ネーミングによるPR 耳から得る商品情報

2025.05.13 12:30
提供:繊研plus

語感の良い商品名

新製品の訴求ポイントは「味・機能性・作り方・包材」などが基軸となるが、今春はなんだか語感のよろしい商品名が揃った。

「ベジパッソ」(はごろもフーズ)と「オコメッカラ」(ハチ食品)は、「ともかく発音してみたい!」となる促音のリズム。なぜか「ベジッソ」「コメッカラ」だけでは声に出したい気持ちは半減だ。さらに「パッとジュッと」(理研ビタミン)は、連続促音でますます調子がいい。

「ポイッともんじゃ」(お好みフーズ)は一瞬の行動を想起。そのまま商品を投げ込むイメージが伝わる。「お弁当にIN!」(かね貞)や「おべんとPON」(味の素冷凍食品)も弁当作成時の簡単行動を表現している。生活用品でも「におわない自動開閉ゴミ箱 POI-IT(ポイット)」「激落ちくん 流せる ポイっと トイレクリーナー」といった掃除関連で人気の語感の模様。

「キッコーマン 具麺 牛だし肉ぶっかけ」(キッコーマン食品)と「ぶっかけ粗切りおろしだれ」(モランボン)。「ぶっかけ」という言葉はいつから食品業界で定着したのか。もともと「ぶっかけうどん」というメニューは香川や岡山にあったが、日本食糧新聞でひも解くと09~10年あたりから急増。ぶっかけという語感の力強さは「直接」「濃い目」のつゆやタレをかけるストロングスタイルをうまく言い表している。

売上高との関係

昨年の話で恐縮だが、弊社のセミナーで日本ネーミング&リサーチ様を講師に迎えた。その際の話では、ネーミングは〝コミュニケーションツール〟として商品特徴を伝えるだけでなく、「分かりやすさ」「読みやすさ」「言いやすさ」「聞きやすさ」「覚えやすさ」「独自性」「創造性」「インパクト」「ユニーク」を複合的に絡ませて商品に好感を抱かせるとのこと。キャッチーなネーミングは、〝売り上げ〟に影響する実例も少なくない。

TVや動画のCMから流れてくる音で「えっ?」となるのもネーミングならではの特性。〝ながら行動〟が当たり前のZ世代は「目と耳で違うことができる」という感覚の持ち主であり、目で見るデザインと耳で聞くネーミングは異なるアプローチにもなる。

食事しながら、作業しながら、勉強しながら、トイレをしながら(‼)でもイヤホンを外すことがない若者。知人から〝大学生の子供は起床から就寝までイヤホンをしっぱなし〟という実態を聞くと、その是非はさておき、語感を大切にしたネーミングは次世代PRに有効ではなかろうか。

(月刊「食品新製品トレンド」 武藤麻実子)

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