コロコロチキチキペッパーズ、栄光の裏にあった険しい芸人の道「売れるのって難しい」 モデルプレスインタビュー
2015.11.12 13:42
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プロ・アマ・芸歴問わず、全国の挑戦者たちが熱いバトルを繰り広げて“コント芸の日本一”を決定するコントの祭典「キングオブコント」。今年、2015年の大会は、エントリー総数2455組より、西野創人(24)とナダル(31)によるコロコロチキチキペッパーズが頂点に輝いた。一躍、脚光浴びる存在となったが、彼らも“険しい芸人の道”を歩んだ末に、優勝に辿り着いた。
二人は、10月15日~18日まで京都市内を中心に開催された「京都国際映画祭」とコラボレーションしたイベントに出演。「キングオブコント」優勝直後ということもあって、老若男女が集まり、割れんばかりの歓声に包まれていた。モデルプレスはイベント終了後、二人にインタビューを実施。「キングオブコント」優勝後の変化やコンビ結成までのエピソード、これまで歩んできた厳しい芸人人生を語ってもらった。
西野:ありがとうございます。やはり反響が大きく、街でもたくさん声をかけてもらえるようになりました。今日のイベントも歓声がすごく、これまでで一番盛り上がりました!
ナダル:本当に今までと全然違いますね。4月に「アメトーーク!」(テレビ朝日系)に出演させていただいたときも、反響がありましたが、より注目していただけるようになりました。
― 結成4年目での優勝は最短だそうですね。
西野:はい。また、僕は24歳で最年少での優勝のようです。本当に嬉しいです。ナダルさんは31歳なんですけどね。
西野:NSC(吉本興業の新人養成所)で同じクラスだったんです。そこで仲が良く、いろんなとこ連れて行ってくれるなど、お兄ちゃん的存在でした。当時からみんなにイジられていて、おもしろい人だったんです。
ナダル:僕も、めっちゃ可愛いなぁって思っていたんです。最初は(笑)。当時、僕は25、26歳で、西野は高校を卒業したばかりの18歳。今は可愛いというよりも、良き相方です。ずっとおもしろいとは思っていました。
西野:お互いに「おもしろい」と思っていたんですけど、最初はそれぞれ別のコンビを組んでいたんです。そんな中で、僕のコンビが解散してしまって、ナダルさんに声をかけたんです。アタックし続けていたところで、ナダルさんもコンビを解散することになり「じゃあコンビを組もう!」となって、コロコロチキチキペッパーズを結成しました。
ナダル:西野が「コンビを組みたい」と言ってくれたときは、めっちゃ嬉しかったです。僕は僕で、別のコンビを組んでいたので、すぐにというわけにはいかなかったのですが、当時の相方が芸人を辞めることになったんです。僕も全然結果を出せずに、親にも「芸人きついぞ。大変な仕事だし、いい年だし、いつまでもやらんとき」と言われていたのですが、西野と組んでダメだったら芸人を辞める覚悟で、コンビを結成しました。西野はNSCでも成績が良く、僕自身も本当におもしろいと思えるやつ。自分がおもしろいと思える人と最後にコンビを組もうと思ったんです。
― お二人の選択は大正解でしたね!
ナダル:大成功ですね。本当、西野のおかげです。
西野:でも、実はコンビを組んでから1ヶ月くらいでナダルさんが「辞めたい」と言い出したんですよ。先輩に「お前は売れない」と言われて、へこんだようで…。説得してどうにか続けてきました。
西野:はい。「やっべぇぞ」というギャグをパクっていただきました(笑)。これがきっかけで、番組などにいくつか呼んでいただき、中高生にもウケたようですが、人気が出るというわけでもなく…。「パクリたい-1グランプリ」でピスタチオさんと同期のクマムシがブレイクしたので「僕らももしかしたら」という思いがあったんです。「アメトーーク!」の影響力はすごく「やっべぇぞ」が少し、流行りかけて「あ、イケるんちゃうか」と思いました。でも、やはりそんなに甘くはない。ちょっと流行ったからといって、仕事に呼んでもらえるわけではなくて…。
― 「アメトーーク!」で注目を浴びる前を振り返ってみると、いかがですか?
