モデルプレスのインタビューに応じたT.M.Revolution 西川貴教(C)モデルプレス

T.M.Revolution西川貴教、“突風”ジャケにHOT LIMITスーツ…20周年の意思表示「イメージを突っぱねることもない、と思えるようになった」

2016.05.09 10:00

5月13日にデビュー20周年を迎えるT.M.Revolution 西川貴教が、アニバーサリープロジェクトで世間を大いに沸かせている。11日リリースのベストアルバム『2020 -T.M.Revolution ALL TIME BEST-』のジャケット写真は、おなじみの“HOT LIMITスーツ”を身にまとった西川の顔に風に飛ばされた新聞やコンビニ袋が貼り付いてしまった!?というハプニング的ビジュアルで話題に。さらに4月1日には新会社「株式会社 突風」を設立、エイプリルフールネタかと思いきや大真面目なスーツ姿で“公式HOT LIMITスーツ(簡易版)商品化”の事業計画を発表するなど、既存ファン以外も楽しめるコンテンツの連投でバズを生み出している。そこに込められた思いとは?西川本人に話を聞いた。


感謝を込めて「お祭りみたいに楽しめれば」

T.M.Revolution 西川貴教(C)モデルプレス
― 20周年プロジェクトの情報解禁が連日話題となっています。反響をどのように感じていますか?

西川:アニバーサリーと言うと本来は「おめでとうございます」とお祝いしてもらうことが多いと思いますが、そうではなく、日頃支えてくれている皆さんに対して感謝をしたり、何ならみんなでお祭りみたいにできたらいいなと思って準備に時間をかけてきたので、それがすごくいい形で色んな方に楽しんでいただけているのは嬉しいですね。

― アーティストの方々はアニバーサリーに様々な意味合いを持たせるかと思いますが、西川さんの場合は「感謝」が大きかったと。

西川:そうですね。誕生日なんかもそうだと思いますが、「おめでとう」って言われるけど、一番頑張ったのって母親じゃないですか(笑)。僕が色んなものを作り出して、それをたくさんの方に届けられるのは、支えてくれているファンの皆さんのおかげ。僕はただ押し出されて出てきただけなので、一緒に楽しめればいいと思いました。

心境の変化「世間のイメージを突っぱねることもない」

『2020 -T.M.Revolution ALL TIME BEST-』(2016年5月11日発売)
『2020 -T.M.Revolution ALL TIME BEST-』(2016年5月11日発売)
『2020 -T.M.Revolution ALL TIME BEST-』【Loppi(ローソン・ミニストップ)・HMV限定セット】(2016年5月11日発売)
『2020 -T.M.Revolution ALL TIME BEST-』【Loppi(ローソン・ミニストップ)・HMV限定セット】(2016年5月11日発売)
― ベストアルバムのジャケットもすごく挑戦的な仕上がりに。

西川:そうですね。こういう形で記念になるようなベストアルバムをこんなアートワークにする人いないでしょうし(笑)。やっぱり20年っていう年月が大きくて、多分10周年だったら出来なかっただろうと思います。T.M.Revolutionをひとつのアイコンとして、自分で自分のキャラクターを“遊ぶ”。その発想自体も、興味を持ってくれている皆さんの印象からヒントを得たものなんです。

20年の中で、T.M.Revolutionに触れていただいた時期も、その人の世代などによってまちまちだと思うんですよね。でもそれに対して、僕自身が「こういうのですよ」と一括りにする必要はないと思うし、皆さんが思うイメージに僕が縛られるということもなく、そのイメージで“遊ぶ”っていう。10周年の時は決められたイメージやキャラクターに縛られたくないというのもありましたが、20年経った今、印象強く、皆さんの中で顔と名前が一致して覚えていただいていること自体が光栄だと思うので、だったらそれを自分から突っぱねることもないのかな、と思えるようになったというか。

― 20年という月日で心境の変化があったのですね。

西川:こうやって長く活動させてもらっていること自体も、色んな方に「こいつなら面白いことやってくれるんじゃないか」と期待していただいたことに対して、僕がどんな風に応えていくか、っていうやり取りが続いてきた結果だと思うので。

― 「HOT LIMIT」のなりきり動画を募集する「みんなのHOT LIMIT」企画もお祭り的でしたね。「黒ガムテ巻き方講座」のシュールな動画には思わず釘付けでした(笑)。

西川:あれもファンの皆さんや、T.M.Revolutionっていうものを使って遊んでくれている皆さんに対して、「こちら側も嫌な気持ちではないよ」と示したかったというか。わかりやすい例で言うと、自分のモノマネをされると気分が良くないっていう人も結構いるじゃないですか。でもそのモノマネを見た人が「そういうとこあるよね」って思うかどうかって、こっち側がコントロールすることじゃないと思うんですよ。それと同じようなもので、みんながそれを楽しく思ってくれているんだったら、全然こっちは構いませんよ、っていう意思表示の表れ。どうせやってくれるんだったら、完成度を上げてもらえればっていうことだったんですよね。


影響力のあるTwitter「ブレずに発信し続けるだけ」

T.M.Revolution 西川貴教(C)モデルプレス
― 西川さんの場合アニメやサブカルチャーとの親和性の高さもあり、ネットユーザーからすごく愛されているという印象があります。

西川:ぶっちゃけそんな水ものを当てにしても仕方がないので、僕がアイデアになるような種をまき、それに対して周りのスタッフ含めて「これいいね」「おもしろいね」と言ってくれたものを育てて、みんなに見てもらっているだけ。「バズらせよう」とかあざとく考え始めると、つまらないものになったりするのかなって思いますけどね。

