
米国のトランプ大統領が「クロスファイア・ハリケーン」の文書を全て機密解除する大統領令に署名した。米政治専門紙「ザ・ヒル」が25日、報じた。
2016年の大統領選で、トランプ陣営とロシアとのつながりがウワサされ、トランプ氏がロシアの援助で当選し、当選後もロシアと共謀したのではないかという「ロシアゲート」が騒がれた。このロシア疑惑を当時、FBIが捜査したコードネームが「クロスファイア・ハリケーン」だ。
ホワイトハウスのウィル・シャーフ秘書官は、この大統領令は「クロスファイア・ハリケーン調査に関連する全ての文書」の機密解除を求めていると述べた。そして、「米国民が、これらのファイルに何が含まれているのかを十分かつ完全に理解すべき時期はとうに過ぎていると思う」と話した。
また、トランプ氏は署名しながら、「これは完全な兵器化だ。恥ずべきことだ。率直に言って、FBIは恥じるべきだ、司法省もそうだし、バイデンもそうだ。だが、これからは皆さん自身の目で確認できるだろう」と語った。
FBIは2016年7月、トランプ陣営のメンバーがロシア当局者と連携していたかどうかについてクロスファイア・ハリケーン捜査を開始した。この捜査はロバート・ミュラー特別検察官の任命に先立って行われた。
ミュラー氏は最終的に、トランプ氏やその選挙運動関係者が2016年の大統領選挙に影響を及ぼすためにモスクワと連携または共謀したという証拠を突き止めることはできなかった。
トランプ氏は長い間、FBIのロシア捜査を「でっち上げ」と呼んできた。クロスファイア・ハリケーンの文書は2021年1月に一部機密解除されたが、今回で全解除となる。