モントリオール世界映画祭に出席した(左から)綾野剛、呉美保監督、池脇千鶴【モデルプレス】

綾野剛、快挙達成に「風が吹いたな」

2014.09.02 16:09

俳優の綾野剛が快挙を成し遂げた。

主演映画「そこのみにて光輝く」が、世界四大映画祭の一つであるモントリオール世界映画祭のワールド・コンペティション部門でグランプリに次ぐ最優秀監督賞を受賞した綾野。

メガホンを執った呉美保監督は「賞の名前は『監督賞』という名前ですが、ひとりでとれるものではなくて、みんなの力があってこそのものだと思います。みんなでここまでこれたし、本当に良かったなと思います」と感謝を述べ、「この映画の原作を書かれた作家・佐藤泰志さんは芥川賞候補に何度もノミネートしながらも賞に恵まれず、不遇の死をとげました。この賞を獲得し佐藤さんが報われたかなと感じています。佐藤泰志さんにおめでとうございます!!」と原作者に向け、祝福の言葉を贈った。

綾野剛、喜びのコメント

綾野も「風が吹いたなって感じです。佐藤泰志さんに届けられたかなと思います」とコメント。「この監督賞をきっかけに日本でも多くの人に届くことを願っています。国と文化を超えてコミュニケーションをとれた実感があり、映画は改めて世界共通語だと思いました」と手応えを感じている様子で、喜びを語った。

共演の池脇千鶴は「がらにもなく興奮してしまいました」と振り返り「監督すごくがんばったと思うのでいいご褒美ですね。私もすごく嬉しいです」とコメント。

また、同映画祭では女優の吉永小百合が主演・初プロデュースをつとめた映画「ふしぎな岬の物語」(10月11日公開)が審査員特別賞グランプリとエキュメニカル審査員賞のダブル受賞を果たした。

綾野剛主演映画「そこのみにて光輝く」とは

同作は、函館の短い夏を舞台に紡ぎ出す、運命の出逢いと家族の物語。何度も芥川賞候補に挙げられながらも賞に恵まれなかった不遇の作家・佐藤泰志の最高傑作を映画化した。

主演の綾野は、これまでにも増してソリッドでありながら、儚げな「ゆらぎ」のある存在感で、ひとりの女を愛しぬく主人公のインナーワールドを豊かに体現。またヒロインを演じた池脇は、名作「ジョゼと虎と魚たち」で見せた破格の人物造形に匹敵する情感あふれる演技で、さらに一歩踏み込んだ「女の芯」をかたちにしている。ほか、ヒロインの弟役には菅田将暉。前科者だが、どこまでも無垢なその精神の行方を、快活と刹那が交錯する天使のようなたたずまいで見せている。(modelpress編集部)

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