― 120万超フォロワーを有するTwitterも、ツイートひとつがニュースになるほどの影響力となっていますね。

西川:そうですね、ここのところ毎日何かしらやっている感じだったので、見たくない人にとっては毎日西川で嫌だったと思います(笑)。やっぱりFacebookにしろTwitterにしろInstagramにしろ、ファンの方との接し方というものが随分変わってきたと思うんですね。もちろんその中にはネガティブな意見もあるんですけど、いい意味で気にしすぎないことですかね。

僕自身もそうですが、ツイートって何気なく思ったことを、普段の会話と同じような感じで投げかけているだけなんですよ。そこにみんな敏感に反応しがちなんですけど、発信する側はそれによってブレたりしないほうがいい。投げてからひっくり返すとかっていうブレが生じると、いわゆる炎上ということになっていくんですよ。だから僕は逆に、きちんと信念を持って発信し続ければ曲げる必要もないと思っていますし、それを一貫してやり続けているだけですね。

ネットは掘り下げていけばログが全部出てくるものだから。そういう意味でもネットユーザーの方はリテラシーがすごく高いので、そこにブレが生じていると、色んなことを指摘される。だからこそ、やっぱり自分が何かを発信していく時は、これまでの自分の考えと照らし合わせて、ズレがないかどうかはきちんと検証していくべきかなとは思います。それ以外はあんまり考えてないですね。

夢を叶える秘訣は「出来ることを少しずつ増やしていくこと」

T.M.Revolution 西川貴教(C)モデルプレス
― 13日からはいよいよ全国ツアー「T.M.R. LIVE REVOLUTION'16 -Route 20-」が始まり、LIVEラッシュとなりますので、改めて今後の意気込みをお聞かせください。

西川:1年間、365日続く誕生日パーティーのようなものだと思っています。その間には「イナズマロック フェス 2016」も挟みますが、大体週末ごとに行われていく感じになるので、その分ウィークデーをどういう風にイベントごとで埋めていくのかを、また色々と考えていければなと思っています。サプライズじゃないですけど、せっかくのパーティーなら色んなトピックスを盛り込んで「1年間、毎日楽しかったね」って言ってもらいたい。スタッフのみんなも「毎日何かやるんだ」って気でいてくれてると思います。大きいものもあれば、小さいものもあり。毎日、毎日、毎日、続ける(笑)。

20年で色んなことをやってきて改めて感じるのは、やっぱり何事もタイミングなんだなと。同じことでも、少しタイミングがズレれば捉え方が真逆になったりするじゃないですか。だから今、こういう風に20周年のアニバーサリーを迎えていく中で、新しいアプローチのものを届けさせてもらえるっていうことも、今後に繋がるヒントを与えられているような気がすごくしていますね。

― モデルプレス読者へ“夢を叶える秘訣”のアドバイスをお願いします。

西川:出来たこと、もしくは出来ることを少しずつ増やしていくことじゃないですかね。過去に出来なかったことをまたやろうとしてもしょうがないから、方向転換するなり、時間の使い方を変えてみるなり。出来ない理由を探すんじゃなくて、今何が出来るかを考えたほうが、いい結果につながる。

突然世界が変わることなんてそんなにないんですよ。例えばオーディションとかで急に世界が変わったと感じる方もいると思いますが、やっぱりそれまでにやって来たことが注目されるタイミングにつながったんだと思うし、そこからまた新しく何を出来るようになるのかっていうことが重要。上に行きたいんだったら、そのための準備もしないと。ただボーッとしていても何も変わらない。宝くじだって買わなきゃ当たらないし、努力することとチケットを買う行為は同じだと思う。それが当たるか当たらないかは、運やタイミング次第だとしても。

僕らもそうですが、最初からみんな出来るはずがなく、全て初心者から始まってる。そこで「自分には才能がないんじゃないか?」と悩むんじゃなくて、まずは「出来るんじゃないか」と勘違いする所から。その勘違いの裏付けを取るために、どれだけ努力できるかだと思いますね。今自分でも課題としてとらえているのは「初めてのことをこれからいくつ経験出来るか」ということなんです。目をつむっても出来ることを何年も続けるよりも、初心者として緊張しながら、悩みながらも真新しいものに挑戦したい。それを乗り越えて自分のものにしていく所に、やりがいを感じるので。

― ありがとうございました。

モデルプレスのインタビューに応じたT.M.Revolution 西川貴教(C)モデルプレス
モデルプレスのインタビューに応じたT.M.Revolution 西川貴教(C)モデルプレス
▼モデルプレスでは運動、食生活、髪型などライフスタイルに迫るインタビュー<後編>を後日配信予定。お楽しみに!(modelpress編集部)

T.M.Revolution 西川貴教 プロフィール

T.M.Revolution 西川貴教
T.M.Revolution 西川貴教
1970年9月19日生まれ。滋賀県出身。1996年5月、西川貴教のソロプロジェクト「T.M.Revolution」としてシングル『独裁−monopolize−』でデビュー。キャッチーな楽曲、観る者を魅了する完成されたステージ、圧倒的なライブパフォーマンスに定評があり、『HIGH PRESSURE』『HOT LIMIT』『WHITE BREATH』『INVOKE』など大ヒット曲を連発する。故郷滋賀県から初代「滋賀ふるさと観光大使」に任命され、県初の大型野外ロックフェス「イナズマロック フェス」を主催、地方自治体の協力のもと、毎年滋賀県にて開催している。2013年最大の話題となった水樹奈々とのコラボレーションは、“史上最強、革命的”と大きな反響を呼び、『Preserved Roses』、『革命デュアリズム』は共に大ヒットを記録。過去、5回のNHK「紅白歌合戦」への出場など国民的な支持を得ている。2016年、T.M.Revolution20周年を迎え、さらなる飛躍を目指す。
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