SC協会 営業時間の最適化、元日休業など推奨 深刻化する人手不足に対応
日本ショッピングセンター協会(SC協会)は、「人手不足をどう解消するかは重点」(清野智会長)として、その取り組みに力を注いでいる。
一つは23年10月に立ち上げた「ディベロッパーとテナント企業による意見交換会」を通じた重点項目の発信。「営業時間の最適化」「休館日の弾力的運用」「働く人に選ばれる環境の整備」「安全に働ける環境の整備」の4項目で、推奨する取り組みとして、業務の省力化やカスタマーハラスメント対策のほか、営業時間のフレックス制、閑散期の営業時間短縮、アイドルタイム休業や元日休業、休業日数増、テナント任意休業日など踏み込んだ具体策が示された。
ガイドラインなど、より強制力を持ったものにするのは難しい内容だが、SC協会としてはパンフレットを作成、説明会を開くなどして浸透させていく考え。館ごとにディベロッパーとテナントの対話を通じて進めていくことを促す。
もう一つはDX(デジタルトランスフォーメーション)委員会による「売上報告の効率化に向けた提言」。テナントによる日々の売り上げ報告は欠かせないが、人手不足の中で報告項目が多岐にわたっていることを含めて負担感が高まっている。そこで20程度あった項目を「純売上」「商品券類」「売上控除」「レジ客数」の四つに絞ることを提言した。
併せてペーパーレス化なども示されているが、詳細確認から異常値確認にディベロッパー作業の考え方を変えることが前提となる。9月以降に全国4カ所で勉強会を開き、普及に努める。
SC協会の調査によると、テナント従業員について「充足していない」と「やや充足していない」とするSCは23年度で75%(22年度は65%)に達しており、人手不足は深刻さを増している。さらにテナント従業員(非正規)の採用が「非常に困難」とするところが64%(42%)となっており、実効性の高い対策が求められている。
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