるなど自分で自分を苦しめる行動から脱出したい人、社会や試験、人前で話すこと、車の運転に対する恐怖を克服したいなどさまざまです。肌の病気やアレルギーも催眠療法で効果を得ることも可能です。

シュネルさん、インタビューありがとうございました！

※当記事は、ハイブリッド翻訳のワールドジャンパー（http://www.worldjumper.com）の協力により執筆されました。

参考：Hypnose Wir schwingen keine Pendel
http://www.netdoktor.de/Magazin/Hypnose-Wir-schwingen-keine-P-12548.html