西野:テレビ番組にも少し出させていただき、その後の反響はありましたが、それが継続するわけでもなく、月日が経てば薄れていくというか…。やっぱり売れるのって難しいなと日々感じていました。
ナダル:どうやったら売れるのか全くわからない世界。ずっとバイトをしながら「どうやったら売れんねん」と思いながら過ごしてきました。
西野:「今夜くらべてみました」(日本テレビ系)などの人気番組にも出演させていただきましたが、売れてきたと感じることはありませんでした。こんな感じが続くのかなと、少し怖さがありましたね。
ナダル:めちゃめちゃ嬉しいです。実は勝手に使っていて「怒られて、できなくなってしまったらどうしよう」と思っていたんです。でも「ぜひ使ってください」と言っていただけました。
西野:SURFACEのボーカル・椎名慶治さんとTwitterで絡ませてもらったことがあり、「使ってもいいですか?」と聞いたら「全然、使ってくださいね。今度コラボしましょう」とも。本当にありがたいです。
― コロチキさんとSURFACEさんのコラボレーションに期待します!
西野:コラボしたいですね。生演奏してもらって、僕らはコントして(笑)。
ナダル:この曲はアニメ「まもって守護月天!」(テレビ朝日系)のオープニング曲にもなっているのですが、桜野みねねさんによる原作マンガも再開するそうです。3組で何かできたらおもしろそうですよね。
西野:僕はバナナマンの設楽統さんです。とても尊敬しています。以前に設楽さんが「僕の役目は日村さんというおもしろい人間を世の中に輩出すること」とおっしゃっていたのが忘れられません。「自分もだ」と思い、この言葉に感銘を受けました。僕もナダルさんというおもしろい人間を世の中に広めていきたいと思っています。ナダルさんには“いい声”以外にも、先輩に物怖じしないところや、天然なところなど魅力がたくさんあります。
ナダル:僕は唯一無二を目指していきたいです。誰とも全然違う存在になっていきたいですね。でも、芸人を目指したきっかけはくりぃむしちゅーの上田晋也さんにあります。トークはおもしろいですし、司会を回すのもとてもお上手で、かっこいいなと憧れていました。
ナダル:1度、CMに声だけ出演させてもらったことあります。声だけで僕だとわかってもらえるようになれたら嬉しいです。声優もおもしろそう!
― いいですね!期待しています!
ナダル:声で笑わせるのは得意です。それだけだと言われてきたんで(苦笑)。ですが、これでも声変わりして低くなったんですよ(笑)。
西野:満足しないこと。「自分、がんばってるな」とか「達成したー!」と思わないことです。「疲れたなぁ」というのはあってもいいかと思いますが、続けることが大切。「キングオブコント」で優勝できましたが、僕もまだ夢が叶ったとは全然思っていません。何やったらこれから始まるくらいの感じです。常に目の前の目標を立て、がんばっていきたいです。
ナダル:僕も夢が叶ったとはまだ思っていません。夢の大きさにもよりますが、夢を叶えることは並大抵のことではありません。それでも、やり続けることが大切。僕自身、現実を見て、疑いながらも一生懸命やり続けてきました。辞めていく同期もたくさん見てきましたが、それが正しい選択だと思うことも。それでも、僕はあきらめずに進み続けたからこそ今があります。あきらめかけたことありますが、信じてやり続けた結果が今です。
― ありがとうございました。
コントで見せる“おもしろさ”は封印し、真剣な眼差しでインタビューに応じてくれた二人。「キングオブコント」優勝で脚光を浴び、勢いに乗る二人が見つめるのは“今”だった。決して、夢が叶ったわけでないと強く語るのは、芸人の道の厳しさをその身をもって感じてきたからこそ。しかし、目標や夢をいくつも胸に抱いていることも事実。彼らが届けてくれる笑いと、思い描く未来を一つ一つ叶えていく姿に注目だ。(modelpress編集部)
会場:東京・池袋のサンシャイン劇場
「芸人を辞める覚悟」でコンビ結成
― 「キングオブコント」優勝おめでとうございます!脚光を浴び、環境などに変化はありましたか?西野:ありがとうございます。やはり反響が大きく、街でもたくさん声をかけてもらえるようになりました。今日のイベントも歓声がすごく、これまでで一番盛り上がりました!
