鬼兵隊の船に乗り込んだ真選組の土方十四郎(柳楽優弥)と沖田総悟(吉沢亮) (C)空知英秋/集英社 (C)2017 映画「銀魂」製作委員会

実写銀魂“ドS沖田”吉沢亮、バズーカぶっ放しながらシビアな心境「監督、どんな顔で見てんのかな…」

2017.05.22 07:00

空知英秋氏の人気コミックを実写映画化する話題作『銀魂』(7月14日公開)。情報解禁の際、最も大きな反響を集めたキャストのひとりが真選組・沖田総悟役の吉沢亮(よしざわ・りょう/23)だ。モデルプレスは昨年9月、東映東京撮影所で撮影に臨む吉沢を取材。そこにはコメディの名手・福田雄一監督のもと“笑い”に本気で挑む現場だからこそのシビアな想いがあった。


“ドS沖田”がそこに…!

パラレルワールドの江戸を舞台に、侍魂を堅持するちょっと変わった男・坂田銀時(小栗旬)と、その仲間たちの身に起きる様々な事件を描く、笑いあり感動ありの物語。小栗をはじめ菅田将暉(志村新八 役)、橋本環奈(神楽 役)、堂本剛(高杉晋助 役)、長澤まさみ(志村妙 役)、岡田将生(桂小太郎 役)、吉沢と同じ真選組には中村勘九郎(近藤勲 役)、柳楽優弥(土方十四郎 役)が抜てきされている。

この日撮影が行われていたのは、高杉晋助率いる鬼兵隊の船に乗り込んだ真選組・副長の土方十四郎と一番隊隊長・沖田総悟が、岡田似蔵(新井浩文)と対峙するシーン。立ちはだかる岡田を前に“シリアスモード”ではあるものの、土方と沖田の関係が最大に活かされたギャグ要素も含まれる。

土方さんをこんな風にしたのは誰だー! (C)空知英秋/集英社 (C)2017 映画「銀魂」製作委員会
土方さんをこんな風にしたのは誰だー! (C)空知英秋/集英社 (C)2017 映画「銀魂」製作委員会
土方は刀を手にくわえタバコをふかしてスタンバイ、沖田は愛用のバズーカを担ぎ登場。盲目でありながらも居合い切りの達人、“人斬り似蔵”と恐れられる岡田に身の危険を感じた沖田は、土方を使って…回避?!撮影前の段取りの段階で、思わず笑いがこぼれてしまうスタッフたち。

吉沢へはバズーカの構え方や立ち去り方、手の角度まで細部にわたる監督こだわりの演出が。爽やかな顔で“江戸っ子口調”のセリフを口にし、颯爽と土方を窮地へ追い込む吉沢の姿はまさに“ドS沖田”そのものの再現度だった。

“吉沢沖田”に福田監督の反応は

映画『銀魂』WEB版ポスタービジュアル(C)空知英秋/集英社 (C)2017 映画「銀魂」製作委員会
映画『銀魂』WEB版ポスタービジュアル(C)空知英秋/集英社 (C)2017 映画「銀魂」製作委員会
そんな撮影真っ最中の現場で取材に応じた吉沢は「僕の役は撮影が飛び飛びで、1回撮ってまた1週間空いて…ということが結構続いていたので、その場その場で調整していく必要がありました。空気感としては、福田監督がとても面白い方なので、これだけ豪華なキャストの皆さんが集まっていても基本的にふざけた雰囲気です(笑)。ピリッとするところはしているんですけど、監督の持っている雰囲気がすごくフランクなので、笑いの耐えない、すごく良い現場だなと思います」と語る。

福田監督の大きな笑い声が響く現場。「監督は役者が持ってきたものを見て散々笑ってから、『ここはもうちょい、こうかな?』と修正しつつ進めていく感じなので、監督が笑ってくれるとこちらも超安心するし、すごくやりやすいです」と感謝する一方で、「コメディは本当に難しい…」と役者の度量がリアルに試される現場のシビアさものぞかせる。

