「ゴーストヤンキー」で連続ドラマ単独初主演を務める柏木悠

ドラマ「ゴーストヤンキー」で連続ドラマ初単独主演の柏木悠、アクションシーンに自信「クランクイン前からバキバキに鍛えて臨みました」

2024.04.17 12:30
「ゴーストヤンキー」で連続ドラマ単独初主演を務める柏木悠

メインダンス&バックボーカルグループ・超特急の最年少メンバーで、俳優としても活躍中の柏木悠。2023年の秋ドラマ「君には届かない。」(TBS)で前田拳太郎とW主演を務めた彼が、4月18日スタートの「ゴーストヤンキー」(MBSドラマ特区)で連続ドラマ初単独主演を飾る。本作は、柏木演じる高校3年生の主人公が夢に挫折し、なかなか成仏できない昭和ヤンキー軍団の幽霊と出会ったところから人生を大きく変えられていくハートフルなコメディードラマ。単独主演を務める意気込みや撮影エピソード、俳優業も好調な現在の心境に迫った。

家族に報告したときにすごく喜んでくれて、それも励みになりました

――ドラマ「ゴーストヤンキー」での主演のお話を聞いたときはいかがでしたか?

単独主演は僕にとって初めての経験。楽しみな反面、プレッシャーも感じたのですが、そのプレッシャーをはねのける気持ちで頑張らなきゃいけないと思いました。家族に報告したときにすごく喜んでくれて、それも励みになりました。

――“楽しみ”と“プレッシャー”の割合はどのくらいでしたか?

楽しみ4、プレッシャー6くらい…かな。でも、撮影が近づくにつれてワクワクする気持ちが大きくなっていきました。

――今作で柏木さんが演じるのは、中学から始めた陸上でオリンピックを目指し練習に励む中、大けがで選手生命が途絶えてしまった男子高校生のトゲル。この役をどう作り上げていきましたか?

喪失感と疎外感を抱えたトゲルは、ある日、走行中の車の前へ飛び出してしまうんです。そして幽霊として彷徨っていたところに、なかなか成仏せず現世に留まっている昭和ヤンキーの幽霊“わんぱく団”と出会う。昭和のヤンキーたちと違ってトゲルは“今”を生きてる子だし、年齢も僕と変わらないので、あまり作り込まず、そのままやった方がいいのかなと思いました。昭和のノリや価値観に対するトゲルのリアルな反応も出したかったので、あえて昭和の下調べはほとんどせず作品に入りました。

――その後、撮影で“昭和”に初めて触れときはいかがでしたか?

劇中に“根性焼き”が出てくるのですが、僕、それをそもそも知らなかったんです。

――ちなみに柏木さんの地元でヤンキーを見かけたことは?

うーん、ないです! 僕の地元はのどかで平和。鳥が鳴いています(笑)。知らないおじいちゃんが道を散歩してても、挨拶します。

初の単独主演をやり遂げられたのは皆さんの親切なフォローとお力添えのおかげです

――“わんぱく団”の4人など同年代の若手俳優も多い今作ですが、現場ではどんなコミュニケーションを取っていきましたか?

年齢が近い方もいればちょっと離れてる方もいたんですけど、いい意味で年齢差を感じることがあまりなくて。優しく接してくださる皆さんのおかげで、僕も積極的にコミュニケーションをとりにいける感じの雰囲気でした。本当に感謝しています。スタッフさんも温かい方ばかりで、初の単独主演をやり遂げられたのは皆さんの親切なフォローとお力添えのおかげです。例えば、朝から、「今日も頑張ろう!!」みたいに元気に声を出してくれる方がいたりして。それでスイッチが入って、気が引き締まりました。

――撮影合間は共演者とどんな話をしていたんですか?

あの…“わんぱく団”の佐々岡順平役を演じる小坂涼太郎くんの言うことが面白くて(笑)。現場でそれがちょっとネタっぽくなっていて。独特なボケというか、そういうのを言ってきたときに車の中でみんなで「これは嘘か、本当か」っていうジャッジをして遊んでいました(笑)。

――アクションシーンも多いそうですが、そのあたりの見どころはいかがですか?

迫力のあるシーンがたくさんあって、カメラ割りもすごくこだわっています。殴り合いとか、そういった体を張るケンカをしたことのない僕には全てが新鮮で楽しかったです。アクションはクランクイン前にレッスンがあって、まずは先生にひたすら教わったんですけど、筋肉がパンパンになりました。殴る動きって日常生活であまりやらないじゃないですか。使わない筋力だから、体がビックリしちゃった感じ(笑)。ボディビルダーになるのかな?っていうくらい、クランクイン前からバキバキに鍛えて臨みました。

――さらに、劇中にはコメディー要素も満載ということで。

そうですね。昭和を知る人には懐かしく、平成、令和を生きる若者には“こんな時代もあったんだ”って笑って見てもらえるのかなと。どんな世代の方にも楽しんでもらえる作品になっていると思います。

あきらめずに、どうにかして別で夢を追う方法を見つけると思います

――トゲルの人生のように、もし途中で夢を絶たれたら柏木さんはどうしますか?

うーん…。とりあえず“どうにかなる”って思うので何もしないと思います。いつもと変わらない日常を過ごします。

――すぐに気持ちは切り替えられますか?