ナダル:本当に今までと全然違いますね。4月に「アメトーーク!」(テレビ朝日系)に出演させていただいたときも、反響がありましたが、より注目していただけるようになりました。
― 結成4年目での優勝は最短だそうですね。
西野:はい。また、僕は24歳で最年少での優勝のようです。本当に嬉しいです。ナダルさんは31歳なんですけどね。
― ところでお二人は、どういった経緯でコンビを結成されたのでしょうか?年齢も離れていますが…。
西野:NSC(吉本興業の新人養成所)で同じクラスだったんです。そこで仲が良く、いろんなとこ連れて行ってくれるなど、お兄ちゃん的存在でした。当時からみんなにイジられていて、おもしろい人だったんです。
ナダル:僕も、めっちゃ可愛いなぁって思っていたんです。最初は(笑)。当時、僕は25、26歳で、西野は高校を卒業したばかりの18歳。今は可愛いというよりも、良き相方です。ずっとおもしろいとは思っていました。
西野:お互いに「おもしろい」と思っていたんですけど、最初はそれぞれ別のコンビを組んでいたんです。そんな中で、僕のコンビが解散してしまって、ナダルさんに声をかけたんです。アタックし続けていたところで、ナダルさんもコンビを解散することになり「じゃあコンビを組もう!」となって、コロコロチキチキペッパーズを結成しました。
ナダル:西野が「コンビを組みたい」と言ってくれたときは、めっちゃ嬉しかったです。僕は僕で、別のコンビを組んでいたので、すぐにというわけにはいかなかったのですが、当時の相方が芸人を辞めることになったんです。僕も全然結果を出せずに、親にも「芸人きついぞ。大変な仕事だし、いい年だし、いつまでもやらんとき」と言われていたのですが、西野と組んでダメだったら芸人を辞める覚悟で、コンビを結成しました。西野はNSCでも成績が良く、僕自身も本当におもしろいと思えるやつ。自分がおもしろいと思える人と最後にコンビを組もうと思ったんです。
― お二人の選択は大正解でしたね!
ナダル:大成功ですね。本当、西野のおかげです。
西野:でも、実はコンビを組んでから1ヶ月くらいでナダルさんが「辞めたい」と言い出したんですよ。先輩に「お前は売れない」と言われて、へこんだようで…。説得してどうにか続けてきました。
甘くない芸人の世界
― 「アメトーーク!」では、ザキヤマさん(アンタッチャブル・山崎弘也)とフジモンさん(FUJIWARA・藤本敏史)が若手芸人のネタをパクる「パクリたい-1グランプリ」に出演されていましたね。西野:はい。「やっべぇぞ」というギャグをパクっていただきました(笑)。これがきっかけで、番組などにいくつか呼んでいただき、中高生にもウケたようですが、人気が出るというわけでもなく…。「パクリたい-1グランプリ」でピスタチオさんと同期のクマムシがブレイクしたので「僕らももしかしたら」という思いがあったんです。「アメトーーク!」の影響力はすごく「やっべぇぞ」が少し、流行りかけて「あ、イケるんちゃうか」と思いました。でも、やはりそんなに甘くはない。ちょっと流行ったからといって、仕事に呼んでもらえるわけではなくて…。
― 「アメトーーク!」で注目を浴びる前を振り返ってみると、いかがですか?
西野:テレビ番組にも少し出させていただき、その後の反響はありましたが、それが継続するわけでもなく、月日が経てば薄れていくというか…。やっぱり売れるのって難しいなと日々感じていました。
ナダル:どうやったら売れるのか全くわからない世界。ずっとバイトをしながら「どうやったら売れんねん」と思いながら過ごしてきました。
西野:「今夜くらべてみました」(日本テレビ系)などの人気番組にも出演させていただきましたが、売れてきたと感じることはありませんでした。こんな感じが続くのかなと、少し怖さがありましたね。
卓球ネタで使用の楽曲「さぁ」が再ヒット
― 今、お二人が卓球ネタの中で使用されているSURFACEさんの「さぁ」が再ヒットしていますね!思うところをお聞かせください。ナダル:めちゃめちゃ嬉しいです。実は勝手に使っていて「怒られて、できなくなってしまったらどうしよう」と思っていたんです。でも「ぜひ使ってください」と言っていただけました。
西野:SURFACEのボーカル・椎名慶治さんとTwitterで絡ませてもらったことがあり、「使ってもいいですか?」と聞いたら「全然、使ってくださいね。今度コラボしましょう」とも。本当にありがたいです。
― コロチキさんとSURFACEさんのコラボレーションに期待します!