「僕はもう、ビクビクしながらやってます。『監督、どんな顔でこれ見てんのかな…』ってドキドキで(笑)」と不安げだが、これまでにないほど原作の世界観を意識し、アニメと台本を照らし合わせて「何よりも喋り方、声のテンションを一番に意識した」という“吉沢沖田”は監督からも高評価。「現場で監督が『いいね!』って言ってくれて、気持ちを上げてもらえるとすごく嬉しいし、『よっしゃ、頑張ろう!』と思えるんですよね」と“緊張と緩和”のバランスのとれた現場を楽しんでいるようだった。

勘九郎&柳楽から受けた刺激

映画『銀魂』真選組ビジュアル(左から)柳楽優弥(土方十四郎)、中村勘九郎(近藤勲)、吉沢亮(沖田総悟)(C)空知英秋/集英社 (C)2017「銀魂」製作委員会
映画『銀魂』真選組ビジュアル(左から)柳楽優弥(土方十四郎)、中村勘九郎(近藤勲)、吉沢亮(沖田総悟)(C)空知英秋/集英社 (C)2017「銀魂」製作委員会
近藤役の勘九郎との共演にあたっては、事前に勘九郎出演の舞台を何本か鑑賞。「舞台を見て『すっごい方だな…』と思ったんですけど、今回一緒に現場に入ってみて、芝居の部分はもちろん、現場での居方も含めて素晴らしい役者さんだなと感じました。その役になりきる感じとか、無駄なことが一切ない。スケジュール感もすごく大変そうで寝る時間もなさそうだったのに、現場では疲れた顔を一切見せず、すごくニコニコされていて『すげえっ!』と思いましたね」と刺激を受けたことを明かす。

また、土方役の柳楽とは比較的年齢が近いこともあり、現場で言葉を交わすことも多かったというが「柳楽さんもやっぱりすごい。こういう世界観なので、みんなキャラっぽくあえて作っている部分はあるんですけど、柳楽さんのお芝居は超リアル。すごいなって思います…」とやはり尊敬のまなざしを送っていた。

役者・吉沢亮の勢いがすごいぞ!

同作をはじめ、10月21日には同じく福田監督作品の『斉木楠雄のΨ難』が公開。ほか映画『トモダチゲーム』(6月3日公開)、『リバーズ・エッジ』(2018年公開)など、いずれも漫画原作の話題作が控え、情報解禁のたびにネット上を騒がす“バズり具合”を見ても「今年の吉沢亮は一味違う!」といった様相。

そんな反響に対する心境を聞くと「『銀魂』キャスト解禁のスポーツ紙を見た時に、この主役級のバーン!って並びの中に自分がぽつんといる感じが、すごい申し訳ないなと思いました。ちょっとこれ気まずいな…って思ったんですけど…(笑)」と恐縮気味で、まだ実感がないようだったが、“吉沢亮=沖田総悟”というキャスティングには好意的な声が大半だったことを伝えると「本当ですか?それ、すごい嬉しい。めっちゃ嬉しい」とにやり。

「原作のファンの方々を裏切ることはできない。ひたすらバズーカをぶっ放してます(笑)」と“真面目にふざけた”今作は、役者・吉沢亮のターニングポイントとしても見逃せない作品となりそうだ。(modelpress編集部)

吉沢亮(よしざわ・りょう)プロフィール

1994年2月1日生まれ、東京都出身。アミューズ全国オーディション2009「THE PUSH!マン~あなたの周りのいけてる子募集~」で特別賞を受賞。『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日・2011-2012)朔田流星/仮面ライダーメテオ役で注目を浴びる。近年の主な出演作は、ドラマでは『オトナ女子』(フジテレビ・2015)、『武道館』(フジテレビ・2016)、『バスケも恋も、していたい』(フジテレビ・2016)、映画では『彼女は嘘を愛しすぎてる』(13)、『アオハライド』(14)、『通学電車』(15)、『さらば あぶない刑事』(16)、『オオカミ少女と黒王子』(16)、『サマーソング』(16)など。2017年は『ラストコップ THE MOVIE』、『銀魂』、『トモダチゲーム』、『斉木楠雄のΨ難』などが公開予定。9月からは「百鬼オペラ『羅生門』」が上演。
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