さすがに最初は落ち込むと思います。ずっと頑張ってきたものが急に消えるって相当悔しいことだろうし。でも、やっぱり僕は“どうにかなる”って思っちゃうんですよね。あきらめずに、どうにかして別で夢を追う方法を見つけると思います。

――ポジティブマインドですね。

僕、今まで財布を3回落として3回とも返ってきてるんです。運がいいんです。今のところ、どんなことも大抵どうにかなってます。…っていうのは根拠にならないので真面目な話で言いますと(笑)、中3のときに急に勉強に目覚めて1年間みっちり机に向かったんです。それでテストの点数が上がって、知識が増えるのが面白くなったり。人間、本気でやれば絶対に違ってくる、その後の人生が豊かになるという成功経験も影響しているのかもしれません。

――自分は頑張れる人間という実感を得られたことも大きかったかもしれないですね。

はい。しかも苦じゃなかったので。どちらかというと、謎解き的な感覚で問題を解いていました。

――今のお仕事でくじけそうになったときは自分をどう奮い立たせていますか?

僕はライブが大好きなので、ライブのことを考えるとモチベーションが上がります。その前のリハは大変なこともあるんですけど、本番をイメージしたら耐えられるなって。

――リハは何が大変なんでしょう?

自分が正解だと思って持っていったものが違って、それをすぐに変えなきゃいけないとき。リハーサルで「ここの手のバランスが違う」とか指摘してもらえるのはありがたいし、うれしいことでもあるんですけど、家でも練習をしているので、今までずっとやってきて体にしみついてるものを修正する作業が僕は個人的に苦手なんです。そこは課題でもあります。

いろんな役を経験すればするほど自分の価値観も広がっていくんじゃないかと思います

――超特急での仕事と並行してドラマ出演も増えてきている柏木さん。今作が2度目の主演ドラマでしたが前回の経験を生かせたことはありましたか?

それはもう全部です。前回は何もかもが初めての経験で演技も基礎から教わった感じだったので…。まだまだ少ないですが、自分が今持っている経験値をすべて生かそうと思っていました。

――主役という立ち位置で心掛けたことはありましたか?

僕は現場はみんなが楽しい方がいいなと思っていて。先ほど周りの共演者さんやスタッフさんに助けられたという話をしましたが、僕なりにもどうしたら楽しい雰囲気になるか考えて、ちょっとでも和やかな空気になるよう皆さんとコミュニケーションを取らせていただきました。“ふざけてるな”と思われない程度に(笑)。

――柏木さんは人見知りと聞きましたが、大丈夫だったんですか?

僕、仕事だと人見知りじゃないんですよ(笑)。だからこういうインタビューも全然平気。人見知りが発動するのはプライベートだけなので、“今は仕事”って思えば話せるんです。で、そこで打ち解けたらプライベートでも仲良くできるじゃないですか。仕事から入った方が人間関係はうまくいくかもしれないです(笑)。

――じゃあ、今回の共演者とも最初からすんなり?

クランクイン前のアクションレッスンは多少探り探りでした(笑)。でも、アクションをしていたら必然的に声が出るんですよ。それでみんなとわちゃわちゃできたのが楽しかったです。一人ひとりのある程度の雰囲気もつかめた状態で作品に入れたのも良かったです。

――最近のお芝居の手応えはいかがでしょうか? 楽しさや難しさが変化した部分などもあれば教えてください。

どんどん楽しくなってきたなっていう感じです。今回のアクションもそうですけど、普段なかなかできないことがお芝居でいっぱい体験できるし、演じるキャラクターの価値観みたいなものも演技を通して理解していくのが楽しい。常にその人その人に気持ちになっていくことが求められるので、俯瞰的な考え方がすごくできるようになる仕事だなと思います。いろんな役を経験すればするほど自分の価値観も広がっていくんじゃないかと思います。

柏木悠をもっと知れる5問5答

Q.台本はどのように覚えている?

A.まずは作品に入る前に何回も読んで全体の流れを把握します。すると、正確には入っていなくても“こういうニュアンスの言葉があったな”というのを覚えていて、撮影に入る前にも確認して完璧に

Q.反抗期はあった?

A.ないと思います。親とめちゃくちゃ仲がいいので。でも、思い返すと1カ月くらいはあったかもしれない。中3の受験時期に心の余裕がなくなってちょっとケンカしたり。お互い寝たら忘れるので、翌日には仲良かったですけど(笑)。

Q.最近、生きてて良かった!と思ったことは?

A.毎日、毎秒、生きてて良かったって思います。僕、自己肯定感が高いんですよ。自分のことを嫌いになれないです(笑)。

Q.寝るのが大好きな悠くん。どのくらい眠れたら満足?

A.僕は寝すぎるとその後ずっと眠いので5~7時間がベストかなと思います。8時間だと多いです。ちなみに、ライブが終わった日はアドレナリンが出過ぎて全然寝れない。

Q.今、一番の願い事は?

A.飽きるまでゲームがしたい!…いや、違います。もっと大事なことがありました。ライブがしたい。ファンの皆さんの顔を見たいです。当たり前すぎて言うのを忘れていました(笑)。

撮影=諸井純二/取材・文=川倉由起子/スタイリスト=Shinya Tokita/ヘア&メーク=佐鳥麻子

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