タンナーのセナレザー 流通しない革を独自の加工で財布に
2024.04.03 10:59
提供:繊研plus
タンナーのセナレザー(兵庫県姫路市)は、C級以下で流通しない革を活用した自社製品の販売に力を入れている。傷などがある革に、独自の加工を施すことで新たな価値を出している。
(古川富雄)
キャッシュレスに対応
セナレザーは、国産牛の原皮を専門に扱っている。以前、流通させられない革や端材は廃棄していた。7、8年前からこうした革を再利用できないかと考え、4年前に自社商品「Oragaウォレット」を立ち上げた。キャッシュレス時代に対応した小ぶりな財布だ。
カード4枚、紙幣、コインが入るウォレットは、スーツの胸ポケットにちょうど収まるサイズにした。税込み1万2650円。カードが入る小銭入れ(5500円)、オーソドックスな小銭入れ(4950円)もある。
木で革もむ技法も
革は一色ずつ手塗りする「三色手塗り技法」で深い色合いを出す。染色段階で経年変化を楽しめるワックスを革に入れ、なじみやすくする。船の形をした木で革をもむ伝統の「フネモミ」をすることで独特のしぼを付ける。
販路はレザーフェスティバルなど催事への出店、地元の地場産品ショップなど。ウォレットが兵庫県の優れた地場産品「五つ星ひょうご」認定されたこともあり、今後ECでの販売も力を入れ認知度を上げる。同社の中森赴斗企画部長は「タンナーとして、革は食肉の副産物でエコな素材であることアピールしていきたい」と話している。
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