西野:コラボしたいですね。生演奏してもらって、僕らはコントして(笑)。
ナダル:この曲はアニメ「まもって守護月天!」(テレビ朝日系)のオープニング曲にもなっているのですが、桜野みねねさんによる原作マンガも再開するそうです。3組で何かできたらおもしろそうですよね。
バナナマン設楽統の言葉に感銘 西野の決意
― 「キングオブコント」は名だたる方々が優勝されていますが、目標とする先輩や憧れの方はいますか?西野:僕はバナナマンの設楽統さんです。とても尊敬しています。以前に設楽さんが「僕の役目は日村さんというおもしろい人間を世の中に輩出すること」とおっしゃっていたのが忘れられません。「自分もだ」と思い、この言葉に感銘を受けました。僕もナダルさんというおもしろい人間を世の中に広めていきたいと思っています。ナダルさんには“いい声”以外にも、先輩に物怖じしないところや、天然なところなど魅力がたくさんあります。
ナダル:僕は唯一無二を目指していきたいです。誰とも全然違う存在になっていきたいですね。でも、芸人を目指したきっかけはくりぃむしちゅーの上田晋也さんにあります。トークはおもしろいですし、司会を回すのもとてもお上手で、かっこいいなと憧れていました。
美声を活かして
― ナダルさんといえば、その“美声”でも人気ですが、声を活かしてやってみたいことはありますか?ナダル:1度、CMに声だけ出演させてもらったことあります。声だけで僕だとわかってもらえるようになれたら嬉しいです。声優もおもしろそう!
― いいですね!期待しています!
ナダル:声で笑わせるのは得意です。それだけだと言われてきたんで(苦笑)。ですが、これでも声変わりして低くなったんですよ(笑)。
険しい芸人の道…コロチキ二人の夢を叶える秘訣
― そうなんですね(笑)。では、最後に「キングオブコント」で優勝したお二人から夢を叶える秘訣をお願いします。西野:満足しないこと。「自分、がんばってるな」とか「達成したー!」と思わないことです。「疲れたなぁ」というのはあってもいいかと思いますが、続けることが大切。「キングオブコント」で優勝できましたが、僕もまだ夢が叶ったとは全然思っていません。何やったらこれから始まるくらいの感じです。常に目の前の目標を立て、がんばっていきたいです。
ナダル:僕も夢が叶ったとはまだ思っていません。夢の大きさにもよりますが、夢を叶えることは並大抵のことではありません。それでも、やり続けることが大切。僕自身、現実を見て、疑いながらも一生懸命やり続けてきました。辞めていく同期もたくさん見てきましたが、それが正しい選択だと思うことも。それでも、僕はあきらめずに進み続けたからこそ今があります。あきらめかけたことありますが、信じてやり続けた結果が今です。
― ありがとうございました。
コントで見せる“おもしろさ”は封印し、真剣な眼差しでインタビューに応じてくれた二人。「キングオブコント」優勝で脚光を浴び、勢いに乗る二人が見つめるのは“今”だった。決して、夢が叶ったわけでないと強く語るのは、芸人の道の厳しさをその身をもって感じてきたからこそ。しかし、目標や夢をいくつも胸に抱いていることも事実。彼らが届けてくれる笑いと、思い描く未来を一つ一つ叶えていく姿に注目だ。(modelpress編集部)
コロコロチキチキペッパーズ プロフィール
西野創人とナダルによるお笑いコンビ。通称「コロチキ」。大阪NSC33期生で2012年4月に結成。「キングオブコント2015」で優勝し、8代目王者となる。「東京グランド花月」
日時:12月26日(土)~29日(火)4日間7公演会場:東京・池袋のサンシャイン劇場
【Not Sponsored 記事】
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